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タビダチノヒニ
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「あーーーー。」
戴枝式から三時間後__。
帰る前は魔術を試そう!と息巻いていたのに、
この始末。
全然やる気が出ない。
おい、やる気よ、何処?
「しょうがない。寝よう。」
教会に飯をたかる元気もなく、
そのまま寝てしまった。
8:50。
「アレーン。起きろー。」
「____んん、え、何で居んの?」
鍵を閉めた筈だが?
「魔術でちょちょいとねー。」
「犯罪だし、
プライバシー侵害だから今後絶対やるなよ。」
「分かったよー。」
こいつ本当に分かってんのか……?
「と言うか、何故俺の家に?」
徐に枝を取り出して、俺の目の前に見せる。
「魔術の練習だよー。」
9:00。
「魔術の練習ねえ…」
着替えを済ませて、外に出る。
見える魔素を吸って……
「吸った後、どうするんだっけ。」
断片的にしか覚えてない。
「しっかりしてよー。
村の外には、魔獣がウヨウヨしてるんだよー?
そんな状態で出たら、瞬殺だよー。」
「まあ、うん、その通りです…」
見通しの甘さが恥ずかしい…
魔獣。
どれだけの数がいるかは分かっていない、
人類の敵。それ相応の実力がなければ瞬殺、
あっても殺されることは多々ある。
魔獣の討伐には、
例え小さい魔獣1匹であったとしても、
複数人での討伐が当たり前。
逃げるのも一苦労の相手に魔術もなしで…
本当に考え無しだった。
「魔素を吸った後、想像に真名を与えればいいんだよー。」
真名…名前か。
想像に相応する名前を与えれば、
魔素はそれに応えてくれる。
「何でもできるな…」
「人によって、一度に吸える魔素の量は違うけどねー。あと想像力。」
____。想像力、あるかな。
「取り敢えずやってみようよー。」
言われるがまま、枝を手に取り魔素を吸う。
肺が大きく膨れて、気持ちはさながら風船。
あまり深呼吸することも無いから、少し頭痛。
想像するのは水の球…
名前、そのままでいいか
「水球。」
枝先に徐々に膨れる水の球。
反比例して、体は徐々に萎んでいく。
「おお!成功したぞ____ってなにそれ?」
横を見ると動く土塊がルークを肩に乗せて歩いている。
「作ってみたー。」
そんな軽いノリで作れるものか。
水の球で喜んでいる俺はすぐに消えてしまった。
跡形も無く。
「やっぱり苦手かも。」
16:30。
結局____
「出来ないんかい。」
俺が生んだ土塊は、動くことは終ぞ無かった。
その後、飯を食いに教会へ。
「もう大人なんだから自炊しろ。」
シスターの言葉が痛い。
寝に入るのは中々早い。
「いつも以上に疲れたからか…ねっむ。」
4:30。
朝早くに目が覚めて夜と見間違えるも、
時計を見てこんな時間に起きた自分に
少しいら立つ。
「なんて微妙な時間…」
今日は、ルーク来るのか?
教会に朝飯食いに行くにしても早い。
久々に手伝いでも____。
「____。」
静かな夜だった。やっぱり夜なんだ。
4:30な訳が無かった。
5:00。
「大体持ったかな?」
身分証、換金出来そうなもの、着替え、etc…
ドアを捻って外に出る。
そこに他の動作は要らない。
5:10。
村から出る。
閑静な村、
五時なんだから、
少し生活音がしてても良いと思うが。
「アレーン。」
伸びた声が前からする。
外にはルークが立っていた。
「行くんだねー。」
「ああ、行ってくるよ。」
「シスターによろしく伝えといてくれ。」
「分かったよー。
帰ってきたら旅の報告、よろしくねー。」
「ああ、今まで五年とちょっと、
長く付き合ってくれてありがとう。」
「今生の別れみたいだねー。
…戻ってこいよ。」
__多分別れの挨拶はこうだろう。
「うん、戻ってくる。」
そう言って、村を後にした。
戴枝式から三時間後__。
帰る前は魔術を試そう!と息巻いていたのに、
この始末。
全然やる気が出ない。
おい、やる気よ、何処?
