2 / 2
魅惑のローズと氷の心
愛しい母と醜い私
しおりを挟む
「いつもありがとうね、ローズ」
母はいつも謝る。薬を与える時も食事を与える時も、服を着替えさせる時も。母は、悪くないと言うのに………
「ローズ」
「どうしたの?お母さん。」
「貴女、お金は大丈夫なの?」
また、この話。大丈夫と言っても聞かない。お金で酷い目に会ってきた母だからこそ敏感になる。たとえ、自分の身体が病に侵されても。
「えぇ、心配しないで。それに現に家賃だってご飯だって、薬代だって払えているじゃない。」
「そうだけど………」
「そんなに落ち込まないで、心配事があると気分が悪くなるでしょ?」
私は言い訳をしながら、母を宥める。
本当は聞きたくない、そんな事。けれど母は心配してくれているのだ。だから、強くなんて言えない。
「お母さん、もう仕事に行かなきゃ。具合が悪くなったらすぐにマイケル先生に言うのよ?」
「ごめんね、ローズ」
「ううん、じゃあ行ってくるわ」
昨日はマイケルの元で寝た。だから大丈夫だ。と心の中で安堵する。たとえ偽りの安堵だと知っていても。
─────
唇に赤い紅を塗って、瞳の上にアイライナーを書き、瞼にアイシャドウをつけて、華麗なドレスを身にまとい、最後に赤いヒールを身につけて、さぁ私の完成。歌い手のローズの完成。
外に出れば男達を魅了する私、女達は悪魔に魂を売った魔女だと罵るけれど、私は努力でのしあがった。
多少の怖さはスパイス、ちょっとした才能に努力と言う名の材料を、いや隠し味とでも言うのかしら。それを足して今の私が存在する。
多少高いお金を払ってもその倍で返ってくるのなら私はかなわない。
私は最後に手帳に文字を綴る、誰にも見られることのない様に、カギを掛けて。
「ローズ、時間だ。上がってきてくれ。」
バーバリー・ロンスのマスター、シェロン・バーバリーが声をかける。
「えぇ、分かったわ。今行くわ」
そして私はまた、舞台と言う名の場所で今宵、蝶の様に、花の様に今、舞い散る。
母はいつも謝る。薬を与える時も食事を与える時も、服を着替えさせる時も。母は、悪くないと言うのに………
「ローズ」
「どうしたの?お母さん。」
「貴女、お金は大丈夫なの?」
また、この話。大丈夫と言っても聞かない。お金で酷い目に会ってきた母だからこそ敏感になる。たとえ、自分の身体が病に侵されても。
「えぇ、心配しないで。それに現に家賃だってご飯だって、薬代だって払えているじゃない。」
「そうだけど………」
「そんなに落ち込まないで、心配事があると気分が悪くなるでしょ?」
私は言い訳をしながら、母を宥める。
本当は聞きたくない、そんな事。けれど母は心配してくれているのだ。だから、強くなんて言えない。
「お母さん、もう仕事に行かなきゃ。具合が悪くなったらすぐにマイケル先生に言うのよ?」
「ごめんね、ローズ」
「ううん、じゃあ行ってくるわ」
昨日はマイケルの元で寝た。だから大丈夫だ。と心の中で安堵する。たとえ偽りの安堵だと知っていても。
─────
唇に赤い紅を塗って、瞳の上にアイライナーを書き、瞼にアイシャドウをつけて、華麗なドレスを身にまとい、最後に赤いヒールを身につけて、さぁ私の完成。歌い手のローズの完成。
外に出れば男達を魅了する私、女達は悪魔に魂を売った魔女だと罵るけれど、私は努力でのしあがった。
多少の怖さはスパイス、ちょっとした才能に努力と言う名の材料を、いや隠し味とでも言うのかしら。それを足して今の私が存在する。
多少高いお金を払ってもその倍で返ってくるのなら私はかなわない。
私は最後に手帳に文字を綴る、誰にも見られることのない様に、カギを掛けて。
「ローズ、時間だ。上がってきてくれ。」
バーバリー・ロンスのマスター、シェロン・バーバリーが声をかける。
「えぇ、分かったわ。今行くわ」
そして私はまた、舞台と言う名の場所で今宵、蝶の様に、花の様に今、舞い散る。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
どうぞ添い遂げてください
あんど もあ
ファンタジー
スカーレット・クリムゾン侯爵令嬢は、王立学園の卒業パーティーで婚約もしていない王子から婚約破棄を宣言される。さらには、火山の噴火の生贄になるように命じられ……。
ちょっと残酷な要素があるのでR 15です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる