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作戦会議と告知
しおりを挟む翌日の水曜日。
夕方前の池袋。
犬小屋で涼子は陽子を、正樹と魔王に紹介していた。
「彼女が作戦の協力者に志願した安倍 陽子。陽子、其処で煙草吸ってるのが正樹。その正樹から貰い煙草をしてるオジサンが魔王よ」
涼子が陽子に2人を紹介すれば、陽子は2人に「よろしくお願いします」と礼儀正しく挨拶をする。
挨拶を受けた正樹と魔王は共に陽子へ「よろしく」と、にこやかに挨拶を返した。
そんな2人に何かを感じたのだろう。
陽子は涼子の方を見て、何か言いたそうな顔をしていた。
涼子は陽子の聴きたい事を察し、答える。
「魔王はその名の通りよ。退魔師達から見れば、絶対に殺すべき存在。正樹は……」
正樹の事も答えようとした涼子は其処で言葉を留めた。
肝心の正樹は煙草を燻らせ、暢気に紫煙を吐き出して「好きにしろ」口に出さずにそう言わんばかりの様子であった。
だが、涼子は正樹の事を言うのを辞めた。
「まぁ、貴女には無関係の話だから割愛しても良いわね。さて、作戦会議を始めましょうか……」
涼子がこの場の長として仕切れば、正樹と魔王。
そして、陽子が異論を放つ事無く作戦会議の支度を進める涼子を見詰めていく。
数分後。
床に魔法で現地の巨大な地図を作り出した涼子は3人へ告げる。
「舞台は2人も知ってる様に禁足地として指定された双子山。標的は小さい方の山の山頂付近にある祠に居ると思われる」
地図上に立ち、標的である九尾が居るとされる祠の位置を指し示せば、正樹は煙草を燻らせながら質問する。
「その祠に標的が居る確証は無いのか?」
「無いわ。九尾の封印は既に解けている。その上、子供を産ませられる程度には自由に動き回れる状態でもあるわ」
涼子が九尾の封印が解けている事を告げれば、今度は魔王が質問した。
「そうなると……標的が絶対に姿を見せる瞬間を狙うのが良いって事になる訳かい?」
「そうなるわね。そして、隠れ潜む獲物を釣り上げる為には生贄と言う餌が必要となる」
肯定すると共に隠れ潜む獲物。
九尾が確実に現れる状況を創り出す為に涼子は陽子を生贄に志願させ、九尾を釣り上げる為の餌として確保したのだ。
そんな涼子の思惑を聞けば、陽子は確認する様に問う。
「貴女は九尾を確実に殺す為に私を生贄にさせた。その認識で良いのよね?」
陽子の確認に涼子は肯定すると、更に言葉を続けた。
「その認識で良いわ。貴女を喰らう為に奴は絶対に姿を見せる。その可能性に賭けるしか、今の段階では釣り上げる方法が無いのが否めないわ」
現状。
一向に姿を見せぬ標的を確実に引っ張り出す為には、陽子を餌にするしか無かった。
そんな涼子のプランに正樹が指摘する。
「奴が餌に釣られなかった場合はどうするんだ?」
そう。
陽子と言う餌に釣られなかった場合。
作戦は根本から瓦解する。
その点を含んだ正樹の言葉に涼子は答える。
「その場合、虱潰しに捜すしか無い。其処で魔王の出番となる」
魔王の出番。
そう告げれば、魔王は自分の役目を察する。
「なるほどね。僕は捜索の為の人手を差し出せば良い訳かい?」
魔王が口にした捜索の役目に対し、涼子は補足する。
「その前に私と正樹が取り零した敗残兵の処理をする必要があるけどね」
涼子が補足すれば、正樹は作戦の要点を纏めた。
「当日の狩りは餌で釣れれば、そのまま標的を仕留める。釣れなければ、百鬼夜行を構成する妖怪達を皆殺しにしてから標的を捜索。発見次第殺害する……そんな所か?」
正樹が解り易く要点を纏めれば、涼子達の遣り取りを見ていた陽子は呆気に取られてしまう。
「凄い。アイツ等と違ってキチンと要点を纏めて戦いの計画を立てられるなんて……」
涼子達の遣り取りに感動すら覚える陽子に対し、正樹は思わず尋ねてしまった。
「退魔師連中はキチンと作戦立てたりしねぇのか?」
