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小さなSOS
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Side:尚也
夕食後の洗いもんをしてたら、ダイニングテーブルに置きっぱなしのスマホが某落語バラエティー番組のテーマソングを流しだす。
可愛いおバカが俺のスマホをつついて勝手に自分の着信音に設定したんだけど、あまりにも馬鹿げてて笑えるから結局そのまんまにしてある。
「はいはい、お待ち下さいね…っと……」
手をふきふきスマホを取り上げる俺の顔は、ちょっと知り合いには見せたくないくらいにはやに下がる。
いいだろ別に。誰も見てないし。
「もしもし?」
スマホを耳に当てれば、『もしもし』って期待通り、年若い恋人の声。
もしもしって言ったくせにそれ以上は何も言わないでいる瑞希の後ろには、まだ外らしき街の雑音が切れ切れに聞こえてくる。
「ちょっと~?聞こえないんだけど~?山奥~?」
俺が様子を探るためにそう言うと『尚くん……会いたいな』って呟くように返してきた瑞希はそれきりまた黙ってる。
「お前まだ帰ってないの?今日予備校ない日でしょ?」
「うん、ちょっとね。ね、だめ?」
「平日は会わない約束でしょ」
俺がそう言うと、ケチ~!って笑って言ってさ。
「じゃあ、帰るね。家に着いたらまた電話するね!」
明るいその声に……俺が騙されると思ってる?
「今どこなの」
俺が聞いても、返事はなくて。
「時間の無駄だから早く言いなさいよ。ロータリー?」
スマホを耳と肩で挟んで上着を羽織りながら財布の入った鞄と車のキーを掴んで玄関に向かうと、ためらった末に小さい声でウン、という返事が聞こえた。
やっぱりね。
「いつもの場所にいて。分かった?」
「うん……尚くん、忙しいのにごめんね」
「ちゃっかりロータリーにいるくせに殊勝なこと言わないの。じゃあね」
俺は通話を終えたスマホを鞄にしまって玄関を出ると、鍵をかけてエレベーターに急いだ。
ああ見えて、我が儘を言わない。我が儘風に見せることはあっても。相手がそれを受け入れることができるって確信できる時だけ、許される範囲で甘えてみせる。そんな、我が儘「風」。
だから俺の方が察知してやらなけりゃね。あいつの小さいSOSを。
駅のロータリーに入って行くと、いつもの場所で俺の車を見つけた瑞希が嬉しそうに笑って手を振ってる。
口元が笑いそうになるのを堪えるのは……まぁ、年上としてあんまデレデレしたくないっていう、つまりは見栄だよ、見栄。
「ごめんね、尚くん……でも、会えて嬉しい」
瑞希は助手席のドアを開けて、座る前に体をかがめて俺の目を見て笑った。さあて……何があったんだか。こっちはいつでも聞いてやるつもりだけど、こいつ意外に頑固なのよ。どんだけ促しても言わないって決めたことは絶対言わないからね。
「うちには帰らないよ。お前んち送ってくから」
「え……でも、時間が……」
「今からうち来て、それから電車で帰ったら何時になると思ってんの。車で送ってったらその間話も出来るでしょ。お前腹は?家まで持ちそう?」
「うん。貰い物のシフォンケーキあるから。これ食べとく」
助手席に座ってシートベルトをした雅紀が、手に持っていたビニール袋からキッチンペーパーに包まれたものを出した。
車を発進させると、隣から手が伸びてきて俺の口にふわふわしたもんを押し当ててくる。途端に鼻腔に広がる紅茶のいい香り。
「ね、ちょっと食べてみて!すっごい美味しいから!最近人に教えてもらったカフェでねえ、おしゃれだし、コーヒーもケーキも最高だし。オーナーさんがびっくりするくらい綺麗なひとでね、優しいの。今度尚くんと一緒に行きたいなあ」
口を開けて押し付けられたケーキを咀嚼すると、ふわっとした当たりからもちもちした食感に変わって程よい甘さが口の中に広がった。
「ん~……確かに旨いね」
「でしょ!」
「今日はそのカフェに行ってたんだ。こんな時間まで」
途端に口を噤んだ瑞希は、喋れないのは食べてるせい、とでも言いたいみたいに大きめの塊を口に放り込んだ。
平日、こんな時間までカフェで過ごすなんて、なんか特別な理由が無きゃおかしい。多分そこで誰かと会ってたわけでしょ。んで、その誰かに何か言われたのか……とにかくそこであったことが原因で今こんな状態ってことだよね。
けど何があったかは、言いたくない、と。
俺は無理には聞き出さず、瑞希の喋るのに合わせて相槌を打ちながらこいつの出方を伺ってた。
最悪……言わなくてもいいのよ。コイツの気持ちが落ち着けば、それで。
高速に乗って、5分くらいは沈黙が続いたのかな。もしかしたら寝たのかなと思ってチラリと横を見たら、瑞希は物憂げな顔で目線をダッシュボードの辺に落としてて。
俺は左手を伸ばして、その滑らかな頬をそっと摘まんだ。
瑞希は何も言わずされるがままになってて、こいつの胸を占めた感情が内容は分からないまま俺の方にも流れてくる。
やーれやれ。もうひと押ししてあげるかな。
俺は左手の柔らかな触り心地から離れてハンドルを握り、追い越し車線に入ってスピードを上げた。
しばらくして見えてきたサービスエリアの表示にウインカーを出して、緩やかにスピードを落としながら普通車用駐車スペースへと入って行く。
そして店や外灯の光を受けて明るい最前列からはぐっと離れた後方、周りには車の止まってない薄暗いひと区画に静かに車を停めた。
エンジンを切れば、シンと静まった車内の空気がぐっと濃密になる。
シートにもたれ掛かったまま顔だけ瑞希に向けると、どうしてこんな所に停まったんだろうって顔をした瑞希が俺の方を見てた。
「言う気になんない?」
何を、とは瑞希も聞き返して来ない。
「俺に何して欲しいの?」
瑞希は遠い店の光を弾く黒い瞳で俺を見つめて、物言いたげに薄く唇を開いた。
それだけで……伝わる。
シートベルトを外して一息に瑞希の方へ向き直り、レバーを引いてシートを倒して、伸し掛かりながら求めてるその唇にゆっくりと唇を押し当てた。
甘く……優しく吸って、滑らかなそこをそっと愛撫すると、背中に回された手がいつもより強く俺を引き寄せてくる。愛しくて、シートと体の隙間に手を差し込んで強く抱きかえした。
「……っとに意地っ張りなんだから」
唇を離せば、見上げてくる切なげな瞳。
「尚くん……俺早く大人になりたい……」
「なんでよ……別に急がなくったっていいでしょ」
「尚くんと同じになりたいの……そしたら尚くんだって悩まなくてすむでしょ……」
「俺、なんも悩んでないけど?」
「嘘。俺が子どもだからいろいろ我慢してるじゃん!」
それはまぁ、いわゆる男の生理現象という奴のことだよね。
「お前……そこ突っ込む?こっちの気も知らないでさ……」
コイツの可愛いうっぷん晴らしを受け止めながらもう一度唇を塞いで目を閉じる。我慢は辛いよ、そりゃね。でもそれ以上にお前が大事なんだよ。この泣き虫め。
離れがたい柔らかい唇。時折漏れる瑞希の上擦った声が、俺の股間を熱くする。イテテ……あ~……暗くて良かったよね。
しょうがないだろ?フツーよフツー!俺だって健康な20代男子なんだからね!見なさいよこの鋼の自制心。愛のなせる業でしょ!
