30 / 30
30 馬賊のアジトへ
しおりを挟む
二人はしばらく黙ったまま駆けていた。
「何で無駄に殺した」
ブラッドが突然言った。
「まだ気にしてたの?」
「何でだ」
「しつこいわね。あいつらのやり方に合わせたって言ったじゃない」
「あいつは何もしなくたって死んだ。無駄に手を汚すな」
「あら、優しい。でも、大げさね。あいつにそんな価値ないわ」
「大げさ?」
「価値のない奴を殺したって何も感じないわ。むしろゴミを掃除したって表彰されてもいいくらいよ」
ブラッドは黙ったままシビルを見つめる。
「あら、熱い視線」
ブラッドは呆れて目を逸らす。
それからしばらく走り続けてブラッドたちは洞窟を見つける。洞窟の前には一人の男が立っていた。ブラッドたちは草陰に隠れて様子を伺っている。
「見張りは一人みたいね」
シビルが言う。
「ああ」
ブラッドは剣を抜き、見張りの男めがけて投げる。剣は男の胸に見事命中する。
「くっ……奇、襲だ……」
男はその場に倒れる。
「お見事!」
シビルが言う。ブラッドは男に刺さった剣を抜き、洞窟内へと入っていく。シビルもその後を追う。内部は薄暗く、所々にかがり火が置かれている。
「暗いな」
ブラッドがつぶやいた。
「今、前から敵が来たら隠れるとこないわね」
シビルが周囲を見渡しながら言った。しばらく歩くと分かれ道に突き当たる。
「どっちだ……」
ブラッドが悩んでいると、シビルがつぶやく。
「運命の分かれ道ってやつね」
「おまえ、ずっとふざけてるな」
ブラッドが呆れた様子で言う。
「視聴者が暇かと思って」
シビルが答える。ブラッドは無言でにらみつけた。
「あら、本日二度目の熱い視――」
「黙れ」
シビルは手で口を押える。ブラッドは右の道へと歩きだした。シビルもついて行く。すると突き当りにドアが見えた。ブラッドがドアに手をかけようとしたとき、勢いよくドアが開いて賊の男が出てくる。ブラッドは驚いて剣を抜く。男も剣を抜いて叫ぶ。
「侵入者だー!」
ブラッドは男を蹴り飛ばし、斬りつける。部屋の中に入ると、いくつかのテーブルがあり食堂のようになっていた。ブラッドに気づいた数人の男たちが立ち上がり、腰の剣を抜き、ブラッドに向かって次々と襲いかかる。シビルは隅で大人しく様子を見ている。すると騒ぎに気づいて賊の援軍が駆けつけてくる。そして背後からブラッドに斬りかかる。ブラッドが気配に気づいて振り返ると、襲いかかってきた男が目の前で血しぶきをあげて倒れた。倒れた男の後ろにシビルが立っていた。
「おまえ……」
ブラッドは驚いた様子でシビルを見つめる。シビルは血の滴る剣を振り、血を掃いながら言う。
「隠密行動は失敗ね」
「くそっ。あの女も戦えるのか」
賊の男がそう言ってシビルに襲いかかる。シビルは相手の剣をかわし、すぐさま斬りつけて蹴り飛ばす。男は床に倒れこんだ。
「その動きどこで」
ブラッドが聞く。
「話は後。早く片付けるわよ」
ブラッドとシビルは互いの背中を守りながら次々と賊を倒していった。
「やっと片付いたわね。また増援が来る前に早く出ましょ」
シビルは部屋の外の様子を伺いながら部屋を出る。ブラッドは後に続いた。薄暗い通路を歩きながらブラッドが話しかける。
「おまえほんとに何者だ?」
シビルは振り返って、人差し指を口の前に立てて言う。
「ひ・み・つ」
「ウザ……」
ブラッドは呆れて目を逸らし、そのまま何も話さなくなった。そしてしばらく進むと、少し開けた空間で頭目と数十人の部下たちが酒を飲んでいた。シビルがそっと辺りを見渡し、頭目の後ろに奥へと続く通路があることに気が付く。
「あったわ。きっとあれよ。あの先に牢屋があるのね」
「あいつら全部倒せってことか……」
「囚われのプリンセスはすぐそこよ。準備はいい?」
「いちいちキモいの何とかならないのか」
ブラッドは広間へと駆け出し、シビルも後を追う。賊たちも二人に気づいて剣を構える。頭目がゆっくりと立ち上がりながら言う。
「来たか。たった二人にここまで侵入させるとは……しかも一人は女か。情けない」
ブラッドとシビルは賊たちに囲まれる。二人は背中合わせで剣を構える。
「てめえら、やっちまえ!」
頭目の合図で周囲の賊たちが一斉に襲いかかる。