「しない。それ以前に団体行動すらしない。皆、私も含めて個人個人で勝手に動いて妖怪を狩ってるし……」
正樹の問いに陽子が答えれば、正樹は心の底から呆れてしまう。
「チンピラでもタタキする時はキチンとプラン立てるぞ?それすらしねぇとか、連中はチンピラ以下かよ……」
個々人の能力に頼り切り。
その上、組織的に活動しない退魔師に対し、侮蔑的な言葉を漏らす正樹に陽子は自嘲に満ちた笑いを浮かべて呟く。
「チンピラ以下か……私はそんな連中に認められようと努力してた。私ってバカね」
目の前に並ぶ暴力のプロの遣り取りを目の当たりにした陽子から見れば、退魔師達はトーシローのカカシにしか見えなかった。
勿論、自分自身もトーシローのカカシである。
そんな自覚を陽子はキチンとしていた。
だからこそ、自分の今までの努力が大いなる無駄。
そう理解せざる得なかった陽子に対し、涼子は優しく語り掛ける。
「貴女の今までが無駄で愚かな行い。そう断じる気持ちは解らなくも無い。だけど、人生に無駄が存在しないなんて有り得ない。そして、その無駄の果てに貴女は私と出会う事が出来た……そう思えば、少しは救われるんじゃない?」
自嘲する陽子に対し、今までを遠回しに無駄では無かった。
陽子の今までを認め、意味が有った。
そうした含みが込められた涼子の言葉に陽子は救われた様な気がした。
そんな陽子を他所に正樹は問う。
「餌を送って標的を引き摺り出すってのは理解した。だが、エクソシスト達はどうするんだ?君の思惑は連中が餌に釣られて姿を見せた標的を狙って、攻撃を仕掛けたドサクサに乗じて俺達が標的を殺るって感じなんだろうが……エクソシスト達が動かなかった場合は?」
正樹の提示する疑問に涼子は自信タップリに答える。
「エクソシスト達は絶対に攻撃を仕掛ける。私は連中に戦争はするな。そうは言った。だけど、退魔師達を呑み込んで権力を得るな。とは、言ってない」
涼子はエクソシスト達の権力を得る為の戦争をするな。
それしか、ルシファーに言ってなかった。
涼子の要求は通っている。
エクソシスト達にすれば、予定通りに九尾の首を獲る事に成功するだけで思惑通りに事が運ぶ。
だからこそだ。
エクソシスト達は予定通り、九尾の首を獲る為に攻撃を実行する。
涼子がそう告げれば、魔王は呆れてしまう。
「周りを巻き込んで都合良く利用し、漁夫の利を獲ようとする。相変わらず君は悪辣な魔女だ」
魔女。
そのキーワードに反応した正樹は獲物を見据える狩人の如く、涼子を見据える。
そんな正樹に魔王は涼子の事を語ろうとする。
しかし、涼子は魔王が語る前に自らの口で答えた。
「私は確かに魔女よ。でも、私の名に誓って確約する。私は貴方が求める魔女じゃない」
事情を全く知らぬ陽子は話の内容が解らずに首を傾げると、正樹は沈黙と共に紫煙立ち昇る煙草を手にしたまま続きを促す。
まるで、知ってる事を全て吐け。
そう言わんばかりであった。
「まさか。そんなまさか……と、貴方を一目見た瞬間、私はそう思った」
正樹の言葉無き問いに涼子はそう前置きすると、更に言葉を続ける。
「貴方が求める魔女が何処に居るのか?私は本当に知らない。でも、アレは貴方と本気で踊りたくなった時。貴方をダンスホールへ誘う為の道標を用意する」
涼子は答えた。
正樹が求める魔女を自分は知っている。
しかし、魔女が何処に居るのか?
それは知らない。
だが、求める魔女が正樹と本気で殺し合いたい。
そう思った時。
魔女は正樹に対し、正樹と踊り明かす為の舞台へ誘う為に必要な道標を与える。
そんな答えに正樹は前置きした上で問う。
「コレを聴いたら、俺は作戦に専念する。だから、教えてくれ……君と奴の関係は何だ?」
正樹の問いに対し、涼子は正直に答えた。
「私は貴方の追う魔女の弟子だった」
涼子の答えは魔王にとって、正樹が心の底から追い求める標的が誰なのか?
