12 / 25
12。 母の思惑とは
しおりを挟む
すっかりシラユキ様と話し込んでしまい、この日は倭国にお泊まりすることになりましたわ。
シラユキ様が「今夜はまだ帰られないほうがいいですわ」と意味心な発言をするので首を傾げていると、そのままオンセンに入るように勧められました。オンセンと言うお風呂は外にあって夜空を見ながら入浴出来るしお肌がつるつるになる素敵なお風呂なんです。
それにしても毎回思うのですが、倭国の服装は不思議ですね。なんだか四角い布を繋ぎ合わせただけのように見えますのに体に巻いて紐で結ぶとどんな体型にもフィットしますのよ。同じ服なのに違う体型にすぐ合わせられるなんて画期的ですわ。ユカタと言うのですって。
「あら?」
お風呂上がりに岩と砂を使ったストーンガーデンを散歩しているとシラユキ様を見つけました。その足元には黒装束を着た人が膝をついていて、シラユキ様になにかを渡しているように見えたのです。
「シラユキ様?」
「あら、セレーネ様。温泉はいかがでしたか?」
黒装束の人が私に気づきペコリと頭を下げるとシュッと音をたてて消えてしまいます。これこそまるで魔法のようですわね。なんて素早いのかしら。
「あの、今の方はもしかして……」
「あぁ、セレーネ様は見たことがありませんでしたわね。あれが忍者ですわ。秘密裏に動くことが多いのであまり人前には出てきませんのよ」
話には聞いていましたがニンジャとはものすごい早さで走って各国へ書簡を届けたり情報を集めたりする役職の方らしいですわ。
「セレーネ様のルドルフのように人や荷物は運べませんけれど、急な書簡や使者としてなら不眠不休で走って1日もあれば往復出来ますのよ」
「それはスゴいですわ!あ、でもニンジャさんの体は大丈夫ですの?」
「ふふっ、きっと今ごろ白目をむいて倒れていますわね。セレーネ様がいらしたからカッコつけて帰りましたけど。1度この仕事をこなすと体力と精神の限界で3日は寝込みますから急を要するに時にしか出来ない仕事ですのよ」
3日も寝込むとは……それほど集中して走っておられるのですね。なんでも1度足を止めると再び走り出すのにロスが生じるとかで目的地につくまでひとり耐久レースのようにずっと全力疾走して道なき道を走るのだとか。大変ですわね。
「では、そんなに急ぎの書簡が届きましたの?」
「ええ、ちょっと失礼致しますわね……」とシラユキ様は書簡の中身に目をとおすと、にっこりと笑顔になりました。
「セレーネ様、申し訳ないのですが明日は倭国に留まって輸出品の品質を確認していただけませんか?それに職人が新作を是非セレーネ様にも見ていただきたいと言っていまして……。それで明後日にわたくしのこともラース国へご一緒に連れていっていただきたいのですわ。お花見の相談もしたいですし」
「そうなんですね、もちろん良いですわ」
倭国の職人が作る品質はいつも最高級なものばかりなのでそれを疑ったことはないですが、やはり定期的な確認は必要です。最近は他所の国にも運んでいますしこれは信用問題ですもの。それに新作というのも気になりますわ。職人さんからしたら良い物は少しでも早く輸出したいはずです。これは私の婚約破棄問題とは別問題ですもの。任されている以上はちゃんと責任を持たねばなりませんわ。
あ、そういえばお母様からオハナミについてのお願いもされていたのでした。ただ、今は国がバタバタしていますからサクラの様子を見て決めたいのだとか。早く国王陛下が私とオスカー殿下の婚約破棄を認めて、ついでにオスカー殿下に新しい婚約者をあてがって下されば良いと思います。お相手は……まぁ、男爵令嬢は捕まったみたいですけれどまだエルドラ国の王女がいますものね。そうすれば国としては一応落ち着くのではないかしら?
それにあちらの有責で正式に破棄させてしまえばまたいちゃもんをつけて慰謝料代わりにルドルフを奪おうとしても対応できますもの。絶対にオスカー殿下の思惑通りにはさせません!
「うふふ、今夜はすき焼きをご用意いたしましたわ。せっかくですし、ご馳走フルコースをご堪能くださいませ♡」
「わぁ!美味しそうです!」
そんな決意を新たに、倭国の美味しい料理をしっかりと堪能したのでした。
そして二日後ーーーー。
「え、エルドラ国の王女も捕まったんですか?」
シラユキ様と共に帰ってきた私はなぜか庭で待ち構えていたお母様から笑顔の報告をされてとても驚きました。
「ええ、そうよ」
いやいや、エルドラ国の王女ですのよ?隣国なんですよ?あんなのでも王族なわけでして、いくらなんでもどうやったんですか?
「あら、ちゃんとエルドラ国からあの王女は王籍を剥奪して追放したのでお好きにどうぞって許可をもらったわよ?ね、シラユキ皇女」
「ふふっ。最初は無関係を貫こうとしたようなのですけれど、あの王女が害した相手がセレーネ様だと知り掌を返したのですわ」
もしかしてなくてもシラユキ様もこの件を知っていたようです。
「なぜ私だと知ったからってそうなりますの?あちらは王家で私は公爵令嬢ですのに……」
「そんなの簡単ですわ。エルドラ国もルドルフの恩恵を頼りにしているということです。どうやらエルドラ国の方は単なる貴族の令嬢と男性を取り合ってるだけだと思っていたようなので放置していたそうなのですが、まさかその相手が“神獣と空を駆け抜ける聖女”との二つ名を持つセレーネ様だと知り魂が抜けかけたそうですわ」
なんですか、その恥ずかしいあだ名は……。
「あら、そんなに驚かなくても……だって、セレーネ様が開拓なされた“空の流通便”はほとんどの国に恩恵をもたらしてますのよ?重要視されるのは当然ですわ」
「いえ、そんな……。確かにエルドラ国にも何度か荷物を運びましたけれど……私は商人の方としか会ったことがありませんでした。まさか、王族の方にまでそんな風に知られていたなんて知りませんでしたわ。
……もしかしてシラユキ様、あの時のニンジャって……」
「あら、カトリーナ王妃殿下からのお手紙で真実を知っただろうエルドラ国に対応次第では倭国も黙っていない。とお知らせしに行っただけですわ。もし不等にその王女を庇うならば覚悟はあるのかと……。お伺いをしただけですのよ。だって圧力をかけてあの国をぺしゃんこにし、さらにはすべての流通が永久に止まるようにするなんて簡単ですもの。ーーーーセレーネ様を軽くあしらう輩など滅亡すればいいのですわ!」
「さすがシラユキ皇女、頼んだ瞬間に動いて下さいました。うちから出向いた使者は失礼なことをしませんでしたか?」
「とんでもないですわ。そのおかげで手早く圧力をかけられましたし、セレーネ様とゆっくりお話もできましたもの。使者の方はしっかりとおもてなしさせて頂いております」
どうやら私がお手紙を持っていく前にすでに早馬で使者が倭国へ行っていたようですわね。
「……ちょっとお待ち下さいお母様、私を倭国へいかせている間になにをしておりましたの?まさかとは思いますけれどシラユキ様まで共犯だなんて言いませんよね?私を足止めしていたなんてことは……」
「……(にっこり)」
振り向いた先のシラユキ様はとってもいい笑顔をしておられました。これは確信犯ですわ。
どうもお母様には私がいると都合の悪いことをするために私を倭国へ行かせていた疑惑が浮上してきましたわね。このお母様をよく知っているからこその娘の勘ですわ。
「あら、人聞きの悪い。すぐにわかります。……ほら、それよりハルベルト殿下がいらしてますよ。あなたに急用があるとおっしゃってましたわ」
「え?ハルベルト殿下が?!」
「つい先程です。そろそろセレーネが帰って来ると伝たらそれまで待つとおっしゃられたので今は客間にお通ししていますよ」
なんてことでしょう、それは早く行かなければなりません。あまりお待たせしたら失礼ですもの。あ、でも今の私の格好はルドルフに乗るためにとパンツスタイルでしたわ。さすがにこんな姿でははしたないかしら……。
「セレーネ様でしたら、どんなお姿でも可愛らしいからそのままで大丈夫ですわ」
恥ずかしいですわ。私ったらいくら慌てたからって全部口に出ていたようです。これではいけませんね、ハルベルト殿下の前ではちゃんと淑女の振る舞いをしなくては!
