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126話 ヴァンハイム王国 その3
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「ジルドとガウェインが向かったって聞いたけどさ……」
6将軍の紅一点、美しき魔導士のリーリア・スネイブは不機嫌そうに6将軍の頭脳であるヴェノムを睨みつけている。
「カルシウムが足りていないんじゃないかい? リーリア、ほら、カルシウムだよ」
「馬鹿にしないでちょうだい」
身長2メートルを超えるヴェノムの手を、リーリアは力強く払って見せる。かなり強気な性格の持ち主のようだ。
「なにをそんなに苛立っているんだい?」
「ふざけないで……当初の予定では、私は既にソウルタワーに挑戦しているはずよね?」
「ああ、そう言えばそうだったね……」
リーリアの言動は、本来であれば驚くべき事柄ではあるが……ヴェノムは眉一つ動かしてはいない。
「なんで途中で変更になったの? 納得のいく説明をお願い!」
「今は強者がソウルタワーに挑んでいると聞いている。だから、念の為、リーリアの挑戦を延期にしたのさ」
「強者? 一体、誰よ?」
「最強の冒険者であるデュラン・ウェンデッタ……そして、もう一人、未確認の人物が挑戦しているようだからね」
ヴェノムは自らが知りえる、ソウルタワーの情報を彼女に伝えた。万が一、それらと接触した場合の危険性を考慮しているのだ。ちなみに、ヴェノムですら把握はしていないが、デュラン以外の未確認の人物とはミヤビとレジナのコンビである。ミヤビの影にレジナが隠れ攻防一体の行動を行うことで、ミヤビは攻撃のみに専念することが出来た。
デュランですら単独で相手をするのは危険な二人組の誕生というわけである。
「そいつらは、人間と出会ったら、問答無用で攻撃してくるような輩なわけ? ソウルタワーって魔物と戦う塔でしょう?」
「間違ってはいないが念の為だ。デュラン・ウェンデッタが無暗に攻撃をしてくるとは考えにくいが、もう一人の破竹の勢いで塔を駆け上がっている者は、人間ではないかもしれないからね」
「……? なんでそんなことわかんの? ていうか、何処からそんな情報を仕入れているのよ?」
流石のリーリアもヴェノムの博識さには疑問を抱かざるを得ない。だが、彼はあくまでも答えを言う気はないようだった。
「まあいいわ……私達の当面の相手は、アルビオン王国でいいのよね?」
「そういうことだね……よろしく、頼むよ」
「ふん、言われなくてもね……!」
気の強い印象を受けるリーリアは、そのまま言葉を吐き捨てると、ヴェノムの前から姿を消した。そして……身長2メートルを超えるヴェノム一人が残される。そんな彼の前に一人の人物が姿を現した。
「アリシャクラか……」
「はい、ヴェノム様」
「で? 彼らはソウルタワーの何階まで登っているんだい?」
明らかに普通ではない会話が繰り広げられている。アリシャクラと呼ばれた女性は瞳に生気が感じられない……まるで操り人形かのような雰囲気さえあった。
「はい……デュラン・ウェンデッタは970階を超えております……このままでは、もうじき1000階に配備されたテラネスと相対するかと」
「おやおや、凄いじゃないか……まさに、1000年振りの快挙だ。アリシャクラ以外で、テラネスの居る階層まで来れる人間が居るとは……」
明らかに人としての会話ではない……ヴェノムは丸いサングラスを軽く上げ、楽しそうに話している。アリシャクラは無表情ではあるが。
「それから……デュラン・ウェンデッタ以外のもう一人について、ですが……」
「ああ、ある意味ではそちらの方が興味深いか」
「現在は600階層を超えております。そこまでの最強であるイビルベアキャットも、ほぼ瞬殺された模様です」
「イビルベアキャットを瞬殺か……これは面白いね」
ヴェノムは笑みを絶やしていない……ソウルタワーについてこれ程までの情報を得ている者は、世界中を探しても皆無と言えるだろう。
「狙い通り、魔神の軍勢と呼ばれる勢力……その者たちが、最も楽しめそうな相手か」
世界の勢力は時には非人道的であり、非現実的でもある……南の大陸に生まれた新しき勢力。彼らの北上は間近に迫っているのだ。