理解するには充分過ぎた。
それ故、驚きを露わに声を荒げて問うてしまう。
「彼女か!?彼女なのか!!?」
「十中八九。否、確実に師匠よ」
涼子にとって、会いたくない魔女は複数居る。
話題に出た者ならば……
先ずはエレオノーレ。
次にフィリア。
それから、モラだ。
だが、今挙げた3人が天使に思える程に邪悪な魔女が居る。
涼子は話題どころか名前すら出したがらない。
それ程までに涼子は師たる魔女とは、二度と関わり合いを持ちたくないとすら思っていた。
訳が全く解らぬ陽子は恐る恐る尋ねる。
「その……薬師寺さんの師匠ってどう言う人なの?」
その問いに涼子は答える。
「偉大なる魔女にして、邪悪なる魔女。一言で言うなら、これに尽きるわね」
コレ以上は語りたくない。
言葉を使わずに態度で示せば、陽子はコレ以上の事を聞こうとはしなかった。
肝心の正樹に至ってはフィルター近くまで燃えた煙草を灰皿へ押し付け、2本目の煙草に火を点して居た。
煙草を燻らせる正樹は皆に「話を遮って悪かった」そう、一言だけ謝罪する。
それから、涼子は話題転換も図る様に作戦会議を再開した。
「さて……何処まで話が進んだかしら?あ、エクソシスト達が標的を確認した時に攻撃を仕掛けるって所だったわね……」
確認する様に思い出した事を皆に告げれば、涼子は正樹に尋ねる。
「貴方なら、どう仕掛ける?」
涼子の問いに正樹は煙草を燻らせながら答えた。
「許されるんなら……向かいの大きい山に対戦車ミサイルか無反動砲。それか、デカいロケット弾を何本か運び込んで、火力で一気に消し飛ばしたい。後は君という攻撃機ないし爆撃機が山ごと焼き払えば解決だ」
紫煙と共にそう言えば、涼子はゲンナリとしながら返す。
「それしたら、私とアンタは仲良くクビにされて、ついでに文字通り首も斬られてケジメ取らされるでしょうね」
「だから、許されるんなら……って言ったろ?」
「冗談だ」そう締め括ると、正樹は真面目に意見を並べていく。
「妖怪と自然界の動植物しか居ない禁足地の山に人間が入ったら、即座に全ての生命に存在がバレる。多分、上空から偵察を継続させる君のドローンもバレている。そう見た方が良い」
高度な軍事訓練を受け、更には魔道に関する知識も持った歴戦の猛者である正樹が涼子による偵察行動は既に標的に認知されている。
それと共に当日であっても現地に潜入するのは困難。
そう結論付ける様に意見を告げれば、涼子も同意する。
「でしょうね」
「そうなるとだ。当日の夜、ぶっつけ本番で仕掛けるしかない訳だ。作戦もクソもあったもんじゃねぇクソプランだな」
実質、涼子の作戦は正樹の言う通り。
クソプランと言っても良かった。
「確かにそうね。オマケに貴方は彼女を確保するって言う重大な役目もあるから余計に面倒よ?」
涼子から生贄にされる陽子の保護も命じられれば、正樹はゲンナリとしてしまう。
「そう言われると思ったぜ」
「でも、エクソシスト達が突然作戦を中止にした時は、私が出る。その時は露払いも兼ねた陽動をして貴方が潜入しやすくすれば良いでしょ?」
「それしか無いだろうが。後は其処の妙な気配をさせてるお嬢ちゃんだが……釣りの時ってのは大概の場合、喰われちまうのは理解してるよな?」
正樹が陽子の役目が一番危険。
そう告げれば、陽子は逆に問うた。
「私が死んでも、貴方達は九尾の首を獲ってくれるんでしょ?」
その問いに対し、魔王が当然の如く陽気に答える。
「大丈夫。こう言う時の涼子は失敗した事が無いんだ。それに今の涼子は君を絶対に護ろうとする様だから、安心して餌を演じれば良い」
魔王が安心させる様に言えば、陽子は覚悟と共に告げる。
「なら、約束して。私が死んでも絶対に九尾を討ち滅ぼすって」
その覚悟に涼子はハッキリと答え、約束させる。
「確約するわよ。だから、貴女も約束しなさい……絶対に生き残るって」
「解った。絶対に生き残る」
陽子が約束すれば、涼子は少しだけホッとした。
その後。
涼子は皆と共に様々な想定を交えながら、作戦会議を進めていく。
そうして、時間が経つと共に日が沈んだ。
そして、夜を迎えた。
涼子は陽子と魔王を"犬小屋"から帰らせると、煙草を燻らせる正樹と一対一。
サシで話を始めた。
「さて……貴方が私の師を殺そうとしてる事に関しては、私は一切反対しない。だけど、同時に貴方の復讐に対し、手を貸す気も一切無いわ」
涼子は正樹と師の因縁に関わりたくない。
ハッキリと告げれば、正樹は承諾する。
「解ってる。だが、教えて欲しい事がある」
正樹の抱える疑問を既に察しているのだろう。
涼子は確認する様に問うた。
「貴方の身体に関してなら……何処から聴きたい?」
「何処から?どう言う事だ?」
涼子の言葉の意味が解らなかった。
それ故、正樹は困惑と共に尋ねてしまう。
