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使者団が辺境に到着したのは、書状が届いてから五日後のことだった。
王家の紋章を掲げた馬車が三台、騎馬の護衛が十数騎。辺境の村にとっては見たこともない規模の来訪者だった。村人たちは畑仕事の手を止め、不安そうに馬車を見つめた。
使者団を率いるのは、ユリウスの側近である騎士ヴェルナーだった。金糸の刺繍が入った軍服を纏い、磨き上げた長靴で辺境の泥道に降り立つと、露骨に顔をしかめた。
「これが辺境伯領か。噂には聞いていたが、実に殺風景だな」
部下の騎士たちが追従するように笑う。しかし村の中を進むにつれて、ヴェルナーの眉が寄った。報告にあった通り、農地には緑が芽吹き、井戸には清らかな水が湧いている。辺境とは思えない活気が、確かにそこにはあった。
領主の館の前で、アレクが待っていた。
銀髪を風に靡かせ、腰に剣を帯びた長身の偉丈夫。腕を組んで門柱に寄りかかる姿は泰然としていたが、碧い瞳の奥には明確な敵意が宿っていた。その背後に副官のハンスと、数名の辺境騎士団の兵が控えている。
ヴェルナーが馬を降り、形式的に一礼した。
「辺境伯アレク・ヴァルトシュタイン閣下。王太子ユリウス殿下の命により参上いたしました」
「用件は書状で読んだ。答えも同じだ。帰れ」
アレクは門から一歩も動かなかった。
ヴェルナーの目が細くなった。
「閣下、これは王家からの正式な命令です。聖女リーゼルは王国の加護に不可欠な存在。速やかにお引き渡しいただきたい」
「引き渡し、だと」
アレクの声が低くなった。空気が凍りついたように静まる。
「まるで物のような言い方だな。リーゼルは人間だ。俺の婚約者だ。引き渡す物ではない」
「婚約者?」
ヴェルナーが嘲るように笑った。
「失礼ながら、聖女リーゼルはもともと王太子殿下の婚約者でした。辺境伯との婚約に王家の許可は下りておりません。正式な手続きを経ていない婚約は無効です」
「王太子が自ら婚約を破棄した。その時点でリーゼルは自由の身だ。自由になった女が誰と婚約しようが、王家に口を出す権利はない」
「殿下が再びお求めになっているのです。王家の意向は、臣下の私情に優先します」
「私情だと?」
アレクの目が鋭く光った。
「一度捨てた女を、都合が悪くなったから返せと? それが王家のやることか」
ヴェルナーの顔が強張った。図星を突かれた苛立ちが表情に滲む。
「辺境伯、言葉が過ぎますぞ。これは殿下の御命令です。逆らえば叛意と見なされます」
「叛意と見なすなら好きにしろ。軍を差し向けるか? 辺境の地理も知らない王都の兵が、この土地で戦えると思うなら試してみろ」
アレクの背後の辺境騎士たちが、静かに剣の柄に手をかけた。ヴェルナーの護衛騎士たちが緊張で顔を引きつらせる。辺境の兵は数こそ少ないが、日常的に魔物と戦い抜いてきた精鋭だ。王都の儀礼騎士とは鍛え方が違う。
一触即発の空気が張り詰めた時、館の扉が開いた。
「お待ちください」
リーゼルが姿を現した。
辺境に来た時の疲弊した姿はもうない。背筋は伸び、金色の髪が日差しを受けて輝いている。瞳には静かな意志の光が宿っていた。質素だが清潔な装いが、かえって彼女自身の気品を際立たせていた。
ヴェルナーが目を見張った。王都にいた頃のリーゼルは、地味で印象の薄い令嬢だった。目の前の女性はまるで別人だ。
「リーゼル。出なくていいと言っただろう」
アレクが低く言ったが、リーゼルは小さく首を振った。
「自分のことは自分で答えます」
そう言って、ヴェルナーの前に進み出た。
「ヴェルナー卿。殿下のお使い、ご苦労さまです」
穏やかだが、毅然とした声だった。
「殿下は私の帰還を命じておられるとのこと。しかし、ひとつ確認させてください。殿下は半年前の夜会で、この場にいる多くの証人の前で、私を偽聖女と断じ、婚約を破棄されました。追放の処分を下されたのも殿下です」
リーゼルの声は震えていなかった。
「その決定を覆されるのであれば、まず公の場で過ちをお認めになるのが筋ではありませんか。私が偽聖女ではなかったこと、婚約破棄が不当であったこと、そして追放が誤りであったこと。それらをすべて認めた上で、改めて要請されるべきです」
ヴェルナーは言葉を失った。この条件は王太子のprideを完全に打ち砕くものだ。公衆の面前で自らの過ちを認めることなど、あのユリウスにできるはずがない。