「と、とにかく、急用とのことですのでお会いして参りますわね。シラユキ様、私はここで失礼させていただきますわ!」
「わたくしの事ならお気になさらずに。先にお花見の相談をしておきますわ」
「よ、よろしくお願いします」
なぜか生暖かい目で私を見つめるシラユキ様とお母様。その態度に疑問を感じながらもそれを問い詰めている場合ではないと、私は急いで客間へと向かったのでした。
***
セレーネの姿が屋敷内に消えたのを見届けてからシラユキがぽつりと呟いた。
「それにしても、ハルベルト殿下はセレーネ様のことをどう想ってらっしゃるのかしら……。もし弄んだりしたら絶対に許しませんわ!」
実はシラユキはセレーネの初恋の相手が誰であるかをとっくに突き止めていた。その想いに蓋をしていることも。ちなみにセレーネは誰にもバレていないと思っている。もちろん母親に対してもだが、それは無駄な足掻きであった。
「あら、シラユキ皇女……」
シラユキの呟きを聞いたリディアは目を輝かせた。セレーネには内緒で進めている案件についてシラユキを巻き込むつもりだったが、どうやら細かい説明はいらなそうだとこの瞬間に確信したからだ。
「ねぇ、シラユキ皇女。実はセレーネのためにお願いしたいことがございますのよ……」
「えっ……!」
リディアが語るその内容に、シラユキはリディア以上に目を輝かせるのだった。
シラユキ様が「今夜はまだ帰られないほうがいいですわ」と意味心な発言をするので首を傾げていると、そのままオンセンに入るように勧められました。オンセンと言うお風呂は外にあって夜空を見ながら入浴出来るしお肌がつるつるになる素敵なお風呂なんです。
それにしても毎回思うのですが、倭国の服装は不思議ですね。なんだか四角い布を繋ぎ合わせただけのように見えますのに体に巻いて紐で結ぶとどんな体型にもフィットしますのよ。同じ服なのに違う体型にすぐ合わせられるなんて画期的ですわ。ユカタと言うのですって。
「あら?」
お風呂上がりに岩と砂を使ったストーンガーデンを散歩しているとシラユキ様を見つけました。その足元には黒装束を着た人が膝をついていて、シラユキ様になにかを渡しているように見えたのです。
「シラユキ様?」
「あら、セレーネ様。温泉はいかがでしたか?」
黒装束の人が私に気づきペコリと頭を下げるとシュッと音をたてて消えてしまいます。これこそまるで魔法のようですわね。なんて素早いのかしら。
「あの、今の方はもしかして……」
「あぁ、セレーネ様は見たことがありませんでしたわね。あれが忍者ですわ。秘密裏に動くことが多いのであまり人前には出てきませんのよ」
話には聞いていましたがニンジャとはものすごい早さで走って各国へ書簡を届けたり情報を集めたりする役職の方らしいですわ。
「セレーネ様のルドルフのように人や荷物は運べませんけれど、急な書簡や使者としてなら不眠不休で走って1日もあれば往復出来ますのよ」
「それはスゴいですわ!あ、でもニンジャさんの体は大丈夫ですの?」
「ふふっ、きっと今ごろ白目をむいて倒れていますわね。セレーネ様がいらしたからカッコつけて帰りましたけど。1度この仕事をこなすと体力と精神の限界で3日は寝込みますから急を要するに時にしか出来ない仕事ですのよ」
3日も寝込むとは……それほど集中して走っておられるのですね。なんでも1度足を止めると再び走り出すのにロスが生じるとかで目的地につくまでひとり耐久レースのようにずっと全力疾走して道なき道を走るのだとか。大変ですわね。
「では、そんなに急ぎの書簡が届きましたの?」
「ええ、ちょっと失礼致しますわね……」とシラユキ様は書簡の中身に目をとおすと、にっこりと笑顔になりました。
「セレーネ様、申し訳ないのですが明日は倭国に留まって輸出品の品質を確認していただけませんか?それに職人が新作を是非セレーネ様にも見ていただきたいと言っていまして……。それで明後日にわたくしのこともラース国へご一緒に連れていっていただきたいのですわ。お花見の相談もしたいですし」
「そうなんですね、もちろん良いですわ」
倭国の職人が作る品質はいつも最高級なものばかりなのでそれを疑ったことはないですが、やはり定期的な確認は必要です。最近は他所の国にも運んでいますしこれは信用問題ですもの。それに新作というのも気になりますわ。職人さんからしたら良い物は少しでも早く輸出したいはずです。これは私の婚約破棄問題とは別問題ですもの。任されている以上はちゃんと責任を持たねばなりませんわ。
あ、そういえばお母様からオハナミについてのお願いもされていたのでした。ただ、今は国がバタバタしていますからサクラの様子を見て決めたいのだとか。早く国王陛下が私とオスカー殿下の婚約破棄を認めて、ついでにオスカー殿下に新しい婚約者をあてがって下されば良いと思います。お相手は……まぁ、男爵令嬢は捕まったみたいですけれどまだエルドラ国の王女がいますものね。そうすれば国としては一応落ち着くのではないかしら?