「しょうがない。寝よう。」
教会に飯をたかる元気もなく、
そのまま寝てしまった。
8:50。
「アレーン。起きろー。」
「____んん、え、何で居んの?」
鍵を閉めた筈だが?
「魔術でちょちょいとねー。」
「犯罪だし、
プライバシー侵害だから今後絶対やるなよ。」
「分かったよー。」
こいつ本当に分かってんのか……?
「と言うか、何故俺の家に?」
徐に枝を取り出して、俺の目の前に見せる。
「魔術の練習だよー。」
9:00。
「魔術の練習ねえ…」
着替えを済ませて、外に出る。
見える魔素を吸って……
「吸った後、どうするんだっけ。」
断片的にしか覚えてない。
「しっかりしてよー。
村の外には、魔獣がウヨウヨしてるんだよー?
そんな状態で出たら、瞬殺だよー。」
「まあ、うん、その通りです…」
見通しの甘さが恥ずかしい…
魔獣。
どれだけの数がいるかは分かっていない、
人類の敵。それ相応の実力がなければ瞬殺、
あっても殺されることは多々ある。
魔獣の討伐には、
例え小さい魔獣1匹であったとしても、
複数人での討伐が当たり前。
逃げるのも一苦労の相手に魔術もなしで…
本当に考え無しだった。
「魔素を吸った後、想像に真名を与えればいいんだよー。」
真名…名前か。
想像に相応する名前を与えれば、
魔素はそれに応えてくれる。
「何でもできるな…」
「人によって、一度に吸える魔素の量は違うけどねー。あと想像力。」
____。想像力、あるかな。
「取り敢えずやってみようよー。」
言われるがまま、枝を手に取り魔素を吸う。
肺が大きく膨れて、気持ちはさながら風船。
あまり深呼吸することも無いから、少し頭痛。
想像するのは水の球…
名前、そのままでいいか
「水球。」
枝先に徐々に膨れる水の球。
反比例して、体は徐々に萎んでいく。
「おお!成功したぞ____ってなにそれ?」
横を見ると動く土塊がルークを肩に乗せて歩いている。
「作ってみたー。」
そんな軽いノリで作れるものか。
水の球で喜んでいる俺はすぐに消えてしまった。
跡形も無く。
「やっぱり苦手かも。」
16:30。
結局____
「出来ないんかい。」
俺が生んだ土塊は、動くことは終ぞ無かった。
その後、飯を食いに教会へ。
「もう大人なんだから自炊しろ。」
シスターの言葉が痛い。
寝に入るのは中々早い。
「いつも以上に疲れたからか…ねっむ。」
4:30。
朝早くに目が覚めて夜と見間違えるも、
時計を見てこんな時間に起きた自分に
少しいら立つ。
「なんて微妙な時間…」
今日は、ルーク来るのか?
教会に朝飯食いに行くにしても早い。
久々に手伝いでも____。
「____。」
静かな夜だった。やっぱり夜なんだ。
4:30な訳が無かった。
5:00。
「大体持ったかな?」
身分証、換金出来そうなもの、着替え、etc…
ドアを捻って外に出る。
そこに他の動作は要らない。
5:10。
村から出る。
閑静な村、
五時なんだから、
少し生活音がしてても良いと思うが。
「アレーン。」
伸びた声が前からする。
外にはルークが立っていた。
「行くんだねー。」
「ああ、行ってくるよ。」
「シスターによろしく伝えといてくれ。」
「分かったよー。
帰ってきたら旅の報告、よろしくねー。」
「ああ、今まで五年とちょっと、
長く付き合ってくれてありがとう。」
「今生の別れみたいだねー。
…戻ってこいよ。」
__多分別れの挨拶はこうだろう。
「うん、戻ってくる。」
そう言って、村を後にした。
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