29 / 40
サマリー8 ダドゥンガース
新たな構音障害
しおりを挟む
フィーネによって丁寧にかけられた治癒呪文のおかげで、巫女の体に刻まれていた凄惨な鞭の傷痕は跡形もなく消え去った。だが心に刻まれた深い傷は早々に癒えるものではない。
子供用着換えローブが余っていたので着せて上げると、本来の髪色であったスカイブルーの青い髪がさらりと煌めき、アンバーの瞳が浮かぶ大きな目で誰かを探しているようだった。
食堂で待っていた光平を見つけると、迷うことなく抱きついていた。
フィーネとルビナに優しくしてもらったおかげで、若干落ち着いてはいるもののまだ小さい震えは収まっていなかった。
「フィーネ殿、あえて口を挟むまいと思っていましたが、光平殿にも治癒呪文をかけてあげてはいかがだろうか」
フィーネは光平に視線を投げると、迷うことなく頷くその姿に心を決めるのだった。
「光平先生は体に魔力を持っていないのです、そのためでしょう治癒呪文がまったく効果がない……のです」
「なんということだろう、それであればクライグ君の責任は非常に大きいな」
「命に代えても兄貴は守り抜きますよ」
「君ほどの剣技の持ち主ならば安心だろう、しかしそのようなことがあるとは」
巫女の震えが落ち着いたところで、光平は意を決して話しかけてみることにした。
「僕はね、光平って言うんだ。お名前教えてもらえるとうれしいな」
「キィョウ……」
「そうかキョウちゃんか、かわいくて良い名前だね」
こくんと頷くとぱっとまた光平のトレーナーに顔をうずめる。
「今からね、おいしいおやつを持ってくるからみんなで食べようか、ルビナさんプリンを人数分お願いします」
「はーい!」
元気にふるまってくれるルビナのおかげで場が少しずつ明るくなっていく。
陶器製の器に入っているプリンが配膳されると、スペンサーは何事かと思っていたがクライグがこそこそと囁いている。
「これまじでうまいっすよ。お忍びで姫様が食べにくるほどです」
「ほ、本当か、では……なんと! なんだこのうまさは!」
スペンサーが騒ぎ出したことで興味を持ったのか、キョウがプリンをじっと見つめている。
「一緒に食べようか」
こくん。
この子も相当にかわいい容姿をしている。プリンを一口食べておいしいと報告してくるその表情がまた一段と輝いている。
キョウが笑うと食堂の雰囲気が華やいだ。子供の笑顔ほど人を癒すものはないなぁと光平はいつも思う。
「ねえキョウちゃん、お腹減ってる?」ルビナの問いに一瞬固まったキョウは、光平にお伺いを立てるように見上げてきた。
「いいんだよ、お腹が減ってたら教えてくれるとうれしいんだ」
「うん、お腹減ってる……うまく詠唱できぃないと、ご飯なくなっちゃうの」
全員が一斉に言葉を飲み込んだ。
ここで感情のままに怒鳴りつけてしまえば、キョウがあの凄惨な時間を思い出してしまうと思ったからだ。
「大丈夫、もうそんなこと考えなくていいからね。とってもおいしい料理があるからルビナさんに用意してもらおうか」
「ありぃがとう」
光平以外に気付く者はいない。
フィーネでさえ。
猛烈な焦燥感が光平の胸中を埋め尽くしていく。
ダドゥンガースへの対抗呪文を詠唱できるのは、残された巫女の血統であるキョウだけ。
ではあるのだが、さきほどの発語の中にとんでもない構音障害を発見してしまったのだ。
確認しなければならない。これは日常会話の中から対象音を己の耳だけで判別し評価しなくてはいけなくなった。
できるだけ発語を引き出すしか方法はない。
運ばれてきたカレーライスを見てキョウは何これ? といった様子で周囲を見渡した。
「とってもおいしいからゆっくり食べていいよ」
「それめっちゃうまいぞ! うまそうだなぁ!」
こういうとき、お調子者のクライグの前向きでほがらかな人柄は助かる。
促されたキョウは恐る恐る一口目を運び、その目が真ん丸に見開かれた。
「んー!」
相当においしかったのか頬を緩ませながら、はむはむと小動物のような可憐さで食べ続けている。
「よいものですな。子供が笑顔でおいしい料理を食す時間というのは、このために我等は戦っているのだと思えます」
「そういう方が宮廷魔術師になってもらって、うれしいです」
「フィーネ殿にそう言われると光栄でありますし、本来であればあなたは既に私の実力を凌駕しているでありましょう? いずれ推薦させてもらおうと思います」
「いえ私は光平先生のお側で働くことが生きがいですから」
とりあえず、あの震えていたキョウがカレーで頬を緩ませるようになってくれてほっとしている。
スペンサーの話ではキョウをここで預かり面倒を見るという方針で構わないという。書類登録関連は全て自分が担当するので、後にキースを寄越して連絡調整役になってもらう。
光平とフィーネにはキョウの状態を把握し対抗呪文ヴァルヌヤースをどこまで詠唱できるかを把握してもらい、解呪可能かどうかの見立てをしてもらいたいという。スペンサーはまたプリンを食べにくると言い残しそのまま帰っていった。
光平はここまで心的に追い詰められたケースに会ったことがない。虐待疑いのケースはあったが、それでも今日のように傷つき怪我をしていた者などいない。
しかもキョウは感受性が高く相手の心理を読むのに長けている気がする。慎重にキョウと信頼関係を築かなくてはならない。
午後からはフィーネ担当のk→t置換ケースが来るので、その間は二人で遊んですごしてみよう。ここではキョウに折り紙を教えてみた。
まずは簡単な動物の顔を折り紙で折っていく。
犬の顔や猫、狐、クマ、うさぎ など。全てこの世界にも共通するもので、キョウはきゃっきゃと喜びながら一生懸命真似して微笑み頷いてくれる。
だが、当然のことながら発語は極めて少ない。
でもそれでいいと言い聞かせる。焦るな、焦りはすぐに伝わり何かを【させたがっている】という思念を読まれ構えさせてしまう。
そのあとは紙飛行機を作った。
まるで魔法でも見たかのように驚き、どっちが飛ぶか競争や、お洋服の折り紙に色を塗ってもらったりする。
「何色がいい?」
「あか!」
「ようし、じゃ先生はね青にしようかな、ピンクもあるよ」
やはり女の子。ピンクのペンを受け取るとワンピースの折り紙へ綺麗に縁取りを始めている。率直な感想は、キョウは器用だ。
すぐさまお絵かきにも挑戦してもらうも、明らかに、確実に、絶対にフィーネよりキョウのほうがうまい。
手先の器用さは舌先の器用さに繋がると光平の臨床経験上の感想なので、これは良い情報だ。
しかも音声での言語指示に対しての理解が鋭い。的確に反応し視線も良く合い、手足の筋肉に過度な緊張がない。
凡そのコミュニケーション能力を確認し、自発的な発声発語は少ないものの助詞を使った表現も行い、複雑な聴覚理解もこなすことから精神発達に問題はなく自閉傾向も見られないことが分かった。
一歩ずつ言の音の呪いの正体に向けて歩んでいる。気を抜けば一気に信頼を失い拒絶されてしまうかもしれない。
だが、ちやほやしすぎてもいけないというバランスが難しい。
キョウはとにかく光平から離れるのを嫌がった、というより怖がった。
あの恐ろしいイルミスの鞭を体を張って守ってくれた光平を、父のように守ってくれる存在と認識しているのだろう。
実際には他の子の訓練で離れる場合、キョウは言うことを聞き我侭を言うことはなかった。
フィーネに髪を三つ編みにしてもらったり、逆に三つ編みにしてあげたりと女の子らしいやりとりを楽しみ、彼女にも甘えるようになってきたのは良いことだ。
