いろはにほへと ちりになれ!

藤丸セブン

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四十七限目 メガ銭湯boys side

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 お忘れでは無いだろうか。スーパー銭湯ならぬメガセントウに来たのは、補習部とその顧問のメンバーだけでは無いことを。
「え?需要あんのかこの回?」
 
 <四七限目 メガセントウ boys side>
 
「「「ふぅぅぅぅぅー」」」
 時はいろは達が水風呂ではしゃいでいる頃。バレーをする為に呼ばれていた星本能寺、戸部透、六道莉里斗は三人で男湯に浸かっていた。
「待て。何故俺達がこうして三人で同じ風呂に入らにゃいかんのだ!」
 その事実に本能寺が違和感を感じ立ち上がる。するとその立派でも短小でもない剣が浮かび上がるが、文字では見えない為規制する必要もないだろう。
「別に入らなきゃいけない訳じゃ無いだろ。せっかく石森に呼ばれたんだから、その好意を無下にしないようにしてるだけだ」
「いろはの為か。ならば仕方ない」
 いろはという名前が出た瞬間本能寺は急に落ち着きを取り戻して再び湯船に浸かり始めた。
「でも驚きです。まさか殆ど面識もない、話したことすらほんの少ししかないボク達が一緒に銭湯にくる事になるなんて」
「それは僕も驚いてるよ」
「流石はいろはだな。いろはは普通に生きていたら永遠に会う事など無かった人々を繋げてくれる。この世界の主役そのものだ」
 莉里斗の言葉は二人も同じことを考える程にこの三人には交流が無い。皆いろはや舳羅、波留との関わりはあるが、三人だけは今回が始めてだ。
「石森に感謝して僕らも交流するとしよう。友達になろうぜ?」
「別に友人には困ってない」
「あれ?僕が見る限り、本能寺が石森達意外と一緒にいるとこ見たことないけど」
「困っていないというのは必要ないという意味だ。俺はいろはさえいれば他は何もいらない」
 妙に硬派を貫こうとする本能寺に透は少しだけ笑みを見せた。
「何がおかしい」
「いや、確かに友達はいなくても平気な人はいると思うけど、いて困るものじゃないだろ?減るものじゃないし、得られるものなら得ておかないか?」
「・・・一理ある」
 透の言葉に反論する言葉が本能寺には浮かばなかった。星本能寺という男はドヘンタイなだけで人間として大きく欠陥がある訳ではない。友達はいらないが、出来ないからいないだけいるならいるでいいのだ。自分の時間が減る、という事もないだろう。あったとしても本当に少しだろうと思える。
「良いだろう。今日からお前は友だ」
「ああ、よろしく、本能寺」
「よろしくしてやろう。透」
 透から差し出された手を本能寺が取り二人は友達の握手を行った。
「おおー。これが男の友情ってやつですか。ボクもそういうのは嫌いじゃ無いですよ」
「僕はお前とも友達になりたいと思ってるぜ?どうだ?」
「友達はいりません。人間強度が下がるので」
 とあるアニメのとある主人公のセリフをそのまま言って透に苦笑いさせることに成功する。まあ冗談は置いておいて。
「別にボクにもデメリットはありませんし構いませんが、どうしてそんなに友達を増やそうとするんですか?しかも同性の。男友達なんて「女紹介して欲しい」か「お前ばっかりモテてずるい」としか言ってこないじゃないですか」
「お前は何を言っているんだ」
 莉里斗が何を言っているのか、本能寺には分からなかった。友達がいないから。いや、それもそうだがそこじゃない。そんな言葉本能寺は一度も言われた事がない。
「ああ、お前モテるもんな。女の子からよく話聞くよ。成績優秀、品行方正。それでいてこの美形だ。モテない訳ない」
「別にボクは透先輩と違ってモテようとはしてないです。寧ろボクの本当の姿を見てもいない癖に寄ってこないで欲しいんですよ」
 やれやれ、と首を振る莉里斗へ透が苦笑い。本能寺は殺意のこもった視線を向けていた。
「透先輩は学校の女子には手を出さないんですよね。それはモテたいからですか?」
「そうとも言えるしそうじゃないとも言える。学校の子に手を出したら間違いなく蛇塚の評価に関わるからね」
 舳螺と透が婚約している事は透の友達ならば基本知っている情報だ。それもその筈、舳螺はいつでもどこでもお構いなしで透をダーリンと呼ぶからだ。そんな事をされては透は友に真実を話さざるを得ない。舳螺なりの浮気対策なのだろう。まあしっかりその対策は効果を出しているが。そんな状態で手を出したら当然透の評価は落ちるが、そんな透を知っていても尚婚約している舳螺の評価にも関わってくる。
