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第二九話 思い出を形に残して
第二九話 六
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「そんなとこで何してんだっ」
「あ、ガザ兄さんだ……」
慈乃とウタセの間からひょっこりと顔を出したガザを見て、慈乃が振り向くよりも早くヒイラギが呟く。
慈乃はカメラを手から滑らせそうになったが、なんとか堪えた。そんな慈乃の様子を横目で見ていたウタセは咎めるような視線をガザに送った。
「僕はともかく、シノは驚くから気を付けようね」
「えー、それウタが言うか?」
唇を尖らせて文句をつけるガザに悪びれた様子はない。むしろ不服そうにしていた。
「ウタだってひょっこり出てくんじゃん。似たようなもんじゃねえ?」
「えー、そんなことないよ」
「兄弟らしく似た者同士じゃない?」
ニアが笑いを堪えながら会話に割って入った。ニアに同意するようにシキブとサーヤは顔を見合わせると囁き合った。
「ガザ兄さんはウタセ兄さんに似たんでしょうねぇ」
「そうだね。ニア姉さんの言う通りかも」
慈乃も苦笑をこぼしていると、ガザが慈乃を見遣った。
「そんなことより。寒空の下集まって、何してたんだよ?」
「写真を撮っていました」
慈乃が軽くカメラを持ち上げると、ガザは目を丸くした。
「今日って何かあったっけ?」
長年学び家にいるガザにとっては、カメラとは特別な時に使用する道具という認識が定着しているらしかった。心底不思議そうにするガザにウタセが得意げに答える。
「何もないから撮ってるんだよ。日常を写真にして残そうって、シノの提案でね」
「なんでウタが得意げなわけ?」
「まあまあ、いいじゃないか」
背後から聞こえるニアとミトドリの声には気を留めず、ウタセはにこりと慈乃の顔をのぞきこんだ。
「ね?」
「はい。ガザくん達のことも撮りに行きますね」
慈乃はウタセに笑み返すと、ガザに向き直った。
「おー、マジ? かっこよく撮ってくれよな!」
「ガザ兄ー!」
サッカーボールを抱えたトゥナに呼ばれて、ガザは振り返った。
「今行くー! んじゃ、また後で。ラギ達もいってらっしゃい」
「いってきます」
ガザは園庭に行くトゥナ達のもとへ駆けだし、ヒイラギ達は正門を潜って街へ続く丘へと向かった。
「さて、あたし達も働きますか!」
ニアの一言に、各々明るい返事をした。生活棟内に戻っていくニアとミトドリの背を見送って、慈乃とウタセは顔を見合わせた。
「ガザ達は園庭に向かったよね。僕達も行ってみようか」
「はい、そうですね」
「あ、ガザ兄さんだ……」
慈乃とウタセの間からひょっこりと顔を出したガザを見て、慈乃が振り向くよりも早くヒイラギが呟く。
慈乃はカメラを手から滑らせそうになったが、なんとか堪えた。そんな慈乃の様子を横目で見ていたウタセは咎めるような視線をガザに送った。
「僕はともかく、シノは驚くから気を付けようね」
「えー、それウタが言うか?」
唇を尖らせて文句をつけるガザに悪びれた様子はない。むしろ不服そうにしていた。
「ウタだってひょっこり出てくんじゃん。似たようなもんじゃねえ?」
「えー、そんなことないよ」
「兄弟らしく似た者同士じゃない?」
ニアが笑いを堪えながら会話に割って入った。ニアに同意するようにシキブとサーヤは顔を見合わせると囁き合った。
「ガザ兄さんはウタセ兄さんに似たんでしょうねぇ」
「そうだね。ニア姉さんの言う通りかも」
慈乃も苦笑をこぼしていると、ガザが慈乃を見遣った。
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「写真を撮っていました」
慈乃が軽くカメラを持ち上げると、ガザは目を丸くした。
「今日って何かあったっけ?」
長年学び家にいるガザにとっては、カメラとは特別な時に使用する道具という認識が定着しているらしかった。心底不思議そうにするガザにウタセが得意げに答える。
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「なんでウタが得意げなわけ?」
「まあまあ、いいじゃないか」
背後から聞こえるニアとミトドリの声には気を留めず、ウタセはにこりと慈乃の顔をのぞきこんだ。
「ね?」
「はい。ガザくん達のことも撮りに行きますね」
慈乃はウタセに笑み返すと、ガザに向き直った。
「おー、マジ? かっこよく撮ってくれよな!」
「ガザ兄ー!」
サッカーボールを抱えたトゥナに呼ばれて、ガザは振り返った。
「今行くー! んじゃ、また後で。ラギ達もいってらっしゃい」
「いってきます」
ガザは園庭に行くトゥナ達のもとへ駆けだし、ヒイラギ達は正門を潜って街へ続く丘へと向かった。
「さて、あたし達も働きますか!」
ニアの一言に、各々明るい返事をした。生活棟内に戻っていくニアとミトドリの背を見送って、慈乃とウタセは顔を見合わせた。
「ガザ達は園庭に向かったよね。僕達も行ってみようか」
「はい、そうですね」
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