それにあちらの有責で正式に破棄させてしまえばまたいちゃもんをつけて慰謝料代わりにルドルフを奪おうとしても対応できますもの。絶対にオスカー殿下の思惑通りにはさせません!
「うふふ、今夜はすき焼きをご用意いたしましたわ。せっかくですし、ご馳走フルコースをご堪能くださいませ♡」
「わぁ!美味しそうです!」
そんな決意を新たに、倭国の美味しい料理をしっかりと堪能したのでした。
そして二日後ーーーー。
「え、エルドラ国の王女も捕まったんですか?」
シラユキ様と共に帰ってきた私はなぜか庭で待ち構えていたお母様から笑顔の報告をされてとても驚きました。
「ええ、そうよ」
いやいや、エルドラ国の王女ですのよ?隣国なんですよ?あんなのでも王族なわけでして、いくらなんでもどうやったんですか?
「あら、ちゃんとエルドラ国からあの王女は王籍を剥奪して追放したのでお好きにどうぞって許可をもらったわよ?ね、シラユキ皇女」
「ふふっ。最初は無関係を貫こうとしたようなのですけれど、あの王女が害した相手がセレーネ様だと知り掌を返したのですわ」
もしかしてなくてもシラユキ様もこの件を知っていたようです。
「なぜ私だと知ったからってそうなりますの?あちらは王家で私は公爵令嬢ですのに……」
「そんなの簡単ですわ。エルドラ国もルドルフの恩恵を頼りにしているということです。どうやらエルドラ国の方は単なる貴族の令嬢と男性を取り合ってるだけだと思っていたようなので放置していたそうなのですが、まさかその相手が“神獣と空を駆け抜ける聖女”との二つ名を持つセレーネ様だと知り魂が抜けかけたそうですわ」
なんですか、その恥ずかしいあだ名は……。
「あら、そんなに驚かなくても……だって、セレーネ様が開拓なされた“空の流通便”はほとんどの国に恩恵をもたらしてますのよ?重要視されるのは当然ですわ」
「いえ、そんな……。確かにエルドラ国にも何度か荷物を運びましたけれど……私は商人の方としか会ったことがありませんでした。まさか、王族の方にまでそんな風に知られていたなんて知りませんでしたわ。
……もしかしてシラユキ様、あの時のニンジャって……」
「あら、カトリーナ王妃殿下からのお手紙で真実を知っただろうエルドラ国に対応次第では倭国も黙っていない。とお知らせしに行っただけですわ。もし不等にその王女を庇うならば覚悟はあるのかと……。お伺いをしただけですのよ。だって圧力をかけてあの国をぺしゃんこにし、さらにはすべての流通が永久に止まるようにするなんて簡単ですもの。ーーーーセレーネ様を軽くあしらう輩など滅亡すればいいのですわ!」
「さすがシラユキ皇女、頼んだ瞬間に動いて下さいました。うちから出向いた使者は失礼なことをしませんでしたか?」
「とんでもないですわ。そのおかげで手早く圧力をかけられましたし、セレーネ様とゆっくりお話もできましたもの。使者の方はしっかりとおもてなしさせて頂いております」
どうやら私がお手紙を持っていく前にすでに早馬で使者が倭国へ行っていたようですわね。
「……ちょっとお待ち下さいお母様、私を倭国へいかせている間になにをしておりましたの?まさかとは思いますけれどシラユキ様まで共犯だなんて言いませんよね?私を足止めしていたなんてことは……」
「……(にっこり)」
振り向いた先のシラユキ様はとってもいい笑顔をしておられました。これは確信犯ですわ。
どうもお母様には私がいると都合の悪いことをするために私を倭国へ行かせていた疑惑が浮上してきましたわね。このお母様をよく知っているからこその娘の勘ですわ。
「あら、人聞きの悪い。すぐにわかります。……ほら、それよりハルベルト殿下がいらしてますよ。あなたに急用があるとおっしゃってましたわ」
「え?ハルベルト殿下が?!」
「つい先程です。そろそろセレーネが帰って来ると伝たらそれまで待つとおっしゃられたので今は客間にお通ししていますよ」
なんてことでしょう、それは早く行かなければなりません。あまりお待たせしたら失礼ですもの。あ、でも今の私の格好はルドルフに乗るためにとパンツスタイルでしたわ。さすがにこんな姿でははしたないかしら……。
「セレーネ様でしたら、どんなお姿でも可愛らしいからそのままで大丈夫ですわ」