「何で無駄に殺した」
ブラッドが突然言った。
「まだ気にしてたの?」
「何でだ」
「しつこいわね。あいつらのやり方に合わせたって言ったじゃない」
「あいつは何もしなくたって死んだ。無駄に手を汚すな」
「あら、優しい。でも、大げさね。あいつにそんな価値ないわ」
「大げさ?」
「価値のない奴を殺したって何も感じないわ。むしろゴミを掃除したって表彰されてもいいくらいよ」
ブラッドは黙ったままシビルを見つめる。
「あら、熱い視線」
ブラッドは呆れて目を逸らす。
それからしばらく走り続けてブラッドたちは洞窟を見つける。洞窟の前には一人の男が立っていた。ブラッドたちは草陰に隠れて様子を伺っている。
「見張りは一人みたいね」
シビルが言う。
「ああ」
ブラッドは剣を抜き、見張りの男めがけて投げる。剣は男の胸に見事命中する。
「くっ……奇、襲だ……」
男はその場に倒れる。
「お見事!」
シビルが言う。ブラッドは男に刺さった剣を抜き、洞窟内へと入っていく。シビルもその後を追う。内部は薄暗く、所々にかがり火が置かれている。
「暗いな」
ブラッドがつぶやいた。
「今、前から敵が来たら隠れるとこないわね」
シビルが周囲を見渡しながら言った。しばらく歩くと分かれ道に突き当たる。
「どっちだ……」
ブラッドが悩んでいると、シビルがつぶやく。
「運命の分かれ道ってやつね」
「おまえ、ずっとふざけてるな」
ブラッドが呆れた様子で言う。
「視聴者が暇かと思って」
シビルが答える。ブラッドは無言でにらみつけた。
「あら、本日二度目の熱い視――」
「黙れ」
シビルは手で口を押える。ブラッドは右の道へと歩きだした。シビルもついて行く。すると突き当りにドアが見えた。ブラッドがドアに手をかけようとしたとき、勢いよくドアが開いて賊の男が出てくる。ブラッドは驚いて剣を抜く。男も剣を抜いて叫ぶ。
「侵入者だー!」
ブラッドは男を蹴り飛ばし、斬りつける。部屋の中に入ると、いくつかのテーブルがあり食堂のようになっていた。ブラッドに気づいた数人の男たちが立ち上がり、腰の剣を抜き、ブラッドに向かって次々と襲いかかる。シビルは隅で大人しく様子を見ている。すると騒ぎに気づいて賊の援軍が駆けつけてくる。そして背後からブラッドに斬りかかる。ブラッドが気配に気づいて振り返ると、襲いかかってきた男が目の前で血しぶきをあげて倒れた。倒れた男の後ろにシビルが立っていた。
「おまえ……」
ブラッドは驚いた様子でシビルを見つめる。シビルは血の滴る剣を振り、血を掃いながら言う。
「隠密行動は失敗ね」
「くそっ。あの女も戦えるのか」
賊の男がそう言ってシビルに襲いかかる。シビルは相手の剣をかわし、すぐさま斬りつけて蹴り飛ばす。男は床に倒れこんだ。
「その動きどこで」
ブラッドが聞く。
「話は後。早く片付けるわよ」
ブラッドとシビルは互いの背中を守りながら次々と賊を倒していった。
「やっと片付いたわね。また増援が来る前に早く出ましょ」
シビルは部屋の外の様子を伺いながら部屋を出る。ブラッドは後に続いた。薄暗い通路を歩きながらブラッドが話しかける。
「おまえほんとに何者だ?」
シビルは振り返って、人差し指を口の前に立てて言う。
「ひ・み・つ」
「ウザ……」
ブラッドは呆れて目を逸らし、そのまま何も話さなくなった。そしてしばらく進むと、少し開けた空間で頭目と数十人の部下たちが酒を飲んでいた。シビルがそっと辺りを見渡し、頭目の後ろに奥へと続く通路があることに気が付く。
「あったわ。きっとあれよ。あの先に牢屋があるのね」
「あいつら全部倒せってことか……」
「囚われのプリンセスはすぐそこよ。準備はいい?」
「いちいちキモいの何とかならないのか」
ブラッドは広間へと駆け出し、シビルも後を追う。賊たちも二人に気づいて剣を構える。頭目がゆっくりと立ち上がりながら言う。
「来たか。たった二人にここまで侵入させるとは……しかも一人は女か。情けない」
ブラッドとシビルは賊たちに囲まれる。二人は背中合わせで剣を構える。
「てめえら、やっちまえ!」
頭目の合図で周囲の賊たちが一斉に襲いかかる。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる