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第一章 戻れなかった
意思を継いで
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森の深くに、人影が1つ。
その影は、元は太陽だったのだろうか、虚ろさの中にくすみ、ぼやけた光を目に宿していた。
彼─アポロは今、自分を自分と認識出来ていない。
龍の目覚めとディエナの消滅は、彼には抱えられない苦しみを与えたのだった。
元々は、消えたディエナを探すために森を歩いていたものの、ある状況に追い込まれた。
「自分がディエナを消したのでは無いか」
「邪龍を制御出来ていれば」
「自分のせいで、全てが消え去ったのではないか」
こういった考えが頭の中を巡り続けた彼は、悪夢にうなされ続けた。
1月もしないうちにアポロは自らの悲しみで押し潰された。
心を治す術も知らず、また心を入れ替える術も知らなかったアポロは、もはや灰色の霊と言っても差し支え無かった。
目的を持たない者に目的を持たせるには、非通常的な事態を起こすしかないが、もはや正気の人間は辿り着けないような『樹海の海底』と言われる森の最深部まで到達し、なお歩き続ける彼に、自分以外の人間が介入するような事態にはならなかった。
そう。『正気の人間には辿り着けないような場所』に居る。
もしここに狂気の人間がいたら。
もしここに理由が有り来た者が居たら。
この前提は崩れる。丁度今の様に。
アポロの目の前に、人が一人立っていた。そして、その女はアポロを見るなり襲いかかって来た。
「来いよ。アポロ・・・いや、アポルフォ=コールギース!!」
その一言で、彼女はアポロに襲い掛かった。
その影は、元は太陽だったのだろうか、虚ろさの中にくすみ、ぼやけた光を目に宿していた。
彼─アポロは今、自分を自分と認識出来ていない。
龍の目覚めとディエナの消滅は、彼には抱えられない苦しみを与えたのだった。
元々は、消えたディエナを探すために森を歩いていたものの、ある状況に追い込まれた。
「自分がディエナを消したのでは無いか」
「邪龍を制御出来ていれば」
「自分のせいで、全てが消え去ったのではないか」
こういった考えが頭の中を巡り続けた彼は、悪夢にうなされ続けた。
1月もしないうちにアポロは自らの悲しみで押し潰された。
心を治す術も知らず、また心を入れ替える術も知らなかったアポロは、もはや灰色の霊と言っても差し支え無かった。
目的を持たない者に目的を持たせるには、非通常的な事態を起こすしかないが、もはや正気の人間は辿り着けないような『樹海の海底』と言われる森の最深部まで到達し、なお歩き続ける彼に、自分以外の人間が介入するような事態にはならなかった。
そう。『正気の人間には辿り着けないような場所』に居る。
もしここに狂気の人間がいたら。
もしここに理由が有り来た者が居たら。
この前提は崩れる。丁度今の様に。
アポロの目の前に、人が一人立っていた。そして、その女はアポロを見るなり襲いかかって来た。
「来いよ。アポロ・・・いや、アポルフォ=コールギース!!」
その一言で、彼女はアポロに襲い掛かった。
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