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『ガタン…ガタン』
窓から差し込む朝日に照らされながら心地よく電車に揺られうたた寝していると、手元のスマホに通知が来たことで目が覚めた。
微睡みながらスマホを開くと仲の良い友人から
「お前今日は大学生遅れんなよ~!あと講義に参考資料必要だからコピー忘れ無いようにな!」
とメッセージが入ってきているのに気がついた。
こいつお母さんかよ…と思いながらも世話を焼いてくれる関係にちゃんと感謝をしながら、
「もう電車乗ってるから遅刻はしない、早めに着いてたら席取りだけお願い」
と返信したところ
「了解!先待ってるわ!」
1分もしないうちにメッセージが飛んでくる。
《ホントこいつ世話焼きだよな…》
そんなことを思っていると、電車内アナウンスで私の大学のある駅名が告げられたので、イヤホンをかけ直し、降りる準備をしながらスマホをポケットにしまう。
私は今年で大学生2年生になる。
と言っても去年パンデミックだなんだでほとんど通えなかった為実質1年生のようなものだが…
駅からバスに乗り換えて30分前後の場所にある大学に通っており、毎朝人があまり居らずガランとした電車とバスに揺られながら大学へ向かうのが日常である。
普通は通学や通勤は憂鬱なのだろうが私は、イヤホンを伝う好きな曲と共に流れる景色を車窓からぼんやり見ているだけのこの時間が好きだった。
そうこうしていると大学前のバス停に到着する、無愛想な運転手に挨拶し、タッチ式のカードでお金を払い五分ほど歩き大学へ向かう、いつも通りの日常だ。
周りの都会の風景から切り取られたように草木に囲まれている私の大学は周りとの雰囲気の違いに少し窮屈そうにしながらどこか穏やかな印象を覚える。
正門で立っている警備員に挨拶をして講義のある棟に向かって歩く、夏も長袖で汗1つ流さない常に笑顔のあの警備員はひょっとしてアンドロイドとかターミネーターとかの類なのでは?と中身のない疑問を考えながら歩いたところでようやく教室の前に着いた。
『ガチャ…』
教室のドアを開けると既に大体の席が埋まっており、友人を探すべく視線を動かすと、後ろの方で大きく手を振っている人を見つける。あそこか
「おまたせ、席取りありがとう」
「どういたしまして!ちゃんと来れて偉いじゃん!また寝坊すんのかと思ったわ笑笑」
「さっきメッセージで電車乗ったって送っただろ」
「そんなことよりも資料!お前ちゃんと持ってきた?」
「あ…やばい忘れたわ」
「そう言うと思って1個余分に印刷してきましたー!」
「お前最高、結婚しよ」
「やだよ、俺は黒髪大和なでしこしか恋愛対象に見れないからな!」
「となるとお前一生独身確定したな」
「辛辣すぎない!?もっと優しく女の子紹介してくれるとかさぁ!!」
はいはい…と資料を貰い隣の席に座ると鐘の音が鳴り講義が始まった。
友人は高校からの関係である
同じバスケ部に入ったことから仲良くなりきつい練習やプレッシャーのかかる大会を乗り越えた言わば相棒に近い。
身長は170cmと平均ぐらいだがとにかく顔が良い、その上に誰にでも明るく快活な性格のくせして彼女が出来たのを見たことがない。
《本気で黒髪大和撫子しか恋愛対象じゃないのかコイツ…今どきそんな人とかツチノコ探すより難しいぞ…?》
そんなこと考えながらチラッと友人の方に視線を移すと目が合い、ウィンクされた。
《ぶっ飛ばしたいな…》
そんなことを考えながら再度教壇の方に視線を移し講義に集中した。
『キーンコーンカーンコーン』
90分の講義が終わり隣で寝てる友人を起こす、これもまた毎時間の日常だ
「起きろ~起きないとお前の検索履歴ストーリーに流すぞ~」
「ストップ!起きてる起きてる!!」
寝起きでなんでこんなテンション高いんだと疑問に思いながら2人で世間話をしつつ次の講義に向かう。
「てか来週から夏休みじゃん!どっか旅行しない!?」
「めっちゃ急だな、行くとしたらどこ行くん?」
「え~?なんも考えてない笑笑」
「せめてちょっと考えとけ」
「まぁ安定の海とか!?泊まりがけで出かけちゃうとか!?」
「やだよ、ただでさえ男と2人で宿泊旅行ってだけでも拷問なのによりによってお前とか」
「酷っ!!!…そう言いながらも着いてきてくれるんでしょ?」
「は?」
イラッときて睨みつけるとキョトンとした顔の後いつも通りヘラッと笑い出した
「分かったよ…ただし場所予約とかはお前やってくれよ…」
「決まりー!!!!クソ楽しみなんだけど!!」
《…なんなんだまじでこいつ》
大きくため息を吐いて空を見上げた。
8月の強い日差しは少しだけ胸を高鳴らせる、少しだけ雲のある青空と人間には何の会話をしているのかも分からない蝉の鳴き声がやけに頭に残った。
「まぁちょっと楽しみだな」
「でしょー!?絶対忘れられない夏にしてやるよ!!!」
「どうでもいいけどお前声でかいしずっとうるさいしセミみたいだな」
「めちゃくちゃ暴言じゃん!?」
「冗談冗談」
笑い合う道中、どこか遠くで夕立の匂いがした。