6将軍の紅一点、美しき魔導士のリーリア・スネイブは不機嫌そうに6将軍の頭脳であるヴェノムを睨みつけている。
「カルシウムが足りていないんじゃないかい? リーリア、ほら、カルシウムだよ」
「馬鹿にしないでちょうだい」
身長2メートルを超えるヴェノムの手を、リーリアは力強く払って見せる。かなり強気な性格の持ち主のようだ。
「なにをそんなに苛立っているんだい?」
「ふざけないで……当初の予定では、私は既にソウルタワーに挑戦しているはずよね?」
「ああ、そう言えばそうだったね……」
リーリアの言動は、本来であれば驚くべき事柄ではあるが……ヴェノムは眉一つ動かしてはいない。
「なんで途中で変更になったの? 納得のいく説明をお願い!」
「今は強者がソウルタワーに挑んでいると聞いている。だから、念の為、リーリアの挑戦を延期にしたのさ」
「強者? 一体、誰よ?」
「最強の冒険者であるデュラン・ウェンデッタ……そして、もう一人、未確認の人物が挑戦しているようだからね」
ヴェノムは自らが知りえる、ソウルタワーの情報を彼女に伝えた。万が一、それらと接触した場合の危険性を考慮しているのだ。ちなみに、ヴェノムですら把握はしていないが、デュラン以外の未確認の人物とはミヤビとレジナのコンビである。ミヤビの影にレジナが隠れ攻防一体の行動を行うことで、ミヤビは攻撃のみに専念することが出来た。
デュランですら単独で相手をするのは危険な二人組の誕生というわけである。
「そいつらは、人間と出会ったら、問答無用で攻撃してくるような輩なわけ? ソウルタワーって魔物と戦う塔でしょう?」
「間違ってはいないが念の為だ。デュラン・ウェンデッタが無暗に攻撃をしてくるとは考えにくいが、もう一人の破竹の勢いで塔を駆け上がっている者は、人間ではないかもしれないからね」
「……? なんでそんなことわかんの? ていうか、何処からそんな情報を仕入れているのよ?」
流石のリーリアもヴェノムの博識さには疑問を抱かざるを得ない。だが、彼はあくまでも答えを言う気はないようだった。
「まあいいわ……私達の当面の相手は、アルビオン王国でいいのよね?」
「そういうことだね……よろしく、頼むよ」
「ふん、言われなくてもね……!」
気の強い印象を受けるリーリアは、そのまま言葉を吐き捨てると、ヴェノムの前から姿を消した。そして……身長2メートルを超えるヴェノム一人が残される。そんな彼の前に一人の人物が姿を現した。
「アリシャクラか……」
「はい、ヴェノム様」
「で? 彼らはソウルタワーの何階まで登っているんだい?」
明らかに普通ではない会話が繰り広げられている。アリシャクラと呼ばれた女性は瞳に生気が感じられない……まるで操り人形かのような雰囲気さえあった。
「はい……デュラン・ウェンデッタは970階を超えております……このままでは、もうじき1000階に配備されたテラネスと相対するかと」
「おやおや、凄いじゃないか……まさに、1000年振りの快挙だ。アリシャクラ以外で、テラネスの居る階層まで来れる人間が居るとは……」
明らかに人としての会話ではない……ヴェノムは丸いサングラスを軽く上げ、楽しそうに話している。アリシャクラは無表情ではあるが。
「それから……デュラン・ウェンデッタ以外のもう一人について、ですが……」
「ああ、ある意味ではそちらの方が興味深いか」
「現在は600階層を超えております。そこまでの最強であるイビルベアキャットも、ほぼ瞬殺された模様です」
「イビルベアキャットを瞬殺か……これは面白いね」
ヴェノムは笑みを絶やしていない……ソウルタワーについてこれ程までの情報を得ている者は、世界中を探しても皆無と言えるだろう。
「狙い通り、魔神の軍勢と呼ばれる勢力……その者たちが、最も楽しめそうな相手か」
世界の勢力は時には非人道的であり、非現実的でもある……南の大陸に生まれた新しき勢力。彼らの北上は間近に迫っているのだ。
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ご返信ありがとう御座います。
楽しみにお待ちさせて頂きます!
ありがとうござます
久しぶりの更新になります!
更新はされないのでしょうか?
いえ、本当にお待たせして申し訳ありません……