「それは……殿下にお伝えします。しかし、聖女の力は王国のために……」
「王国のために、ですか」
リーゼルの声に、初めてわずかな感情が混じった。
「王国のために尽くそうとしていた私を、偽物と呼んで追い出したのは王国です。辺境で苦しむ民を何十年も見捨てたのも王国です。そして今、困ったから戻れと。それは要請ではなく、身勝手というものではありませんか」
ヴェルナーが顔を赤くした。怒りではない。反論できない恥だった。
その時、周囲に人の気配が増えた。
村人たちが集まってきていたのだ。農民、子供、老人。それぞれの手に鍬や棒を持った者もいれば、素手の者もいる。武装とは言えない。しかしその目は一様に決意に満ちていた。
「聖女様を連れて行かせねえぞ」
村長が前に出た。痩せた体に似合わぬ大きな声だった。
「聖女様はこの村の恩人だ。あんたらが見捨てたこの土地を、聖女様が蘇らせてくれたんだ。今さら手柄だけ持っていこうなんざ、許さねえ」
「そうだそうだ!」
「聖女様は俺たちの聖女だ!」
村人たちの声が重なる。ヴェルナーの護衛騎士たちは、周囲を取り囲む村人たちの数と熱気に明らかに怯んでいた。
リーゼルは振り返り、村人たちに微笑みかけた。目が潤んでいる。しかしもう、悲しみの涙ではなかった。
「皆さん……ありがとうございます」
アレクがリーゼルの隣に立った。その大きな手がリーゼルの肩にそっと置かれる。
「聞いた通りだ、使者殿。リーゼルはここにいる。ここが、この女の居場所だ」
ヴェルナーは唇を噛み、長い沈黙の後に踵を返した。
「……殿下にお伝えします」
それだけ言って、馬に跨がった。使者団は来た時よりも遥かに小さく見える背中で、辺境の村を後にした。
使者団の姿が完全に見えなくなってから、リーゼルはふっと息を吐いた。張り詰めていた糸が切れたように、足から力が抜ける。
「おっと」
傾いだ体をアレクが支えた。
「大丈夫か」
「はい……少し、緊張して」
「上出来だった」
アレクの声に、かすかだが確かな誇りが混じっていた。リーゼルは支えられたまま顔を上げ、苦笑した。
「偉そうなことを言ってしまいました。伯爵令嬢だった頃には考えられません」
「お前は強くなった」
短い言葉。しかしそれがこの人の精一杯の褒め言葉だと、もう知っている。
村人たちがどっと歓声を上げ、「追い返したぞ!」「聖女様万歳!」と口々に叫んだ。祭りの続きのような騒ぎになり、リーゼルは村人たちに囲まれて揉みくちゃにされた。
王都では、ヴェルナーの帰還報告がユリウスを打ちのめしていた。
「拒否された、だと……?」
「はっ。辺境伯は聖女リーゼルとの婚約を主張し、引き渡しを完全に拒否しました。リーゼル自身もまた、殿下が公に過ちを認めない限り応じないと」
ユリウスの拳が机を叩いた。
「あの女が……俺に過ちを認めろだと?」
「さらに、村人たちも聖女を守る姿勢を見せており、辺境伯領全体がリーゼルを支持しています。武力での連行は、内乱を引き起こしかねません」
ユリウスは椅子に沈み込んだ。武力行使は論外だ。辺境伯の騎士団は精強で知られるし、そもそも王国内で武力衝突を起こせば王家の威信は地に落ちる。かと言って、このまま聖女なしでは結界の維持もままならない。
八方塞がりだった。
セレーナに当たり散らすことしかできなかった。
「お前のせいだ。お前が本物の聖女だと言うから、俺はリーゼルを……」
「殿下、私のせいですの? 私を選んだのは殿下ではありませんこと?」
セレーナの声に、もはや猫を被る余裕はなかった。追い詰められているのは彼女も同じだった。聖女の力を偽っていたことが露見すれば、待っているのは破滅だ。
二人の間に横たわる亀裂は、もう修復できないほどに広がっていた。
その夜、ユリウスが苛立ちのまま寝室に籠もった後、セレーナは一人、王城の地下書庫に忍び込んだ。
埃をかぶった棚の奥から、禁術の書と記された古い書物を引き出す。震える手で頁を繰った。
「……魔瘴を取り込み、己の力とする術」
危険と記されている。制御を誤れば暴走し、術者の体を蝕むと。しかしセレーナの目には、もうそれしか映っていなかった。
「私が本物の聖女になればいいのよ」
翡翠の瞳に、暗い炎が揺れた。
「そうすれば殿下も、王国も、私なしではいられなくなる。あの女になんか、負けない」
古い書物の頁が、ぱらりとめくれた。
