やがて恋に変わるもの。

玉菜

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7: Heat ※ 〜知らない熱〜

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 ***

「極力、早めになんとかする」
「そうですね、とりあえず」
「わっ、な、何を!」

 ベッドに腰掛けた彼にのしかかり、ベルトを外す。既にパンパンに膨れたそこはズボンさえも脱ぎにくそうだ。

「だって先生、手が震えてます。苦しいですよね?」
「は、仕方ない、だろ」
「だから、お手伝いです」
「なんでそんなに、積極的なんだ……」

 そのまま前を寛げると、濡れた下着の下に熱いものが潜んでいる。その下着もズボンと一緒にずるっと下げると、それがブルン、と現れた。初めて見る形で、とても……固そう?

「……なるほど。面白い、か?」
「え」
「研究対象でも、見るような目線だ」
「あ、ええと……初めて見るので。すみません」
「そうか……いい、謝るな。それより」

 はぁ、と色っぽい息が吐かれる。

「触ってくれるか」
「はい。失礼します……どうすれば?」

 指示に従いそれをそっと握ると、その上から彼の震える手が添えられ……そのまま、扱き始めた。

「う、ん……っ」

 媚薬のせいか、すでにヴィクトル様からは色っぽい吐息が漏れに漏れている。それを扱きながら吐息を聞いていると、不思議にドキドキしてくる。自分も興奮、している?

「気持ちいい、ですか?」
「とても……いい、そのまま」
「はい。……先生?」
「ああ……パウラ。名前で、読んで」

 目線を上げると、めちゃくちゃ色っぽい先生の表情を見てしまった。

「……ヴィクトル、さま」
「うん……ああ、忘れてた。これを」

 ベッドのサイドボードの引き出しから、小さな包みを取り出す。

「避妊具だ。これを使うと始末がしやすい」
「な、なんでこんなものが仮眠室に?!」

 その避妊具の話は聞いたことがある。男性器に被せて使うもので、近年開発されたものだとか。

「理由は、また後で……しかし君は、閨教育をしてないのに、これを知ってる、のか?」
「えーとあの、お茶会などで……」
「はぁ。お嬢様方も中々に……。」

 そう言いながら、口でその封を切る。その様子がなんとも……色っぽくて。それを見た自分の中にも、熱があるのを知る。
 普段とてもストイックな白衣姿しか見ていないからか、今のヴィクトル様の赤くなった顔も、そんな仕草も……知らない顔ばかりだ。

「ちょっと手を避けて。こうして、被せて使う」
「やってみていいですか?」
「……ん。頼む」

 まだヴィクトル様は手が震えている。指示通りにくるくると根本まで装着すると、もう一度握り込んだ。

「感触が変わりました」
「感想より……、はぁ、もう少し、強めに」

 きゅうとそれを握って扱いていくと、彼の息が上がる。形と力の入れ具合の様子を考えながらしていると、それはむくっと大きくなったように感じた。と。

「あ、パウラ……出る、……んっ」

 その瞬間、昂りがビクビクッと蠢いて避妊具の先に白い液体がごぽっと溢れた。

「!でましたね。……どう、ですか?」
「は……うん……。あーくそ、あの媚薬……効果ありすぎだな」
「えっ、ダメですか?」
「ちょっと楽な気はするが……萎えない」

 手の中のものは、白濁を吐き出したにも関わらず……あっという間にその硬さを取り戻している。

「本当なら、精を吐き出せばこれは硬さを失う」
「はい」
「しかし今は媚薬の効果で、一度出すくらいでは、治らない……ようだ」
「えと……もう一回、します?」

 ヴィクトル様はまだ震える手で避妊具を処理している。なるほど避妊具があると片付けが便利なのね……とおかしなところで感心してしまう。

「……すまない、頼めるか。」

 そう言いながらもう一つ避妊具を手渡される。はい、と受け取ったものの、封が硬い。

「せ……ヴィクトル様、開けてください」
「ああ、うん……」

 また歯を使ってピッと封を切るところを見ている。なんだかこの気怠げな先生の仕草、気になる。ちょっと、ドキドキする。

「何を見ている?」
「あの……ヴィクトル様、綺麗だなって」

 思ったことをそのまま伝えたら、ボッと赤さが増してしまった。

「君は……はぁ。いや、いい。もう一回頼む」
「はい。こうかな……よし。」
「……流石に、覚えがいいな」

 もう装着は覚えました!勉強熱心で良かった……かな?そしてまた、手を添える。結局このまま、この後3回抜いた。
 ……そういえば魔道士って騎士並みに絶倫、なんでしたっけ……?

 ***

「そうだな、魔力が高い男性はその傾向があるかもしれない。それもあって、疲労時の自慰のために仮眠室にはこれが置かれている。」
「なるほど……それで先生も」

 そこで胡乱な視線を向けられる。

「また『先生』か」
「えっ、そっちですか?」

 媚薬の効果が薄らいでも、まだほんのりと頬が赤い。

「研究棟には他にも先生と呼ばれる教授などがいる。それに、先程……」
「はい?」
「その、私は……君のことを慕わしいと……」

 あっ、告白し合いましたね!

「ですね……?えと、では……」
「2人の時は、敬称もいらない」
「えっ、でも」
「いらない。呼んで?パウラ」

 手が頬に添えられ、声が甘く擽る。首を少しだけ傾げて、求めるような瞳も熱い。

「……ヴィクトル」
「うん」

 その笑顔は今まで一度として見たことはなくて。……さっきまで忘れていた自分の熱が戻ってきてしまう。

「ちょっとだけ、抱っこしていいか?」

 抱っこ、て!かわいい!どうぞ!

「ありがとう。はあ……いい匂いだ」
「あっ、私……汗かいてるのに」
「それは私も一緒だ」

 ドタバタしたのと、さっきのお手伝いで結構、汗をかいていたのを忘れてました!

「君の香りがする」

 くん、と首筋に鼻を近づけて……耳の裏をぺろりと舐められた。

「ひゃっ」
「……ダメだな、これは。熱が復活してしまいそうだ。そろそろ部屋の薬も粗方飛んだろうし、片付けは私が明日早く来てする。……帰ろう。」
「あ、……はい」

 ほんのり、残念な気持ちになったのは隠しておく。
 ヴィクトル様はベッドから起き上がり、脱いでいたものをさっと履いた。もう、少し大きくなっていたように思うけど、本当に大丈夫なのかしら?

 それから2人ともハンカチで鼻と口を覆い、急いで部屋を出た。幸い薬の効果はもう無さそうだったけど、まだ少しだけ甘ったるい香りがした、気がした。

 ***
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