魔王様は学校にいきたい!

ゆにこーん

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邪教の者達

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 王都ロームルスには城下町を縦断する一本の大通りが存在する。
 国中から集まる様々な品、そして腕利きの商人達。ズラリと並んだ露店を目当てに多くの人々が訪れる、王都で最も賑やかな通りである。

「はむ……はむ……っ」

 行き交う人々に紛れて歩く一組の男女。一人は派手な化粧をした若い女だ、一心不乱に串焼きを頬張っている。もう一人はガッシリと筋肉質な長身の男である。二人とも黒を基調とした聖職者を思わせる服装に身を包んでいる。

「人間の食事もなかなかイケるわ、アブドゥーラも一本どう?」

 女は串焼きを男へと差し出す、しかしアブドゥーラと呼ばれた男は受け取ろうとしない。

「慎めザナロワ、俺達は遊びにきたわけではない」

「はんっ、相変わらずの堅物ね」

 アブドゥーラはキッと目を尖らせる。しかしザナロワと呼ばれた女は、気にせず串焼きを頬張り続けている。

「俺達の目的は──」

「分かってるわよ、神器ヨグソードでしょ?」

 ザナロワは串焼きを頬張りながら軽い口調で会話を続ける。のんびりとした雰囲気とは対照的に、会話の内容は不穏なものだ。

「で? 本当にヨグソードは王都ロームルスにあるんでしょうね?」

「ああ、現在はロームルス学園に通う学生の手へと渡っているらしい」

「その情報は正しいの? 怪しくない?」

「中枢へ侵入している“あの男”からの情報だ、間違いはないだろう」

 目立つ外見をしているにもかかわらず、周囲の人々は二人のことをまったく気に留めない。なにかしらの力によって人々の注意を散らしているようだ。

「ヨグソードに秘められし時空の力を用いれば、ガレウス様をこの世に呼び戻せる。なんとしてでも手に入れなければならない」

「待ち遠しいわね、早くガレウス様にお会いしたいわ」

 恍惚とした表情を浮かべるザナロワ。ポイッと串を放り捨て、ビシッとロームルス学園の方角を指差す。

「そうと決まれば早速ヨグソードを奪っちゃいましょう、ロームルス学園に突撃よ!」

「待つのだザナロワよ、ロームルス学園には二人の王女、クリスティーナとエリザベスが出入りしているらしい。どちらもロムルス王国屈指の強者だ」

「でも所詮は人間よ、私達の敵じゃないわ」

「しかし上級悪魔であったはずのアルベンスやエゼルレッドも討ち取られている、油断するべきではない」

「私達はガレウス様の側近たる最上位の魔人なのよ? アルベンスやエゼルレッドなんかと一緒にしないでほしいわ」

 なかなか意見を曲げようとしないザナロワ、しかしアブドゥーラも譲らない。

「近々ロームルス学園では学園祭という催しが行われるらしい。ヨグソードを奪取するには絶好の機会、それまでは行動を起こすべきではない」

「はぁ……はいはい分かったわよ、ホントに堅物よね」

 ザナロワは大きなため息をつく、アブドゥーラの頑固さにうんざりといった様子だ。しかしそれもつかの間、ニヤリと邪悪な笑みを浮かべる。

「よし、では情報収集に戻るぞ」

「分かってるわよ、全ては……」

「「全ては邪神ガレウス様のために……!」」

 そして二人は薄暗い路地へと消えていくのだった。
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