窓から差し込む朝日に照らされながら心地よく電車に揺られうたた寝していると、手元のスマホに通知が来たことで目が覚めた。
微睡みながらスマホを開くと仲の良い友人から
「お前今日は大学生遅れんなよ~!あと講義に参考資料必要だからコピー忘れ無いようにな!」
とメッセージが入ってきているのに気がついた。
こいつお母さんかよ…と思いながらも世話を焼いてくれる関係にちゃんと感謝をしながら、
「もう電車乗ってるから遅刻はしない、早めに着いてたら席取りだけお願い」
と返信したところ
「了解!先待ってるわ!」
1分もしないうちにメッセージが飛んでくる。
《ホントこいつ世話焼きだよな…》
そんなことを思っていると、電車内アナウンスで私の大学のある駅名が告げられたので、イヤホンをかけ直し、降りる準備をしながらスマホをポケットにしまう。
私は今年で大学生2年生になる。
と言っても去年パンデミックだなんだでほとんど通えなかった為実質1年生のようなものだが…
駅からバスに乗り換えて30分前後の場所にある大学に通っており、毎朝人があまり居らずガランとした電車とバスに揺られながら大学へ向かうのが日常である。
普通は通学や通勤は憂鬱なのだろうが私は、イヤホンを伝う好きな曲と共に流れる景色を車窓からぼんやり見ているだけのこの時間が好きだった。
そうこうしていると大学前のバス停に到着する、無愛想な運転手に挨拶し、タッチ式のカードでお金を払い五分ほど歩き大学へ向かう、いつも通りの日常だ。
周りの都会の風景から切り取られたように草木に囲まれている私の大学は周りとの雰囲気の違いに少し窮屈そうにしながらどこか穏やかな印象を覚える。
正門で立っている警備員に挨拶をして講義のある棟に向かって歩く、夏も長袖で汗1つ流さない常に笑顔のあの警備員はひょっとしてアンドロイドとかターミネーターとかの類なのでは?と中身のない疑問を考えながら歩いたところでようやく教室の前に着いた。
『ガチャ…』
教室のドアを開けると既に大体の席が埋まっており、友人を探すべく視線を動かすと、後ろの方で大きく手を振っている人を見つける。あそこか
「おまたせ、席取りありがとう」
「どういたしまして!ちゃんと来れて偉いじゃん!また寝坊すんのかと思ったわ笑笑」
「さっきメッセージで電車乗ったって送っただろ」
「そんなことよりも資料!お前ちゃんと持ってきた?」
「あ…やばい忘れたわ」
「そう言うと思って1個余分に印刷してきましたー!」
「お前最高、結婚しよ」
「やだよ、俺は黒髪大和なでしこしか恋愛対象に見れないからな!」
「となるとお前一生独身確定したな」
「辛辣すぎない!?もっと優しく女の子紹介してくれるとかさぁ!!」
はいはい…と資料を貰い隣の席に座ると鐘の音が鳴り講義が始まった。
友人は高校からの関係である
同じバスケ部に入ったことから仲良くなりきつい練習やプレッシャーのかかる大会を乗り越えた言わば相棒に近い。
身長は170cmと平均ぐらいだがとにかく顔が良い、その上に誰にでも明るく快活な性格のくせして彼女が出来たのを見たことがない。
《本気で黒髪大和撫子しか恋愛対象じゃないのかコイツ…今どきそんな人とかツチノコ探すより難しいぞ…?》
そんなこと考えながらチラッと友人の方に視線を移すと目が合い、ウィンクされた。
《ぶっ飛ばしたいな…》
そんなことを考えながら再度教壇の方に視線を移し講義に集中した。
『キーンコーンカーンコーン』
90分の講義が終わり隣で寝てる友人を起こす、これもまた毎時間の日常だ
「起きろ~起きないとお前の検索履歴ストーリーに流すぞ~」
「ストップ!起きてる起きてる!!」
寝起きでなんでこんなテンション高いんだと疑問に思いながら2人で世間話をしつつ次の講義に向かう。
「てか来週から夏休みじゃん!どっか旅行しない!?」
「めっちゃ急だな、行くとしたらどこ行くん?」
「え~?なんも考えてない笑笑」
「せめてちょっと考えとけ」
「まぁ安定の海とか!?泊まりがけで出かけちゃうとか!?」
「やだよ、ただでさえ男と2人で宿泊旅行ってだけでも拷問なのによりによってお前とか」
「酷っ!!!…そう言いながらも着いてきてくれるんでしょ?」
「は?」
イラッときて睨みつけるとキョトンとした顔の後いつも通りヘラッと笑い出した
「分かったよ…ただし場所予約とかはお前やってくれよ…」
「決まりー!!!!クソ楽しみなんだけど!!」
《…なんなんだまじでこいつ》
大きくため息を吐いて空を見上げた。
8月の強い日差しは少しだけ胸を高鳴らせる、少しだけ雲のある青空と人間には何の会話をしているのかも分からない蝉の鳴き声がやけに頭に残った。
「まぁちょっと楽しみだな」
「でしょー!?絶対忘れられない夏にしてやるよ!!!」
「どうでもいいけどお前声でかいしずっとうるさいしセミみたいだな」
「めちゃくちゃ暴言じゃん!?」
「冗談冗談」
笑い合う道中、どこか遠くで夕立の匂いがした。
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