子供用着換えローブが余っていたので着せて上げると、本来の髪色であったスカイブルーの青い髪がさらりと煌めき、アンバーの瞳が浮かぶ大きな目で誰かを探しているようだった。
食堂で待っていた光平を見つけると、迷うことなく抱きついていた。
フィーネとルビナに優しくしてもらったおかげで、若干落ち着いてはいるもののまだ小さい震えは収まっていなかった。
「フィーネ殿、あえて口を挟むまいと思っていましたが、光平殿にも治癒呪文をかけてあげてはいかがだろうか」
フィーネは光平に視線を投げると、迷うことなく頷くその姿に心を決めるのだった。
「光平先生は体に魔力を持っていないのです、そのためでしょう治癒呪文がまったく効果がない……のです」
「なんということだろう、それであればクライグ君の責任は非常に大きいな」
「命に代えても兄貴は守り抜きますよ」
「君ほどの剣技の持ち主ならば安心だろう、しかしそのようなことがあるとは」
巫女の震えが落ち着いたところで、光平は意を決して話しかけてみることにした。
「僕はね、光平って言うんだ。お名前教えてもらえるとうれしいな」
「キィョウ……」
「そうかキョウちゃんか、かわいくて良い名前だね」
こくんと頷くとぱっとまた光平のトレーナーに顔をうずめる。
「今からね、おいしいおやつを持ってくるからみんなで食べようか、ルビナさんプリンを人数分お願いします」
「はーい!」
元気にふるまってくれるルビナのおかげで場が少しずつ明るくなっていく。
陶器製の器に入っているプリンが配膳されると、スペンサーは何事かと思っていたがクライグがこそこそと囁いている。
「これまじでうまいっすよ。お忍びで姫様が食べにくるほどです」
「ほ、本当か、では……なんと! なんだこのうまさは!」
スペンサーが騒ぎ出したことで興味を持ったのか、キョウがプリンをじっと見つめている。
「一緒に食べようか」
こくん。
この子も相当にかわいい容姿をしている。プリンを一口食べておいしいと報告してくるその表情がまた一段と輝いている。
キョウが笑うと食堂の雰囲気が華やいだ。子供の笑顔ほど人を癒すものはないなぁと光平はいつも思う。
「ねえキョウちゃん、お腹減ってる?」ルビナの問いに一瞬固まったキョウは、光平にお伺いを立てるように見上げてきた。
「いいんだよ、お腹が減ってたら教えてくれるとうれしいんだ」
「うん、お腹減ってる……うまく詠唱できぃないと、ご飯なくなっちゃうの」
全員が一斉に言葉を飲み込んだ。
ここで感情のままに怒鳴りつけてしまえば、キョウがあの凄惨な時間を思い出してしまうと思ったからだ。
「大丈夫、もうそんなこと考えなくていいからね。とってもおいしい料理があるからルビナさんに用意してもらおうか」
「ありぃがとう」
光平以外に気付く者はいない。
フィーネでさえ。
猛烈な焦燥感が光平の胸中を埋め尽くしていく。
ダドゥンガースへの対抗呪文を詠唱できるのは、残された巫女の血統であるキョウだけ。
ではあるのだが、さきほどの発語の中にとんでもない構音障害を発見してしまったのだ。
確認しなければならない。これは日常会話の中から対象音を己の耳だけで判別し評価しなくてはいけなくなった。
できるだけ発語を引き出すしか方法はない。
運ばれてきたカレーライスを見てキョウは何これ? といった様子で周囲を見渡した。
「とってもおいしいからゆっくり食べていいよ」
「それめっちゃうまいぞ! うまそうだなぁ!」
こういうとき、お調子者のクライグの前向きでほがらかな人柄は助かる。
促されたキョウは恐る恐る一口目を運び、その目が真ん丸に見開かれた。
「んー!」
