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015_帰郷
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015_帰郷
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チュンチュン。小鳥が囀る声で目を覚ました。
昨夜は雨が激しく降ったから、エンビーとカミラの家に泊まらせてもらえて助かった。ただ―――。
「………」
左を向けばエンビー、右を向けばカミラ。
2人は全裸で寝ている。目のやり場に困る。
昨夜は激しかった。マジでヤバいぞ、この2人。
「幼いとは言え俺も男だ。しっかり脳裏に焼きつけておこう」
エンビーは肉欲溢れた体つきをしている。
豊満で、たわわで、埋まりたいという欲望を掻き立てる。
カミラはスリムなモデルのような体形をしている。
背が高く、スラッとした体形だ。
この2人、滅茶苦茶酒乱だった。
おかげで、夜遅くまで飲んで騒いで大変な目に合った。
一軒家を借りているため苦情はなかったが、アパートなら苦情ものの騒ぎだったぞ。
最後には全裸になって、どっちが痩せているだとか、エンビーの胸が大きいとか、カミラのお尻が引き締まっているとか言い合った。
俺としては巨乳もちっぱいも大好きだ。女性の胸というのは大きさじゃないと思う。
お尻だって歩くたびに揺れるのもいいし、引き締まっていてもいい。
俺って、節操ないのかな?
とにかくだ、そういったことを俺に聞いてくるんだ。
まだ10歳の俺に、何を聞くんだと思いながら2人の裸をしっかり見させてもらった。
若い女性の全裸、しかも2人とも美人。
野性味溢れるカミラと、母性溢れるエンビー。俺は2人の寝姿を目に焼きつける。
「さて、そろそろ行くか」
朝一で列車が出るから、そそくさと着替える。
高級ホテルのスイートルームに泊まれるくらいのお金と、お酒はほどほどにと書置きを残して家を出る。
玄関ドアの前ではサンダースとニドが背中合わせで寝込んでいた。昨晩はハッスルしすぎてここで力尽きたようだ。
「夜半に雨は上がったが、こんなところで寝ていると風邪を引くぞ」
「うーん……もうだめ、許して、ああぁぁぁ……」
サンダースは意外とだらしないようだ。
「うへへへ。これがいいのか? ぐへへへ」
欲望丸出しの寝顔をするのはニド。4人の中で一番大人しそうなんだが、ムッツリのようだ。
2階のエンビーとカミラの部屋に向かって手を合わせる。
「良いものを拝見させてもらった。ありがとう」
踵を返して駅へ向かう。
朝早いというのに、駅は多くの人で混雑していた。皆はこんなに朝早くからどこへいくんだろうか?
それはさておき、家に電信するか。電信ボックスに入って、お金をチャージする。
受話器を取って12桁の番号をプッシュ。
「あ、俺。スピナーだけど、今ゴーザの駅。今日の夕方にはセントラルに到着すると思うから、パパにそう言っておいてくれ。ああ、よろしくな」
執事が出たからパパに伝言を頼んだ。
「さて、今回は駅弁を買い忘れないぞ」
込み合うプラットホームの中を売店に向かう。
「お姉さん。フォレストクラブ丼を1つと、ミント茶を1つね」
「はーい」
駅弁を買って、背嚢に入れる。これで準備良し。
・
・
・
高速列車にまる1日。特等車は個室でベッドもあるから快適な旅だ。
セントラルステーションに到着した列車から降り、凝り固まった体を伸ばす。
「うーん、久しぶりのセントラルの匂いだ」
ゴーザやグレディス大森林に比べると、空気は悪い。それでも俺の生まれ育った場所の匂いだ。
プラットホームを歩いていると、前方に知った顔があった。
こんなところで知り合いに出会うとは思わなかった。
立ち止まってその人物を観察していると、向こうも俺のことに気づいたようだ。
「うーん、どうするか?」
考えていると、後ろから誰かがぶつかってきた。
「ギャッ」
俺は倒れることなくその場に立ったままだが、ぶつかってきた奴は尻餅をついた。
身長135センチ、体重36キロの俺は、50キロ以上ある背嚢を背負っている。
90キロ近い重量の俺にぶつかってきた奴は、細身の30代の男だった。
「こ、小僧! よくもやってくれたな」
「はぁ?」
いやいやいや、ぶつかってきたのはあんたなんだけど。
「ご当主様。お怪我はありませんか」
俺にぶつかってきたのは、貴族のようだ。服についている貴族バッチは子爵だ。
貴族バッチは貴族位ごとにデザインが違う。騎士は盾、男爵は剣、子爵は槍、伯爵はウマ、侯爵はトラ、公爵はワシ、王族はドラゴンだから、従者に手を借りて立ち上がった奴のバッチは槍だった。
「おい小僧。ガールデン子爵様に無礼を働くとはいい度胸だ!」
従者が息巻いている。
「ぶつかってきたのはそっちだぞ。言いがかりなら、他でやってくれ」
「なんだと! 下手に出ていればつけ上がりおってからに!」
従者が剣を抜いて、俺の鼻先に剣を向けた。
「無礼討ちにしてくるわっ!」
従者が剣を抜いたから、周囲で悲鳴が聞こえた。これ、どう収拾をつけるつもりなんだろうか。
まさか、本気で俺を殺そうと言うのか? いくらなんでも無理があるぞ。
「何をしているのですか!」
プラットホームに凛とした声が響く。
これ、どうなるんだろうか?