腕の中にあるこの細身の体がまとった制服……柔らかい防護壁のようなコレをはぎ取って、素肌に触れたい。卒業まであと、4か月……
「さ……じゃあ、もうひとっ走りしますかね」
ゆっくりと体を離そうとしたら、
「なおくん……」
ぐっと俺の背を捕まえて、濡れた唇でちょっと追いかけて名残惜しそうに見つめてくる。だからお前ね……どんっだけ我慢してると思ってんだよ!いっちょ前に色っぽい顔しやがって……
俺は官能的な空気をかき消すように、瑞希の鼻をぎゅっと摘まんだ。
「痛い!もー尚くん、ひどい!」
「どっちがひどいんだっつーの。ほら、シート起こして。出るよ」
「ちょーいい雰囲気だったのにぃ……」
瑞希はブツブツ言いながらシートを起こしてもぞもぞと座りなおした。これ以上いい雰囲気になったらヤバいだろっての。
瑞希のどこが子どもって……こーゆー無防備さ以外ないでしょ。俺に任せてたら大丈夫って預けちゃってるこの感じ。
それでいて未完成な体からは危うげな色気を漂わせてさ。なんの拷問?
「尚くん」
シートベルトを締めてエンジンをかけた俺を、瑞希が呼んだ。そっちを向いたら、「だいすき」って照れたみたいにエヘヘって……
あー…………だから、なんの拷問?
クソ可愛いだろうがこの野郎……
「はいはい。じゃあしゅっぱ~つ」
「えー!俺もだよ、とかないのー!?」
「ないの。本日は完売いたしました」
「ケチ!ケチー!!」
文句言うのも、拗ねんのも……それこそ「カワイイ」って言葉が完売しそうで参るね。俺は笑いそうな口元をむずむずさせながら、誤魔化すようにアクセルを強く踏み込んだ。
「そうそう。そろそろ誕生日プレゼントリサーチしときたいんだけど。なんか欲しいもんある?」
「うん!でもねー、今はまだナイショ!」
「なにそれ。ちゃんと用意できるか分かんないんだから、決まってんなら言いなさいよ」
「大丈夫!ぜえったい、用意できるから!」
何か企んでる顔に若干嫌な予感がしないでもないけど……ま、それも可愛いからいっか。
夕食後の洗いもんをしてたら、ダイニングテーブルに置きっぱなしのスマホが某落語バラエティー番組のテーマソングを流しだす。
可愛いおバカが俺のスマホをつついて勝手に自分の着信音に設定したんだけど、あまりにも馬鹿げてて笑えるから結局そのまんまにしてある。
「はいはい、お待ち下さいね…っと……」
手をふきふきスマホを取り上げる俺の顔は、ちょっと知り合いには見せたくないくらいにはやに下がる。
いいだろ別に。誰も見てないし。
「もしもし?」
スマホを耳に当てれば、『もしもし』って期待通り、年若い恋人の声。
もしもしって言ったくせにそれ以上は何も言わないでいる瑞希の後ろには、まだ外らしき街の雑音が切れ切れに聞こえてくる。
「ちょっと~?聞こえないんだけど~?山奥~?」
俺が様子を探るためにそう言うと『尚くん……会いたいな』って呟くように返してきた瑞希はそれきりまた黙ってる。
「お前まだ帰ってないの?今日予備校ない日でしょ?」
「うん、ちょっとね。ね、だめ?」
「平日は会わない約束でしょ」
俺がそう言うと、ケチ~!って笑って言ってさ。
「じゃあ、帰るね。家に着いたらまた電話するね!」
明るいその声に……俺が騙されると思ってる?
「今どこなの」
俺が聞いても、返事はなくて。
「時間の無駄だから早く言いなさいよ。ロータリー?」
スマホを耳と肩で挟んで上着を羽織りながら財布の入った鞄と車のキーを掴んで玄関に向かうと、ためらった末に小さい声でウン、という返事が聞こえた。
やっぱりね。
「いつもの場所にいて。分かった?」
「うん……尚くん、忙しいのにごめんね」
「ちゃっかりロータリーにいるくせに殊勝なこと言わないの。じゃあね」
俺は通話を終えたスマホを鞄にしまって玄関を出ると、鍵をかけてエレベーターに急いだ。
ああ見えて、我が儘を言わない。我が儘風に見せることはあっても。相手がそれを受け入れることができるって確信できる時だけ、許される範囲で甘えてみせる。そんな、我が儘「風」。
だから俺の方が察知してやらなけりゃね。あいつの小さいSOSを。
駅のロータリーに入って行くと、いつもの場所で俺の車を見つけた瑞希が嬉しそうに笑って手を振ってる。
口元が笑いそうになるのを堪えるのは……まぁ、年上としてあんまデレデレしたくないっていう、つまりは見栄だよ、見栄。
「ごめんね、尚くん……でも、会えて嬉しい」
瑞希は助手席のドアを開けて、座る前に体をかがめて俺の目を見て笑った。さあて……何があったんだか。こっちはいつでも聞いてやるつもりだけど、こいつ意外に頑固なのよ。どんだけ促しても言わないって決めたことは絶対言わないからね。
「うちには帰らないよ。お前んち送ってくから」
「え……でも、時間が……」
「今からうち来て、それから電車で帰ったら何時になると思ってんの。車で送ってったらその間話も出来るでしょ。お前腹は?家まで持ちそう?」
「うん。貰い物のシフォンケーキあるから。これ食べとく」
助手席に座ってシートベルトをした雅紀が、手に持っていたビニール袋からキッチンペーパーに包まれたものを出した。
車を発進させると、隣から手が伸びてきて俺の口にふわふわしたもんを押し当ててくる。途端に鼻腔に広がる紅茶のいい香り。
「ね、ちょっと食べてみて!すっごい美味しいから!最近人に教えてもらったカフェでねえ、おしゃれだし、コーヒーもケーキも最高だし。オーナーさんがびっくりするくらい綺麗なひとでね、優しいの。今度尚くんと一緒に行きたいなあ」
口を開けて押し付けられたケーキを咀嚼すると、ふわっとした当たりからもちもちした食感に変わって程よい甘さが口の中に広がった。
「ん~……確かに旨いね」
「でしょ!」
「今日はそのカフェに行ってたんだ。こんな時間まで」
途端に口を噤んだ瑞希は、喋れないのは食べてるせい、とでも言いたいみたいに大きめの塊を口に放り込んだ。
平日、こんな時間までカフェで過ごすなんて、なんか特別な理由が無きゃおかしい。多分そこで誰かと会ってたわけでしょ。んで、その誰かに何か言われたのか……とにかくそこであったことが原因で今こんな状態ってことだよね。
けど何があったかは、言いたくない、と。
俺は無理には聞き出さず、瑞希の喋るのに合わせて相槌を打ちながらこいつの出方を伺ってた。
最悪……言わなくてもいいのよ。コイツの気持ちが落ち着けば、それで。
高速に乗って、5分くらいは沈黙が続いたのかな。もしかしたら寝たのかなと思ってチラリと横を見たら、瑞希は物憂げな顔で目線をダッシュボードの辺に落としてて。
俺は左手を伸ばして、その滑らかな頬をそっと摘まんだ。
瑞希は何も言わずされるがままになってて、こいつの胸を占めた感情が内容は分からないまま俺の方にも流れてくる。
やーれやれ。もうひと押ししてあげるかな。
俺は左手の柔らかな触り心地から離れてハンドルを握り、追い越し車線に入ってスピードを上げた。
しばらくして見えてきたサービスエリアの表示にウインカーを出して、緩やかにスピードを落としながら普通車用駐車スペースへと入って行く。
そして店や外灯の光を受けて明るい最前列からはぐっと離れた後方、周りには車の止まってない薄暗いひと区画に静かに車を停めた。
エンジンを切れば、シンと静まった車内の空気がぐっと濃密になる。
シートにもたれ掛かったまま顔だけ瑞希に向けると、どうしてこんな所に停まったんだろうって顔をした瑞希が俺の方を見てた。
「言う気になんない?」
何を、とは瑞希も聞き返して来ない。
「俺に何して欲しいの?」
瑞希は遠い店の光を弾く黒い瞳で俺を見つめて、物言いたげに薄く唇を開いた。
それだけで……伝わる。
シートベルトを外して一息に瑞希の方へ向き直り、レバーを引いてシートを倒して、伸し掛かりながら求めてるその唇にゆっくりと唇を押し当てた。
甘く……優しく吸って、滑らかなそこをそっと愛撫すると、背中に回された手がいつもより強く俺を引き寄せてくる。愛しくて、シートと体の隙間に手を差し込んで強く抱きかえした。
「……っとに意地っ張りなんだから」
唇を離せば、見上げてくる切なげな瞳。
「尚くん……俺早く大人になりたい……」
「なんでよ……別に急がなくったっていいでしょ」
「尚くんと同じになりたいの……そしたら尚くんだって悩まなくてすむでしょ……」
「俺、なんも悩んでないけど?」
「嘘。俺が子どもだからいろいろ我慢してるじゃん!」
それはまぁ、いわゆる男の生理現象という奴のことだよね。
「お前……そこ突っ込む?こっちの気も知らないでさ……」
コイツの可愛いうっぷん晴らしを受け止めながらもう一度唇を塞いで目を閉じる。我慢は辛いよ、そりゃね。でもそれ以上にお前が大事なんだよ。この泣き虫め。
離れがたい柔らかい唇。時折漏れる瑞希の上擦った声が、俺の股間を熱くする。イテテ……あ~……暗くて良かったよね。
しょうがないだろ?フツーよフツー!俺だって健康な20代男子なんだからね!見なさいよこの鋼の自制心。愛のなせる業でしょ!
腕の中にあるこの細身の体がまとった制服……柔らかい防護壁のようなコレをはぎ取って、素肌に触れたい。卒業まであと、4か月……
「さ……じゃあ、もうひとっ走りしますかね」
ゆっくりと体を離そうとしたら、
「なおくん……」
ぐっと俺の背を捕まえて、濡れた唇でちょっと追いかけて名残惜しそうに見つめてくる。だからお前ね……どんっだけ我慢してると思ってんだよ!いっちょ前に色っぽい顔しやがって……
俺は官能的な空気をかき消すように、瑞希の鼻をぎゅっと摘まんだ。
「痛い!もー尚くん、ひどい!」
「どっちがひどいんだっつーの。ほら、シート起こして。出るよ」
「ちょーいい雰囲気だったのにぃ……」
瑞希はブツブツ言いながらシートを起こしてもぞもぞと座りなおした。これ以上いい雰囲気になったらヤバいだろっての。
瑞希のどこが子どもって……こーゆー無防備さ以外ないでしょ。俺に任せてたら大丈夫って預けちゃってるこの感じ。
それでいて未完成な体からは危うげな色気を漂わせてさ。なんの拷問?
「尚くん」
シートベルトを締めてエンジンをかけた俺を、瑞希が呼んだ。そっちを向いたら、「だいすき」って照れたみたいにエヘヘって……
あー…………だから、なんの拷問?
クソ可愛いだろうがこの野郎……
「はいはい。じゃあしゅっぱ~つ」
「えー!俺もだよ、とかないのー!?」
「ないの。本日は完売いたしました」
「ケチ!ケチー!!」
文句言うのも、拗ねんのも……それこそ「カワイイ」って言葉が完売しそうで参るね。俺は笑いそうな口元をむずむずさせながら、誤魔化すようにアクセルを強く踏み込んだ。
「そうそう。そろそろ誕生日プレゼントリサーチしときたいんだけど。なんか欲しいもんある?」
「うん!でもねー、今はまだナイショ!」
「なにそれ。ちゃんと用意できるか分かんないんだから、決まってんなら言いなさいよ」
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