【完結】ヒロインはラスボスがお好き第二部 ~ラスボスのお気に召すまま~

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執事は掃除を致します

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    それは、1週間ほど前の出来事でした。

 あの竜人(ドラゴニュート)ハーフの王子が正式な王位継承者として発表され、竜人(ドラゴニュート)の側妃が得意気な顔で王子の横にたっていました。
 もちろん国民たちは戸惑ったようですが、王妃様が認めたのならとさほど騒ぎにもなりませんでした……王妃様への信頼が厚すぎるのか国民が能天気すぎるのか、悩ましい問題ですね。

 魔物である竜人(ドラゴニュート)を見た上にさらには自国の王族になったというのに、もう少し驚くなり慌てるなりするものではないのでしょうかね?

 私が不思議に思っているとアイリ様が「これがモブの強制力か……」と、また謎の言葉を呟かれていました。よくわかりませんでしたが、こうゆうものだそうです。
 いまだに人間とは不思議な生き物だとつくづく思いました。

 まぁ、私としては騒ぎになろうがなるまいがアイリ様に被害が無ければどちらでもいいです。

 しかし、あの王子のひと言でそうも言ってられない事態になってしまいました。


「りゅーたんは、わーうるふのくにをほろぼすのです!」

 なんと、すでに異国に戦争宣言をしていました。さすがにこれは大問題です。
 いえ、竜人(ドラゴニュート)と人狼(ワーウルフ)が勝手に戦争をするのは別に構いませんよ?問題なのは、その戦争を宣言したのがこの国の王子だと言うことです。これでは竜人(ドラゴニュート)ではなく、この国が人狼(ワーウルフ)たちと戦争することになってしまいます。
 さらに……。

「わーうるふのおーじをころして、あいりをおよめさんにするです!」

 アイリ様が巻き込まれることが決定してしまった瞬間です。それからが大騒ぎでした。

 色々と説明が面倒なのでかいつまんで言いますと……。








 王家が、乗っ取られてしまいました。

 どうやらあの双子王子が脱獄した上に腹違いの弟王子と側妃を懐柔し、なにをどうやったのか王様を操っているようです。
 この国の王家の警備はどうなってるんですか?そんな簡単に脱獄できるならもう兵士などいる意味ないのではないですか?
 呆れる私の横でアイリ様が「こんなイベント知らないのに、どうなってるの?!バグか?!」と叫ばれました。どうやらだいぶ混乱なさっているようです。
 オロオロなさるアイリ様を落ち着かせようと思い、抱き締めてから耳元にふぅっと息をかけるとなぜか鼻血を出されて気絶してしまいました。
 ……おとなしくなったからよしとしましょう。

 今後の事を旦那様と相談するためルーベンス家に戻ると、すぐさま屋敷を竜人(ドラゴニュート)の兵隊に囲まれました。

「ソノムスメヲコチラニヒキワタセ!」

 呼び鈴も鳴らさず、出迎えてもいないのに扉を壊し屋敷内に侵入し、あまつさえまだ気絶したままソファに横たわっているアイリ様に触れようとしたので思わず回し蹴りで一掃してしまいました。
 数匹ほど吹っ飛び壁にめり込みましたが、旦那様が私に向かってとても良い笑顔で親指を立てて「セバスチャン、ぐっじょぶ!」とおっしゃられたので正しい対応だったようです。

 それから私はアイリ様を抱き上げ屋敷の裏口から逃げました。
 その際、旦那様から荷物を持たされたのですが……アイリ様の駆け落ちセットだそうです。なぜ、アイリ様が駆け落ちする前提でその荷物を旦那様が準備されてらっしゃるのでしょうか?
その期待に満ちた顔で私にウィンクしないでください。気持ち悪いです。

 とりあえずそんな旦那様から荷物を受け取り裏口を出ると、ルチア様のボディーガードさんが待っておられました。
 ルチア様が待っているという隠れ家に行きます。するとそこにはニコラスもいました。ニコラスが私と二人で話がしたいといい、アイリ様をルチア様に任せ別室へ連れていかれました。
 そこで、我が目を疑うような事が起きました。

 ニコラスが、私に頭を下げたのです。

「陰険執事……、いや、セバスチャン!どうかリリーを守ってくれ!」

「言われるまでもなく、アイリ様は守りますが……。何があったんです?」

 あの犬が私に頭を下げるなど、明日は嵐ですか?