相当においしかったのか頬を緩ませながら、はむはむと小動物のような可憐さで食べ続けている。
「よいものですな。子供が笑顔でおいしい料理を食す時間というのは、このために我等は戦っているのだと思えます」
「そういう方が宮廷魔術師になってもらって、うれしいです」
「フィーネ殿にそう言われると光栄でありますし、本来であればあなたは既に私の実力を凌駕しているでありましょう? いずれ推薦させてもらおうと思います」
「いえ私は光平先生のお側で働くことが生きがいですから」
とりあえず、あの震えていたキョウがカレーで頬を緩ませるようになってくれてほっとしている。
スペンサーの話ではキョウをここで預かり面倒を見るという方針で構わないという。書類登録関連は全て自分が担当するので、後にキースを寄越して連絡調整役になってもらう。
光平とフィーネにはキョウの状態を把握し対抗呪文ヴァルヌヤースをどこまで詠唱できるかを把握してもらい、解呪可能かどうかの見立てをしてもらいたいという。スペンサーはまたプリンを食べにくると言い残しそのまま帰っていった。
光平はここまで心的に追い詰められたケースに会ったことがない。虐待疑いのケースはあったが、それでも今日のように傷つき怪我をしていた者などいない。
しかもキョウは感受性が高く相手の心理を読むのに長けている気がする。慎重にキョウと信頼関係を築かなくてはならない。
午後からはフィーネ担当のk→t置換ケースが来るので、その間は二人で遊んですごしてみよう。ここではキョウに折り紙を教えてみた。
まずは簡単な動物の顔を折り紙で折っていく。
犬の顔や猫、狐、クマ、うさぎ など。全てこの世界にも共通するもので、キョウはきゃっきゃと喜びながら一生懸命真似して微笑み頷いてくれる。
だが、当然のことながら発語は極めて少ない。
でもそれでいいと言い聞かせる。焦るな、焦りはすぐに伝わり何かを【させたがっている】という思念を読まれ構えさせてしまう。
そのあとは紙飛行機を作った。
まるで魔法でも見たかのように驚き、どっちが飛ぶか競争や、お洋服の折り紙に色を塗ってもらったりする。
「何色がいい?」
「あか!」
「ようし、じゃ先生はね青にしようかな、ピンクもあるよ」
やはり女の子。ピンクのペンを受け取るとワンピースの折り紙へ綺麗に縁取りを始めている。率直な感想は、キョウは器用だ。
すぐさまお絵かきにも挑戦してもらうも、明らかに、確実に、絶対にフィーネよりキョウのほうがうまい。
手先の器用さは舌先の器用さに繋がると光平の臨床経験上の感想なので、これは良い情報だ。
しかも音声での言語指示に対しての理解が鋭い。的確に反応し視線も良く合い、手足の筋肉に過度な緊張がない。
凡そのコミュニケーション能力を確認し、自発的な発声発語は少ないものの助詞を使った表現も行い、複雑な聴覚理解もこなすことから精神発達に問題はなく自閉傾向も見られないことが分かった。
一歩ずつ言の音の呪いの正体に向けて歩んでいる。気を抜けば一気に信頼を失い拒絶されてしまうかもしれない。
だが、ちやほやしすぎてもいけないというバランスが難しい。
キョウはとにかく光平から離れるのを嫌がった、というより怖がった。
あの恐ろしいイルミスの鞭を体を張って守ってくれた光平を、父のように守ってくれる存在と認識しているのだろう。
実際には他の子の訓練で離れる場合、キョウは言うことを聞き我侭を言うことはなかった。
フィーネに髪を三つ編みにしてもらったり、逆に三つ編みにしてあげたりと女の子らしいやりとりを楽しみ、彼女にも甘えるようになってきたのは良いことだ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる