珈琲いかがですか?

木葉風子

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二人の男

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大都会 東京
大勢の人が行き交う街
お互い知らん顔して
通り過ぎていく

大都会 東京
都心から少し外れた
古ぼけた商店街
まばらにシャッターが閉まり
人の姿もあまりない

商店街の突き当りの路地を   入るとその店がある
まるで隠れ家みたいに…


喫茶『古時計』
木の扉を開ける
客を出迎えるかのように
扉の鈴が鳴る

さほど大きな音ではなく
でも店にいる彼らには
聞こえる鈴の音

扉を入ると珈琲の香り
店自慢のオリジナル珈琲
カウンターには二人の男

一人は身長170センチぐらい
細みながらも筋肉質
胸まである明るい茶色の髪
後ろで一つに結んでいる

そしてもう一人
同じく細みの筋肉質
隣の男よりも背が高い
髪は黒に近い茶色
ウエーブ気味の前髪は眉の上
後ろは刈り上げている

彼らはこの店の主と料理人
もっともその顔は喫茶店が   開店中の時間だけのこと 
彼らのほんとの顔は秘密…
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