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最終章 ほな、さいなら
新ヒーロー登場~怪人を喰らうヒーロー:ブラック~
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怪人はヒーロースーツの解析を進めたことで
劇的に強化された。
わしは無人探査機から送られてくる映像を
モニター画面で眺めていた。
ちょうど、街を襲う怪人とヒーローとの
戦闘が繰り広げられていた。
戦っているのは二人のヒーロー。
ブルーのラインの服を着ているヒーローと
もう一人は見たことがない黒色のヒーロー。
黒色のヒーローは仮にブラックとする。
彼は獣の牙のようなマスクをし、
目元はゴーグルによって完全に隠している。
新しいメンバーの加入でもあったのだろうか。
しかも、こいつはかなり強い。
その上、戦い方に違和感を覚えた。
全くヒーローらしくない戦い方をしている。
まるで肉食獣が捕食対象を弄んでいるかのようだ。
自分よりもはるかに巨大な5メートル級の怪人に
急接近し、その体に取り付き、そしてまた離れる。
怪人は黒色のブラックに取り付かれるたびに
悲痛な叫び声をあげ、それを必死で振り払おうとする。
怪人をよく見ると、ブラックに取り付かれたところの
皮膚がはがれ、肉が見えている。
まさか。
「怪人を捕食しとるんか?」
ざわざわと嫌な予感が胸をよぎる。
やばい、これはやばい予感がする。
その瞬間。
バリバリバリバリ。
空を裂くような音を立てて、怪人を白色の
稲妻が襲った。
なんで、なんでや。
見覚えがあるどころか、今まで何度も何度も
間近で見てきた技だ。
以前とは桁違いの威力と攻撃範囲だが、
見間違うはずがない。
この身に受けたこともある。
この技を使うヒーローは一人しかいない。
「なんで戦っとるんや、日向…!」
わしは慌てて怪人を基地へ戻すための
プログラムを組み立てる。
…はよせんと、まずいことになる。
しかし、一歩遅かった。
二発目の稲妻が空を切り裂き、
怪人を真っ二つにした。
「…あっ」
怪人が塵となっていく。
怪人が倒されると同時に、
チョコバイダー基地内の転送装置に
怪人の構成物質が戻ってくることになる。
カメラの向こうで日向がこっちを見た。
「…ひっ」
その目が血に飢えた獣のようにぎらついており
わしは思わず悲鳴を漏らし、画面から一歩下がる。
ガシャンと椅子が音を立てて倒れた。
さらさらと塵になる怪人と同時に、
カメラに映る日向も目の前で塵になっていく。
やがて、目の前の転送装置の透明なガラスの向こうで、
怪物の体が再構成されていく。
わしはそれをただなすすべなく見ていることしか
できなかった。
怪人が体がすべて再構成される。
怪人の屍の上に一人の男が座っていた。
マスクとゴーグルを外した男が不敵に笑う。
「よぉ、久しぶりだな、信」
それは、日向だった。
劇的に強化された。
わしは無人探査機から送られてくる映像を
モニター画面で眺めていた。
ちょうど、街を襲う怪人とヒーローとの
戦闘が繰り広げられていた。
戦っているのは二人のヒーロー。
ブルーのラインの服を着ているヒーローと
もう一人は見たことがない黒色のヒーロー。
黒色のヒーローは仮にブラックとする。
彼は獣の牙のようなマスクをし、
目元はゴーグルによって完全に隠している。
新しいメンバーの加入でもあったのだろうか。
しかも、こいつはかなり強い。
その上、戦い方に違和感を覚えた。
全くヒーローらしくない戦い方をしている。
まるで肉食獣が捕食対象を弄んでいるかのようだ。
自分よりもはるかに巨大な5メートル級の怪人に
急接近し、その体に取り付き、そしてまた離れる。
怪人は黒色のブラックに取り付かれるたびに
悲痛な叫び声をあげ、それを必死で振り払おうとする。
怪人をよく見ると、ブラックに取り付かれたところの
皮膚がはがれ、肉が見えている。
まさか。
「怪人を捕食しとるんか?」
ざわざわと嫌な予感が胸をよぎる。
やばい、これはやばい予感がする。
その瞬間。
バリバリバリバリ。
空を裂くような音を立てて、怪人を白色の
稲妻が襲った。
なんで、なんでや。
見覚えがあるどころか、今まで何度も何度も
間近で見てきた技だ。
以前とは桁違いの威力と攻撃範囲だが、
見間違うはずがない。
この身に受けたこともある。
この技を使うヒーローは一人しかいない。
「なんで戦っとるんや、日向…!」
わしは慌てて怪人を基地へ戻すための
プログラムを組み立てる。
…はよせんと、まずいことになる。
しかし、一歩遅かった。
二発目の稲妻が空を切り裂き、
怪人を真っ二つにした。
「…あっ」
怪人が塵となっていく。
怪人が倒されると同時に、
チョコバイダー基地内の転送装置に
怪人の構成物質が戻ってくることになる。
カメラの向こうで日向がこっちを見た。
「…ひっ」
その目が血に飢えた獣のようにぎらついており
わしは思わず悲鳴を漏らし、画面から一歩下がる。
ガシャンと椅子が音を立てて倒れた。
さらさらと塵になる怪人と同時に、
カメラに映る日向も目の前で塵になっていく。
やがて、目の前の転送装置の透明なガラスの向こうで、
怪物の体が再構成されていく。
わしはそれをただなすすべなく見ていることしか
できなかった。
怪人が体がすべて再構成される。
怪人の屍の上に一人の男が座っていた。
マスクとゴーグルを外した男が不敵に笑う。
「よぉ、久しぶりだな、信」
それは、日向だった。
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