その先に記された術式が、王都の運命を大きく狂わせることになるとは、セレーナ自身もまだ知らなかった。
王家の紋章を掲げた馬車が三台、騎馬の護衛が十数騎。辺境の村にとっては見たこともない規模の来訪者だった。村人たちは畑仕事の手を止め、不安そうに馬車を見つめた。
使者団を率いるのは、ユリウスの側近である騎士ヴェルナーだった。金糸の刺繍が入った軍服を纏い、磨き上げた長靴で辺境の泥道に降り立つと、露骨に顔をしかめた。
「これが辺境伯領か。噂には聞いていたが、実に殺風景だな」
部下の騎士たちが追従するように笑う。しかし村の中を進むにつれて、ヴェルナーの眉が寄った。報告にあった通り、農地には緑が芽吹き、井戸には清らかな水が湧いている。辺境とは思えない活気が、確かにそこにはあった。
領主の館の前で、アレクが待っていた。
銀髪を風に靡かせ、腰に剣を帯びた長身の偉丈夫。腕を組んで門柱に寄りかかる姿は泰然としていたが、碧い瞳の奥には明確な敵意が宿っていた。その背後に副官のハンスと、数名の辺境騎士団の兵が控えている。
ヴェルナーが馬を降り、形式的に一礼した。
「辺境伯アレク・ヴァルトシュタイン閣下。王太子ユリウス殿下の命により参上いたしました」
「用件は書状で読んだ。答えも同じだ。帰れ」
アレクは門から一歩も動かなかった。
ヴェルナーの目が細くなった。
「閣下、これは王家からの正式な命令です。聖女リーゼルは王国の加護に不可欠な存在。速やかにお引き渡しいただきたい」
「引き渡し、だと」
アレクの声が低くなった。空気が凍りついたように静まる。
「まるで物のような言い方だな。リーゼルは人間だ。俺の婚約者だ。引き渡す物ではない」
「婚約者?」
ヴェルナーが嘲るように笑った。
「失礼ながら、聖女リーゼルはもともと王太子殿下の婚約者でした。辺境伯との婚約に王家の許可は下りておりません。正式な手続きを経ていない婚約は無効です」
「王太子が自ら婚約を破棄した。その時点でリーゼルは自由の身だ。自由になった女が誰と婚約しようが、王家に口を出す権利はない」
「殿下が再びお求めになっているのです。王家の意向は、臣下の私情に優先します」
「私情だと?」
アレクの目が鋭く光った。
「一度捨てた女を、都合が悪くなったから返せと? それが王家のやることか」
ヴェルナーの顔が強張った。図星を突かれた苛立ちが表情に滲む。
「辺境伯、言葉が過ぎますぞ。これは殿下の御命令です。逆らえば叛意と見なされます」
「叛意と見なすなら好きにしろ。軍を差し向けるか? 辺境の地理も知らない王都の兵が、この土地で戦えると思うなら試してみろ」
アレクの背後の辺境騎士たちが、静かに剣の柄に手をかけた。ヴェルナーの護衛騎士たちが緊張で顔を引きつらせる。辺境の兵は数こそ少ないが、日常的に魔物と戦い抜いてきた精鋭だ。王都の儀礼騎士とは鍛え方が違う。
一触即発の空気が張り詰めた時、館の扉が開いた。
「お待ちください」
リーゼルが姿を現した。
辺境に来た時の疲弊した姿はもうない。背筋は伸び、金色の髪が日差しを受けて輝いている。瞳には静かな意志の光が宿っていた。質素だが清潔な装いが、かえって彼女自身の気品を際立たせていた。
ヴェルナーが目を見張った。王都にいた頃のリーゼルは、地味で印象の薄い令嬢だった。目の前の女性はまるで別人だ。
「リーゼル。出なくていいと言っただろう」
アレクが低く言ったが、リーゼルは小さく首を振った。
「自分のことは自分で答えます」
そう言って、ヴェルナーの前に進み出た。
「ヴェルナー卿。殿下のお使い、ご苦労さまです」
穏やかだが、毅然とした声だった。
「殿下は私の帰還を命じておられるとのこと。しかし、ひとつ確認させてください。殿下は半年前の夜会で、この場にいる多くの証人の前で、私を偽聖女と断じ、婚約を破棄されました。追放の処分を下されたのも殿下です」
リーゼルの声は震えていなかった。
「その決定を覆されるのであれば、まず公の場で過ちをお認めになるのが筋ではありませんか。私が偽聖女ではなかったこと、婚約破棄が不当であったこと、そして追放が誤りであったこと。それらをすべて認めた上で、改めて要請されるべきです」
ヴェルナーは言葉を失った。この条件は王太子のprideを完全に打ち砕くものだ。公衆の面前で自らの過ちを認めることなど、あのユリウスにできるはずがない。