恥ずかしいですわ。私ったらいくら慌てたからって全部口に出ていたようです。これではいけませんね、ハルベルト殿下の前ではちゃんと淑女の振る舞いをしなくては!
「と、とにかく、急用とのことですのでお会いして参りますわね。シラユキ様、私はここで失礼させていただきますわ!」
「わたくしの事ならお気になさらずに。先にお花見の相談をしておきますわ」
「よ、よろしくお願いします」
なぜか生暖かい目で私を見つめるシラユキ様とお母様。その態度に疑問を感じながらもそれを問い詰めている場合ではないと、私は急いで客間へと向かったのでした。
***
セレーネの姿が屋敷内に消えたのを見届けてからシラユキがぽつりと呟いた。
「それにしても、ハルベルト殿下はセレーネ様のことをどう想ってらっしゃるのかしら……。もし弄んだりしたら絶対に許しませんわ!」
実はシラユキはセレーネの初恋の相手が誰であるかをとっくに突き止めていた。その想いに蓋をしていることも。ちなみにセレーネは誰にもバレていないと思っている。もちろん母親に対してもだが、それは無駄な足掻きであった。
「あら、シラユキ皇女……」
シラユキの呟きを聞いたリディアは目を輝かせた。セレーネには内緒で進めている案件についてシラユキを巻き込むつもりだったが、どうやら細かい説明はいらなそうだとこの瞬間に確信したからだ。
「ねぇ、シラユキ皇女。実はセレーネのためにお願いしたいことがございますのよ……」
「えっ……!」
リディアが語るその内容に、シラユキはリディア以上に目を輝かせるのだった。
1,146
あなたにおすすめの小説
「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている
歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が
ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が
一人分減るな、と思っただけ。
ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。
しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、
イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。
3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された
ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。
「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」
「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
本当に、貴女は彼と王妃の座が欲しいのですか?
もにゃむ
ファンタジー
侯爵令嬢のオリビアは、生まれた瞬間から第一王子である王太子の婚約者だった。
政略ではあったが、二人の間には信頼と親愛があり、お互いを大切にしている、とオリビアは信じていた。
王子妃教育を終えたオリビアは、王城に移り住んで王妃教育を受け始めた。
王妃教育で用意された大量の教材の中のある一冊の教本を読んだオリビアは、婚約者である第一王子との関係に疑問を抱き始める。
オリビアの心が揺れ始めたとき、異世界から聖女が召喚された。
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
砂の揺籠
哀川アルマ
ファンタジー
ハーブロート公爵家の愛人の子、レイラ・ハーブロート公爵令嬢は、典型的な我儘令嬢でどうしようもないと噂される。
義母も相当な放蕩な女で、苦労している姉のシローヌ・ハーブロート公爵令嬢に同情の声が寄せられ、ハーブロート公爵の名声は地に落ちつつあった。
王太子妃の開いたお茶会でも暴れるレイラだが…?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
初の投稿です。
楽しんでいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる