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4話 綻び その1
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デルタ王国の首都であるカンナバーロに着いたミカエルとジェーンの二人は、早速、ベナン宮殿の王子の私室で招かれた。ジェーンは、ミカエルの父親であるユリウスにも溺愛されている為、ほぼフリーパスで宮殿内に入ることができたのだ。
宮殿内に入り、とりあえずの安全を確保したジェーンではあるが、早急に決めなければならないことがあった。
「私の立場はどういう風にしたら良いのかしら?」
「とりあえずは、俺のその……ほら、あれだよ」
ミカエルは言いにくそうにしている。というよりも、照れたように顔を赤くしていた。
「専属のメイド……ゆくゆくは、婚約者になってほしいとは考えているよ」
「……ミカエル……」
「勿論、君が嫌でなければだけどね」
ミカエルの大胆過ぎる、直球の告白……ジェーンの返答次第では、そのままゴールインも在り得るわけだ。
「……あなたが良ければ、よろしくお願いいたします」
「ジェーン……」
「ミカエル……」
二人はまたまた抱き合った。恐ろしい程の直球の告白は、早くも成功したのだ。幼少から彼に惚れていたジェーンにとって、断る理由もなければ「友達から」と焦らす必要もなかった。
貴族の称号を剥奪された相手ではあるが、王位継承権第ニ位の王子の妻の第一候補にジェーンは上がった瞬間だった。
デルタ王国の貴族たち、つまりトップに君臨している者たちは、平民と近い立ち位置にあった。過去にも王族と平民の出の者が結婚した例があるくらいだ。そういう意味では、ジェーンは普通に認められる存在だったのだ。
------------------------
隣国のアーロン王国は、デルタ王国の王子の婚約者にジェーンが上がったことを当然知らない。ジェーンを追放したドルイド王子は、徐々に綻びが出てしまうことは、まだ王子自身もわかっていなかった……。
彼女が担っていた内政の綻びは当然として、ジェーンを慕っていた民衆たちの不満が、暴動を呼び起こすことになるのだ。
アーロン王国の貴族連中……以前から、民衆の不満は大きかったと言えるが、ジェーンを追放したことにより、その不満はさらに大きくなったと言える。綻びは、確実に衰退へと向かって行くのだった……。
宮殿内に入り、とりあえずの安全を確保したジェーンではあるが、早急に決めなければならないことがあった。
「私の立場はどういう風にしたら良いのかしら?」
「とりあえずは、俺のその……ほら、あれだよ」
ミカエルは言いにくそうにしている。というよりも、照れたように顔を赤くしていた。
「専属のメイド……ゆくゆくは、婚約者になってほしいとは考えているよ」
「……ミカエル……」
「勿論、君が嫌でなければだけどね」
ミカエルの大胆過ぎる、直球の告白……ジェーンの返答次第では、そのままゴールインも在り得るわけだ。
「……あなたが良ければ、よろしくお願いいたします」
「ジェーン……」
「ミカエル……」
二人はまたまた抱き合った。恐ろしい程の直球の告白は、早くも成功したのだ。幼少から彼に惚れていたジェーンにとって、断る理由もなければ「友達から」と焦らす必要もなかった。
貴族の称号を剥奪された相手ではあるが、王位継承権第ニ位の王子の妻の第一候補にジェーンは上がった瞬間だった。
デルタ王国の貴族たち、つまりトップに君臨している者たちは、平民と近い立ち位置にあった。過去にも王族と平民の出の者が結婚した例があるくらいだ。そういう意味では、ジェーンは普通に認められる存在だったのだ。
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隣国のアーロン王国は、デルタ王国の王子の婚約者にジェーンが上がったことを当然知らない。ジェーンを追放したドルイド王子は、徐々に綻びが出てしまうことは、まだ王子自身もわかっていなかった……。
彼女が担っていた内政の綻びは当然として、ジェーンを慕っていた民衆たちの不満が、暴動を呼び起こすことになるのだ。
アーロン王国の貴族連中……以前から、民衆の不満は大きかったと言えるが、ジェーンを追放したことにより、その不満はさらに大きくなったと言える。綻びは、確実に衰退へと向かって行くのだった……。
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