「それは……殿下にお伝えします。しかし、聖女の力は王国のために……」
「王国のために、ですか」
リーゼルの声に、初めてわずかな感情が混じった。
「王国のために尽くそうとしていた私を、偽物と呼んで追い出したのは王国です。辺境で苦しむ民を何十年も見捨てたのも王国です。そして今、困ったから戻れと。それは要請ではなく、身勝手というものではありませんか」
ヴェルナーが顔を赤くした。怒りではない。反論できない恥だった。
その時、周囲に人の気配が増えた。
村人たちが集まってきていたのだ。農民、子供、老人。それぞれの手に鍬や棒を持った者もいれば、素手の者もいる。武装とは言えない。しかしその目は一様に決意に満ちていた。
「聖女様を連れて行かせねえぞ」
村長が前に出た。痩せた体に似合わぬ大きな声だった。
「聖女様はこの村の恩人だ。あんたらが見捨てたこの土地を、聖女様が蘇らせてくれたんだ。今さら手柄だけ持っていこうなんざ、許さねえ」
「そうだそうだ!」
「聖女様は俺たちの聖女だ!」
村人たちの声が重なる。ヴェルナーの護衛騎士たちは、周囲を取り囲む村人たちの数と熱気に明らかに怯んでいた。
リーゼルは振り返り、村人たちに微笑みかけた。目が潤んでいる。しかしもう、悲しみの涙ではなかった。
「皆さん……ありがとうございます」
アレクがリーゼルの隣に立った。その大きな手がリーゼルの肩にそっと置かれる。
「聞いた通りだ、使者殿。リーゼルはここにいる。ここが、この女の居場所だ」
ヴェルナーは唇を噛み、長い沈黙の後に踵を返した。
「……殿下にお伝えします」
それだけ言って、馬に跨がった。使者団は来た時よりも遥かに小さく見える背中で、辺境の村を後にした。
使者団の姿が完全に見えなくなってから、リーゼルはふっと息を吐いた。張り詰めていた糸が切れたように、足から力が抜ける。
「おっと」
傾いだ体をアレクが支えた。
「大丈夫か」
「はい……少し、緊張して」
「上出来だった」
アレクの声に、かすかだが確かな誇りが混じっていた。リーゼルは支えられたまま顔を上げ、苦笑した。
「偉そうなことを言ってしまいました。伯爵令嬢だった頃には考えられません」
「お前は強くなった」
短い言葉。しかしそれがこの人の精一杯の褒め言葉だと、もう知っている。
村人たちがどっと歓声を上げ、「追い返したぞ!」「聖女様万歳!」と口々に叫んだ。祭りの続きのような騒ぎになり、リーゼルは村人たちに囲まれて揉みくちゃにされた。
王都では、ヴェルナーの帰還報告がユリウスを打ちのめしていた。
「拒否された、だと……?」
「はっ。辺境伯は聖女リーゼルとの婚約を主張し、引き渡しを完全に拒否しました。リーゼル自身もまた、殿下が公に過ちを認めない限り応じないと」
ユリウスの拳が机を叩いた。
「あの女が……俺に過ちを認めろだと?」
「さらに、村人たちも聖女を守る姿勢を見せており、辺境伯領全体がリーゼルを支持しています。武力での連行は、内乱を引き起こしかねません」
ユリウスは椅子に沈み込んだ。武力行使は論外だ。辺境伯の騎士団は精強で知られるし、そもそも王国内で武力衝突を起こせば王家の威信は地に落ちる。かと言って、このまま聖女なしでは結界の維持もままならない。
八方塞がりだった。
セレーナに当たり散らすことしかできなかった。
「お前のせいだ。お前が本物の聖女だと言うから、俺はリーゼルを……」
「殿下、私のせいですの? 私を選んだのは殿下ではありませんこと?」
セレーナの声に、もはや猫を被る余裕はなかった。追い詰められているのは彼女も同じだった。聖女の力を偽っていたことが露見すれば、待っているのは破滅だ。
二人の間に横たわる亀裂は、もう修復できないほどに広がっていた。
その夜、ユリウスが苛立ちのまま寝室に籠もった後、セレーナは一人、王城の地下書庫に忍び込んだ。
埃をかぶった棚の奥から、禁術の書と記された古い書物を引き出す。震える手で頁を繰った。
「……魔瘴を取り込み、己の力とする術」
危険と記されている。制御を誤れば暴走し、術者の体を蝕むと。しかしセレーナの目には、もうそれしか映っていなかった。
「私が本物の聖女になればいいのよ」
翡翠の瞳に、暗い炎が揺れた。
「そうすれば殿下も、王国も、私なしではいられなくなる。あの女になんか、負けない」
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