そんな正樹へ、涼子は確認していく。
「先ず聴きたいのは、貴方は向こうで死んだのかしら?」
涼子の中では一目見た時から、既に確信があった。
だが、本人の口から答えを聴きたかった。
そんな涼子の問いに正樹は正直に答える。
「あぁ、俺は奴に挑んで敗けた。そして、死んだ」
正樹の答えを聴いた涼子は、察していた予想が当たった事に沈痛な面持ちを浮かべてしまう。
だが、本人に伝えなければならない。
そう思ったからこそ、涼子は覚悟を決めて正樹に告知する。
「先ず今から貴方に言う事は残念だけど、全て事実よ」
最初から結論を宣告しようと思った。
だが、コレばかりは涼子であっても流石に伝えるには重過ぎる内容であった。
その為、涼子は自分の中でクッションを設ける為に前置きをした。
そんな不治の病に匙を投げざる得ない医師の如く。
沈痛な面持ちで涼子が前置きすれば、正樹は煙草を燻らせながらも真剣な眼差しと共に耳を傾け始めた。
涼子は覚悟を改めて決めると、正樹へ告知する。
「先ず、最初に……今の貴方はアンデッドよ」
一拍置いてから伝えた涼子の言葉に正樹は何も言わず、沈黙と共に涼子の言葉の続きを待った。
「貴方は向こうで文字通り死んだ。肉体が邪神の血肉等で構成されている所から診るに、貴方は死んだ際に魂の器たる肉体も失った。合ってるかしら?」
涼子の問いに正樹は煙草を燻らせ、紫煙と共に肯定する。
「あぁ、そうだ」
正樹の肯定に涼子は自分の分析とも言える続きを語った。
「でも、私の師が貴方の肉体を使役する邪神の血肉を材料に再構成した。その後、輪廻に向かう筈だった貴方の魂を再構成した肉体へ挿入し、アンデッドとして蘇らせた貴方を元の世界である此処へ送った」
其処で言葉を留めた涼子は深呼吸すると、アンデッドに関して語ろうとする。
「アンデッドと言うのは……」
だが、涼子が語るよりも早く正樹が自らの口で語り始めた。
「アンデッドとなった者は2度目の死を迎えた時。天国にも地獄にも逝けず、永遠の虚無を彷徨い続ける……そう言いたいんだろ?」
「えぇ。そう……この世界でも恐らくだけど、死者は天国か地獄に逝った後。輪廻へ行って転生される筈……アンデッド関連に関しては流石にこの世界の専門家から意見を聴かないと何も言えないけどね」
流石の涼子でも、この世界に於けるアンデッドが2度目の死を迎えた後の事は未だ知らない。
だが、確実に言える事が有った。
「貴方の2度目の生は私の師が握っている。アンデッドとなった者は、己をアンデッドにした術者の傀儡となり、命も握られてしまう。コレは術者のレベルに関わらず、アンデッドにとって絶対のルールよ」
憎き敵に生命を握られている。
そう告知された正樹は、憤怒の形相を浮かべて居た。
そんな正樹に涼子は更に告げる。
「そして、貴方の肉体には呪いも仕掛けられている」
「呪いの内容は?」
正樹から呪いの内容を問われると、涼子は訝しみながら答える。
「……私の師が近くに来た時。貴方に痛みを与えるって言うモノよ」
呪いの内容を聴くと、正樹は嗤った。
「つまり、奴が近くに居れば俺は直ぐに解るって事か?」
嗤って問う正樹に涼子は肯定し、呪いに関する説明をしていく。
「えぇ。そうよ……私の師が近くに居たら、痛みを与える。そして、その痛みは距離によって変わる。勿論、目と鼻の先に居た場合は筆舌に尽くしがたい激痛が貴方の全身に襲い掛かるわ」
涼子の説明を聴くと、正樹は紫煙と共に余裕の表情で返した。
「そうか。なら、問題無い」
「え?」
「確かに奴に生命を握られているのは不愉快極まりない。だが、奴は自分の手で俺を殺してやりたいって感じがする。そうなると、奴は俺と相見える時まで生かす……そう思うんだ」
正樹の自信に満ちた言葉に涼子は師を知る弟子として納得すると、師に関して語る。
「あの人は愉しい玩具となる相手を見付けた時。自分の手で完全に壊すか?飽きるまでは執着し続ける。そして、本格的に殺し合いたくなった時をあの人は自ら姿を現し、直接誘って来る」
師に復讐したい正樹へ師を捜すより、師が目の前に現れるまで待つしか無い。
そう遠回しに告げれば、正樹は感謝した。
「ありがとうよ」
「感謝される謂れは無いわ。じゃ、私も帰るわ」
涼子はそう言い残すと、帰り支度をしていく。
数分後。
正樹の前に置かれた灰皿に何本もの吸い殻が集まる頃には、既に涼子は犬小屋から立ち去って居た。
独り残った正樹は短くなった煙草を無言のまま、静かに燻らせるのであった。
後書き
えぇ、あらすじにも追記してる通り。
1話目から22話目まで修正しました。
その際、正樹の復讐相手も修正したので邪神ではなく邪神すら使役するヤベェ魔女となりました
よろしくお願いします
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