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第十三章
変化の時 SIDE蒼空⑥
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俺のスマホには、妹から病院名の連絡が入っていた。俺達の地元の中でも一番大きく、腕のいいドクターがいると聞いたことがある。
病院について受付で聞くと、まだ手術中だと言われた。手術室の場所を聞いて向かうと、妹の美和と母親が廊下の椅子に座っている姿が見える。
「遅くなった」
「蒼空」
「蒼空くん」
不安だった美和が抱きついてきた。一歳下の妹とは、双子のように育てられて、普通の兄妹よりも仲が良い方だと思う。女子校育ちで、未だに男性と話をするのが苦手なようだ。学生時代の家庭教師で、今は彼氏である佐藤隼大くらいしか、まともに話しているのを見たことがない。
美和も幼い頃から整った容姿をしていて、小学生の頃から男子にチヤホヤされていた。それが面白くない女子に嫌なことを言われてよく泣いていたものだ。男子がいなければ標的になることもないと、女子校へ通うことに決めたのだ。
それからは、言い寄ってくる男と気の強い女が苦手なのだ。
だが、いつからか美和自身が強くなっている気がする。人見知りをすることもなくなっているのだ。
片桐ホールディングスの受付で働いていて、日々お客様の相手をしているが、美和が社長の娘だと周知の事実になっていて、変な奴に絡まれることはない。俺は受付と秘書課のメンバーを全員把握しているが、変な女はいない。
「どうだ?」
「まだ手術が終わらないの」
「大丈夫かしら……」
「どこで倒れたんだ?」
「会社で倒れて救急車で運ばれたの」
「近本さんは?」
「病院まで付き添ってくれたんだけど、私達と入れ替えに残務処理をするために会社へ戻ったわ」
近本さんは親父の第一秘書で、俺も親父も最も信頼している人物だ。親父が倒れたことで、急ぎの仕事を片づけるために戻ってくれたのだろう。会社には、明日に顔を出せばなんとかなりそうだ。
話をしていると、手術中の看板のランプが消えた。扉を見つめて、先生が出てくるのを緊張の面持ちで待つ。
そして――
「手術を執刀しました友田です。無事に手術は終わりました。搬送も早くすぐに手術ができたので、順調な回復が期待できると思います。のちほど、改めてご説明させていただきますね」
執刀医からの説明で、電話を受けてから初めて安堵することができた。今まで経験したことのない焦りを感じていて、ずっと不安だったのだ。
すぐに、昌磨に親父が倒れたことと仕事の引継ぎの連絡を入れた。いずれは、クラウドフラップを去ることになるからと、準備をしていたのだが、こんなに早く役に立つとは思わなかった。まだ親父の状況はわからないが、そう遠くはないはずだ。
倒れてから三日目、親父が目を覚ました。後遺症もなく、意識もしっかりしている。ただ、今まで大きな病気もせずに来たが、親父もいい歳だ。この機会に検査をしてもらうことにしたのだ。
親父が完全に復活するまでは、もう少し片桐を手伝うつもりだ。美和が母をサポートしてくれている。実家に美和がいるから助かっている。
とにかく週末に一度凛花の元に帰って、俺の実家のことを話す時が来た。
数日会えないだけで恋しい存在――
手放す選択肢はない――
俺の全てを掛けて守るから、一生そばにいてほしい。
病院について受付で聞くと、まだ手術中だと言われた。手術室の場所を聞いて向かうと、妹の美和と母親が廊下の椅子に座っている姿が見える。
「遅くなった」
「蒼空」
「蒼空くん」
不安だった美和が抱きついてきた。一歳下の妹とは、双子のように育てられて、普通の兄妹よりも仲が良い方だと思う。女子校育ちで、未だに男性と話をするのが苦手なようだ。学生時代の家庭教師で、今は彼氏である佐藤隼大くらいしか、まともに話しているのを見たことがない。
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それからは、言い寄ってくる男と気の強い女が苦手なのだ。
だが、いつからか美和自身が強くなっている気がする。人見知りをすることもなくなっているのだ。
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「どうだ?」
「まだ手術が終わらないの」
「大丈夫かしら……」
「どこで倒れたんだ?」
「会社で倒れて救急車で運ばれたの」
「近本さんは?」
「病院まで付き添ってくれたんだけど、私達と入れ替えに残務処理をするために会社へ戻ったわ」
近本さんは親父の第一秘書で、俺も親父も最も信頼している人物だ。親父が倒れたことで、急ぎの仕事を片づけるために戻ってくれたのだろう。会社には、明日に顔を出せばなんとかなりそうだ。
話をしていると、手術中の看板のランプが消えた。扉を見つめて、先生が出てくるのを緊張の面持ちで待つ。
そして――
「手術を執刀しました友田です。無事に手術は終わりました。搬送も早くすぐに手術ができたので、順調な回復が期待できると思います。のちほど、改めてご説明させていただきますね」
執刀医からの説明で、電話を受けてから初めて安堵することができた。今まで経験したことのない焦りを感じていて、ずっと不安だったのだ。
すぐに、昌磨に親父が倒れたことと仕事の引継ぎの連絡を入れた。いずれは、クラウドフラップを去ることになるからと、準備をしていたのだが、こんなに早く役に立つとは思わなかった。まだ親父の状況はわからないが、そう遠くはないはずだ。
倒れてから三日目、親父が目を覚ました。後遺症もなく、意識もしっかりしている。ただ、今まで大きな病気もせずに来たが、親父もいい歳だ。この機会に検査をしてもらうことにしたのだ。
親父が完全に復活するまでは、もう少し片桐を手伝うつもりだ。美和が母をサポートしてくれている。実家に美和がいるから助かっている。
とにかく週末に一度凛花の元に帰って、俺の実家のことを話す時が来た。
数日会えないだけで恋しい存在――
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俺の全てを掛けて守るから、一生そばにいてほしい。
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