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楽しかったはずの夜
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時計は午前2時を指している。
八月と夏の真っ只中だが海沿いに建てられたロッジなので空気は涼しく、窓から流れ込む穏やかな潮風が非常に心地良い。
床には数時間前に友達と2人で騒ぎ、飲み途中にしてしまった酒の空き缶が転がり床を濡らしている。
不意に潮風に肩を撫でられたように思え、外に視線を移すと星が出ていることに気がついた。
満点とまでは行かないが瞬く星に穏やかな波の音が非常に心地が良い。
本来鼻歌を歌いたくなるような至福の状況だろうが私の思考は目の前にぶら下がる友人の死体に一点集中していた。
潮風で友人の死体がキィキィと不気味な音を立てて揺れている、最後に海でも眺めたかったのか窓の方に向けられた顔には月明かりが差し込み、メロンのように青白い顔を引き立たせていた。
最初はタチの悪いドッキリだとか酔ったまま寝た為に悪夢を見ただとか、軽い気持ちでいたが次第にこれが現実だと理解するにつれて、頭から血の気が引いていくのが自分でも分かった。
《何故友人は死んでいる?》
《私が何かやってしまったのか?》
《酔って眠りに落ちた間に何があった》
溢れ出る疑問にいくら答えを求めようともぐるぐる巡るばかりで一向に答えは出ない。
『…どうしてこうなった…』
何を思うともなく口から言葉が漏れる。へたり込むように友人の亡骸の目の前に崩れ落ち頭を抱えた。
何故こうなったのか?
話は1週間ほど前に遡る
八月と夏の真っ只中だが海沿いに建てられたロッジなので空気は涼しく、窓から流れ込む穏やかな潮風が非常に心地良い。
床には数時間前に友達と2人で騒ぎ、飲み途中にしてしまった酒の空き缶が転がり床を濡らしている。
不意に潮風に肩を撫でられたように思え、外に視線を移すと星が出ていることに気がついた。
満点とまでは行かないが瞬く星に穏やかな波の音が非常に心地が良い。
本来鼻歌を歌いたくなるような至福の状況だろうが私の思考は目の前にぶら下がる友人の死体に一点集中していた。
潮風で友人の死体がキィキィと不気味な音を立てて揺れている、最後に海でも眺めたかったのか窓の方に向けられた顔には月明かりが差し込み、メロンのように青白い顔を引き立たせていた。
最初はタチの悪いドッキリだとか酔ったまま寝た為に悪夢を見ただとか、軽い気持ちでいたが次第にこれが現実だと理解するにつれて、頭から血の気が引いていくのが自分でも分かった。
《何故友人は死んでいる?》
《私が何かやってしまったのか?》
《酔って眠りに落ちた間に何があった》
溢れ出る疑問にいくら答えを求めようともぐるぐる巡るばかりで一向に答えは出ない。
『…どうしてこうなった…』
何を思うともなく口から言葉が漏れる。へたり込むように友人の亡骸の目の前に崩れ落ち頭を抱えた。
何故こうなったのか?
話は1週間ほど前に遡る
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