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チュンチュン。小鳥が囀る声で目を覚ました。
昨夜は雨が激しく降ったから、エンビーとカミラの家に泊まらせてもらえて助かった。ただ―――。
「………」
左を向けばエンビー、右を向けばカミラ。
2人は全裸で寝ている。目のやり場に困る。
昨夜は激しかった。マジでヤバいぞ、この2人。
「幼いとは言え俺も男だ。しっかり脳裏に焼きつけておこう」
エンビーは肉欲溢れた体つきをしている。
豊満で、たわわで、埋まりたいという欲望を掻き立てる。
カミラはスリムなモデルのような体形をしている。
背が高く、スラッとした体形だ。
この2人、滅茶苦茶酒乱だった。
おかげで、夜遅くまで飲んで騒いで大変な目に合った。
一軒家を借りているため苦情はなかったが、アパートなら苦情ものの騒ぎだったぞ。
最後には全裸になって、どっちが痩せているだとか、エンビーの胸が大きいとか、カミラのお尻が引き締まっているとか言い合った。
俺としては巨乳もちっぱいも大好きだ。女性の胸というのは大きさじゃないと思う。
お尻だって歩くたびに揺れるのもいいし、引き締まっていてもいい。
俺って、節操ないのかな?
とにかくだ、そういったことを俺に聞いてくるんだ。
まだ10歳の俺に、何を聞くんだと思いながら2人の裸をしっかり見させてもらった。
若い女性の全裸、しかも2人とも美人。
野性味溢れるカミラと、母性溢れるエンビー。俺は2人の寝姿を目に焼きつける。
「さて、そろそろ行くか」
朝一で列車が出るから、そそくさと着替える。
高級ホテルのスイートルームに泊まれるくらいのお金と、お酒はほどほどにと書置きを残して家を出る。
玄関ドアの前ではサンダースとニドが背中合わせで寝込んでいた。昨晩はハッスルしすぎてここで力尽きたようだ。
「夜半に雨は上がったが、こんなところで寝ていると風邪を引くぞ」
「うーん……もうだめ、許して、ああぁぁぁ……」
サンダースは意外とだらしないようだ。
「うへへへ。これがいいのか? ぐへへへ」
欲望丸出しの寝顔をするのはニド。4人の中で一番大人しそうなんだが、ムッツリのようだ。
2階のエンビーとカミラの部屋に向かって手を合わせる。
「良いものを拝見させてもらった。ありがとう」
踵を返して駅へ向かう。
朝早いというのに、駅は多くの人で混雑していた。皆はこんなに朝早くからどこへいくんだろうか?
それはさておき、家に電信するか。電信ボックスに入って、お金をチャージする。
受話器を取って12桁の番号をプッシュ。
「あ、俺。スピナーだけど、今ゴーザの駅。今日の夕方にはセントラルに到着すると思うから、パパにそう言っておいてくれ。ああ、よろしくな」
執事が出たからパパに伝言を頼んだ。
「さて、今回は駅弁を買い忘れないぞ」
込み合うプラットホームの中を売店に向かう。
「お姉さん。フォレストクラブ丼を1つと、ミント茶を1つね」
「はーい」
駅弁を買って、背嚢に入れる。これで準備良し。
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高速列車にまる1日。特等車は個室でベッドもあるから快適な旅だ。
セントラルステーションに到着した列車から降り、凝り固まった体を伸ばす。
「うーん、久しぶりのセントラルの匂いだ」
ゴーザやグレディス大森林に比べると、空気は悪い。それでも俺の生まれ育った場所の匂いだ。
プラットホームを歩いていると、前方に知った顔があった。
こんなところで知り合いに出会うとは思わなかった。
立ち止まってその人物を観察していると、向こうも俺のことに気づいたようだ。
「うーん、どうするか?」
考えていると、後ろから誰かがぶつかってきた。
「ギャッ」
俺は倒れることなくその場に立ったままだが、ぶつかってきた奴は尻餅をついた。
身長135センチ、体重36キロの俺は、50キロ以上ある背嚢を背負っている。
90キロ近い重量の俺にぶつかってきた奴は、細身の30代の男だった。
「こ、小僧! よくもやってくれたな」
「はぁ?」
いやいやいや、ぶつかってきたのはあんたなんだけど。
「ご当主様。お怪我はありませんか」
俺にぶつかってきたのは、貴族のようだ。服についている貴族バッチは子爵だ。
貴族バッチは貴族位ごとにデザインが違う。騎士は盾、男爵は剣、子爵は槍、伯爵はウマ、侯爵はトラ、公爵はワシ、王族はドラゴンだから、従者に手を借りて立ち上がった奴のバッチは槍だった。
「おい小僧。ガールデン子爵様に無礼を働くとはいい度胸だ!」
従者が息巻いている。
「ぶつかってきたのはそっちだぞ。言いがかりなら、他でやってくれ」
「なんだと! 下手に出ていればつけ上がりおってからに!」
従者が剣を抜いて、俺の鼻先に剣を向けた。
「無礼討ちにしてくるわっ!」
従者が剣を抜いたから、周囲で悲鳴が聞こえた。これ、どう収拾をつけるつもりなんだろうか。
まさか、本気で俺を殺そうと言うのか? いくらなんでも無理があるぞ。
「何をしているのですか!」
プラットホームに凛とした声が響く。
これ、どうなるんだろうか?
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