「……いいか?これから俺が言うことはお前には理解できないかもしれない。俺の頭がおかしくなったと思うかもしれない。
 でも真実だ。だから、よく聞いてくれ」

 いつになく真剣な眼差しのニコラスの姿に、私は静かにうなずきました。

「今起こってることは、すべてのルートをクリアした時にだけ現れるシークレットステージなんだ。
 隠しキャラクターをクリアした後、ヒロイン……リリーにはある秘密があることがわかるはずだった。本当なら隠しキャラクターとヒロインがその秘密を知った上で竜人(ドラゴニュート)たちと闘って魔物と人間たちの新しい世界を作るはずだったんだけど、俺が知ってるストーリーとどんどん違ってきて、リリーの秘密も暴かれてないのに竜人(ドラゴニュート)が現れるし、色々と裏で調べてはいたんだけど異国……俺の国からも帰ってこいって連絡が来て、でもリリーの事は今は保留にするって言われて、もうどうしたらいいか……」

 顔色を悪くし頭を抱えて支離滅裂になるニコラスでしだが、嘘をついてるようにはみえませんでした。しかし、私にはその意味がまったくわかりません。

「そうですね……。意味はわかりませんが、アイリ様には何か秘密があり、そのせいで竜人(ドラゴニュート)に狙われている。と言うことでよろしいですか?」

「……信じてくれるのか?」

 この駄犬はなにを言っているのでしょうね?

「躾のなってない駄犬でも、飼い主であるアイリ様に関してだけは嘘はつかないでしょう?」

「……俺、リリーに飼われてんの?」

「アイリ様はお優しいですから、1度拾った犬を簡単に捨てたりしません。ただ、もしアイリ様に噛みつくようなら私がこの世から消しますが」

 ニコラスの顔色がどんどん良くなり、いつもの生意気な笑みを私に向けてきました。

「……ふっ、あはははっ!
 ちびコウモリに吸血鬼、人魚に人狼(ワーウルフ)。リリーのペット軍団なわけだ」

「私はペットではありません。そのペットたちの教育係です」

「俺さ、ずっと不思議だったんだ。お前が吸血鬼なのはわかってたし、リリーが呪いにかかってるのも知ってる。けどお前はエンディングを迎えたはずなのにリリーを獲物にも眷属にもしようとしない。
 そもそもこのルートには呪いの存在だけで吸血鬼自体は出てこないはずなのになぜか執事になってるし、この世界は俺が知ってる世界とは違うのかって……」

 ニコラスがまたよくわからない事を言い出します。

「なんの話ですか?」

「俺が、リリーに関してだけはお前を信用するって話。お前は絶対にリリーを守るだろ?」

「駄犬に言われるまでもないと言っています」

 私とニコラスの視線が合い、ニコラスが次に口を開こうとした時、外が騒がしくなりました。ボディーガードさんが「竜人(ドラゴニュート)たちが来ました」と教えてくれます。

「陰険執事、リリーを連れて大国に行け!そこでリリーの秘密がわかる!」

 大国とはあの縦ドリルの国ですね。

「俺が時間を稼ぐ、早く行け!リリーに、俺が愛してるのはリリーだけだよって伝えといてよ!」

 私がアイリ様の元へ行こうとすると、ニコラスは私と反対側……竜人(ドラゴニュート)のいる方を見ました。

「そんなこと、自分で言いなさい」

 一瞬私を見るその金色の瞳がまた生意気に光り、そのまま走り出したのでした。



 その後、ルチア様に案内していただき抜け道を使って外に出ます。そして詳細は省き、とにかく大国に行く事を伝えるとルチア様も一緒に行くことになりました。

 身分を隠した方が良いだろうとアイリ様とルチア様は男装され、ボディーガードさんは追手を引き付けるためにおふたりに似せた影武者を連れて別の国へ行く豪華客船に乗り込みました。
ルチア様の影武者がいるのはわかりますが、なぜアイリ様の影武者までいるのでしょうか。
 ルチア様は「もしものための対策は常備しておくものですわ!」とおっしゃっていました。ちなみにアイリ様はその影武者をご覧になられて「これがご都合主義の強制力……っ」とまた謎の言葉を叫ばれて嬉しそうでした。      ……人間の世界ではそれが常識なようです。










 と、そんな事情があってこの船に乗り込んだわけでございます。ちなみにアイリ様の男装用のウィッグや衣類は旦那様から渡された荷物に入っておりました。最低限の携帯食料等々色々と入っております。
 小さな手提げ袋なはずなのに、なぜこんなに入っているのでしょうか?もちろん酔い止め薬も入っていましたが、船酔いをしてから飲んだからかアイリ様が薬が効きにくい体質なのか先ほどのようなことになっていたわけです。
 さすがに祝福の力も船酔いには効果がなく、苦しまれておいででした。

「ルチア様、私は仕事に戻りますのでこのままアイリ様をお願いいたします」

 そろそろ休憩時間が終わりますからね。仕事に遅れてまたあの不快な男に絡まれるのは嫌ですし。

「あ、でもわたくしもなにか仕事をしないと……」

「私が3人分してきます。この部屋は鍵もかかりませんし、今のアイリ様をひとりにはしておけませんので」

 眠るアイリ様に視線を向け、ルチア様がうなずかれました。

「わかりましたわ。アイリちゃんのことは任せてくださいませ」

「よろしくお願いいたします」

 少々嫌な予感も致しますし、早く終わらせて戻ってきましょう。








 それから10分後、嫌な予感が的中します。
 私が3人分の仕事をすると申し出ると、あの不快な男はニヤニヤとしながらどう考えてもその倍はありそうな仕事を私に押し付けてきました。力仕事はもちろん分厚い書類の束に永遠に続きそうな計算式……これは下働きの人間に任せていい仕事では無い気がします。極秘って書いてありますよ?

 やりましたけどね。そしてそれが終わろうとした頃、アイリ様の周辺に複数の嫌な気配を感じました。
 私は吸血鬼の能力を使い瞬時にアイリ様の所へ跳びます。目が紅色に戻ってしまいますが、人間には見えない速度で動くので特に問題はありません。

 部屋の扉が開けられ、あの不快な男が一歩中へ足を踏み入れていました。

「へっへっへっ、おれらがかわいがっぐへぇあっ?!」

「はい、そこまでです」

 その汚らわしい手をアイリ様に向かって伸ばした瞬間、脳天に踵落としを食らわせました。少しへこんだようですが、破裂しなかっただけマシでしょう。
 アイリ様に汚い物をお見せするわけにはいきません。

『ぎゅい――――っっっ(この人間許せないっっっ!)』

 ナイトが怒り狂って飛び出すと、床に倒れた不快な男を頭から丸飲みしました。

 男装しててはバレッタがつけられないしピンキーリングも不自然なので、小さなコインの姿にしてアイリ様の服のポケットに隠れさせておいたのですが、巨大になったコインが人間を飲み込んでその形に変形しています。

「この男どもを海の藻屑にしてやりますわ……!」

 さらにその横で2人の男が鞭でぐるぐる巻きにされルチア様に踏みつけられていました。
 アイリ様は……まだ寝ていますね。

 どうやら私に仕事を押し付けて不在の間にアイリ様とルチア様を襲おうとしていたようですね。しかしルチア様は目の前でコインが巨大化して人間を丸飲みしているのに驚いている様子もありません。
 私の視線に気づいたルチア様がにっこりと微笑まれました。

「アイリちゃんが無事なら、なんでも有りですわ!」

 なんでも有りだそうです。特に驚かれていないならいいことにしておきましょう。

「ナイト、それを吐き出しなさい」

『きゅぺっ!』

 まだかろうじて息をしている男を吐き出させ、水差しの中身をぶっかけてやりました。

「うっ……」

 男が意識を取り戻します。

「どうなさいますの?」

 ルチア様から鞭で縛られた男たちも受け取り、執事スマイルでお答えしました。

「面白いものをお見せしますよ」

 パチン!と指を鳴らすと、床に出来た水溜まりからゆっくりと人影が現れます。もちろん人魚です。人魚には海に潜り船の周りに待機してもらっていました。
 外から竜人(ドラゴニュート)が襲ってきた場合に備えてでしたが水溜まりさえあればいつでも呼び出し可能です。

「さぁ、アイリ様を襲おうとしたのですからどんなお仕置きがいいでしょうか?」

「……そろそろお腹がすいてたのよねぇ」

 人魚は魔物の方の顔でニタリと笑うと男どもを掴み、水溜まりの中へとズブズブと沈んでいきました。人魚もだいぶ怒り狂っているようですね。
 普段ならこんな不味そうな人間など味見する気も起こらないでしょうに。
アイリ様が眠っていて良かったです。人魚は以前アイリ様にもう人間は食べないと約束していたようでしたから。   ……あぁ、でもそうですね。

 アイリ様を襲おうとするような生き物は人間ではなく生ゴミなので掃除をしただけ……、約束を違えてはいませんよね?

 ちゃぷん。

 恐怖にもがきながら男どもが消えると、ルチア様がその場にペタリと座り込んでしまいました。
 さすがに人魚には驚いてしまわれたでしょうか?

「あれは、人魚……。アイリちゃんは人魚も飼ってますのね、素敵ですわ!」

 大丈夫みたいです。ルチア様はアイリ様が関係するととても寛容ですね。私がアイリ様を抱き上げるとナイトは即座に小さくなりポケットの中に戻ります。

「ルチア様、申し訳ありませんが私にしっかりと掴まって頂けませんか?できれば目を閉じていて頂けると助かります」

 ルチア様は何も言わずに私の腰に腕を回し掴まると、目をつむりました。

「しばらくご辛抱ください」

 私は吸血鬼の姿に戻ります。ルチア様になら正体をばらしてもいいような気もしますが、アイリ様以外にはあまりこの姿を見られたくないので。私とアイリ様の秘密ですからね。
 メキメキと音が響き、背中から大きなコウモリの羽を出しました。この羽を出すのはだいぶ久しぶりな気がします。

 そして壁を突き破り、大空へと飛び出したのでした。




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