「だから僕は学校では優等生でいるんだ。蛇塚の為にね」
「良い話っぽく纏めたつもりかもですけど、本気で舳螺先輩を思うなら浮気やめたらどうです?」
「浮気じゃないよ。僕と蛇塚は付き合ってないからな。いずれ結婚するってだけで」
「ゴミクズめ」
「ははっ。よく言われる」
 本能寺にシンプルな罵倒をされるがそんな言葉透にとっては日常茶飯事だ。痛くも痒くも無い。
「それで?僕への答えは?」
「透先輩も本能寺先輩も人間のクズですけど、まあ見てる分には楽しいので友達になるのは構いませんよ。波留先輩にちょっかい出したら殺しますけど」
「いやいや!橋本にちょっかいだしたら莉里斗が来る前に僕は殺されてるから心配するなよ」
 笑顔で透がそう言うと「それもそうですね」と莉里斗も笑い、硬い握手を交わした。
「笑顔で何を言ってるんだこのゴミクズは。というか何故こいつらがモテて俺がモテないんだ?」
「顔だろ?」
「顔でしょう?」
 顔だよ。
「ええいやかましい!作者!?貴様まで何を言うか!?お前はこっちにも関与してくるのか!?」
 うん。まあ普通に考えて俺が本来いるべきはこっちだし。
「そうか。貴様は男でありながら語り部という役職を利用していろはの裸を見ているのか!!!」
「作者さん、それは許されませんよ?波留先輩の裸は頭から爪先までボクを虐めるためにあるんです」
 本能寺が怒りを露わにし、莉里斗が殺意を向けてくる。こっわ。
「落ち着けよ。作者は別に裸は見てないと思うぞ?だって字を書いてるだけだからな」
 そうそう。それはそうとメタいことはそろそろやめな。せっかく男同士で話してんだからもっと交流しろ。
「ふむ、仕方がない。ならば有意義な話をしてやろう」
「有意義な話、ですか?」
「ああ。お前達は天の川の別名がミルキーウェイと呼ばれているのを知っているか?」
「ええ!?凄い意外な話が飛んできた!?」
 本能寺から飛ばされた質問に莉里斗が驚愕した。まさかあの本能寺から性に関わる事でなく星に関わる話が飛んでくるとは。
「誰が上手い事言えと。まあいい。では問題だ。何故天の川をミルキーウェイと言うと思う?」
「ふむ。中々面白い話題だな。ミルキーウェイか、天の川の星が白く光って見えたからとか?」
 透の回答に本能寺は首を横に振った。どうやら透の回答は間違っていたらしい。
「ミルキーウェイってミルク、つまり牛乳って意味ですよね、つまり」
「つまり?」
「天の川を見てた研究者はあまりの美しさに牛乳を溢してしまったんですよ。そう、波留先輩のあまりの美しさに目を奪われて!!」
「お前は何を言っているんだ」
 牛乳が関わっているという点はあっているが答えがまるで違う。というか間違いなく波留は関係ない事くらい賢い莉里斗なら分かるであろうに。
「好きな女が絡むと男はバカになっちゃうからな」
「ふっ、それは分かるがな」
「そうでしょうそうでしょう」
 三人とも好意を抱く女性がいるので恋についての事ならば分かり合える。まあその恋の形は三者三様にしてかなり歪んでいるが。
「答えを教えてやる。答えは、天の川はヘラの母乳だからだ」
「蛇塚の母乳!?!?!?!?!?」
 男は好きな女が関わるとバカになる。なるほど、実践してくれたわけか。ありがとう透。
「違いますよー。アホなんですからー!」
「あ、ああそうだよなテンパった。というかそろそろ背中叩きながら大爆笑するのやめてくれない?痛っ、痛いんだよ!!」
 何がそんなにツボに入ったのか莉里斗はずっと透の背中を叩きながら過呼吸になる程笑っていた。何がそんなに面白いのか。まあ作者もこれをやる為だけにこの会書き始めたんだけど。
「なるほど、なるほどぉ。つまり、天の川は波留先輩の愛で出来てるって事ですね?」
「お前は何を聞いてたんだよ!?」
 爆笑が収まったがまだヒーヒー言っている莉里斗の回答に透が勢い良くツッコんだ。なるほど、この三人だと透がツッコミになるんだ。勉強になるなぁ。
「というかなんで女神様の母乳が天の川になるんだよ?そんな勢い良く飛ぶもんか母乳って?」
「さあな知らん。俺は母乳という事しか知らなんだ」
「大分肝心な所じゃないのかそれ?」
 ググった所ヘラスレスという大英雄の噛む力が強すぎて勢い良く飛んだらしいです。本当かどうかは知りません。
「あ、波留先輩がお風呂出たみたいです。ボクらも出ましょう」
「何で橋本が風呂を出たって分かるの?スマホないよね?というかスマホあっても絶対橋本はそんな事送ってこないよね!?なぁ!どうやって知ったんだよ!!?」
 こうして第一回交流会は幕を閉じた。
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