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第一章 ~第三ウェーブ~

52話 三番目の出会い

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「お……大きい……」

「大きいです……」

「大きすぎるニャ……」

 ここがフローンの街か……。
 想像はしてたけど、何もかもが想像以上に大きい。

「ビルのてっぺんが見えないよ……」

「道の反対側が見えません……」

「空におっきな映像が映ってるナ……」

 街には沢山のロボットがいるし、空には車みたいな乗り物がビュンビュン飛んでる。
 ラハルとは規模が違い過ぎる、ハイテクでSFな未来の星だ。

「オマタセイタシマシタ、フローンパスタ、オモチシマシタ」

 ちなみに私達は、偶然見つけたお店でお昼ご飯の最中。
 “腹が減っては戦が出来ぬ”っていう言葉もあるし、まずはしっかりご飯を食べないとね。

「凄いニャ! ロボットが持ってきてくれタ」

「最先端ですね」

「ゴユックリドウゾ」

「美味しそうだミャ~」

「さ、いただきましょう」

 へえ、これがフローンパスタか。
 メニューがよく分からなかったから、とりあえずパスタっぽいものを注文してみたけど……。
 これってただのカルボナーラじゃない?

「ん~っ、美味しいです!」

「うまうマ! ソーラも早く食べるニャ」

 地球にもカルボナーラってあるからなぁ……正直ちょっと拍子抜けなんだけど。
 どれどれ……?

 ……ん!

 んうぅっ!?

「ぉ美味し~い!!」

 何コレ!? 
 美味しいにもほどがある、間違いなく宇宙料理ナンバーワンだよ。
 地球のカルボナーラの一億倍は美味しい! いや、一兆倍は美味しい!!

「はふっはふっ、美味しいっ……美味しいっ……」

「ふふっ、いつもソーラは美味しそうに食べますね」

「凄い勢いだニャ……」

 ヤバい、美味しすぎて死ぬかも。
 でも手が止まらない、止められない。

「ところで、これからどう動きましょうか?」

「まずは本部に行かないとナ……」

「ぐぬっ!?」

 うぐぅっ……のどに詰まった!?

「ですが本部の場所が分かりません……困りましたね……」

「むウゥ……ソーラ、どうするかナ?」

「うむぐっ……ぐえぇ……」

 そんなことより死にそうなの! 息が出来ないの!
 誰か助けて、誰か──。

「きゃあ!!」

「げぇっほ!?」

「ひゃわっ!? なんですか?」

「うナ! 誰かがソーラにぶつかったニャ」

 はぁ……はぁ……息が出来る……、危うく死ぬところだった。
 凄い衝撃だったけど、誰かが背中を叩いてくれた?
 チコタンとミィシャンじゃないみたい、とりあえずお礼を──。

「申し訳ございません、お怪我はありませんか?」

 わぁ~お……。

「焦っていたもので、ぶつかってしまいましたわ。あの……どうかしまして?」

「はい……好きです……」

「ソーラ、何を言っているのですか?」

「ソーラ、目の焦点があってないニャ」

 叩いてくれたんじゃなくて、この子が背中にぶつかったんだね。
 まあそれは今どうでもいいや、それより大事なことがあるから。

 うちゅカワイイ美少女ちゃん、発見!
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