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第十八章

エピローグ①

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 蒼空さんがクラウドフラップを退職する日を迎えた。この三ヶ月の間に、たくさんの変化が訪れた。

 轟課長と小春は、あの日につき合うことになり、オフィス内でもすぐに知れ渡るほどラブラブカップルだ。轟課長も蒼空さん同様にモテるのだが、小春しか見えていない。小春に向ける熱い視線を目の当たりにして、誰も文句が言えなくなっていた。

 私と蒼空さんは、轟課長のあまりの豹変振りに爆笑したのは言うまでもない……。

 そして、もう一つ嬉しいニュースが私達にもたらされる。

「もしもし」
『凛花、婚約おめでとう』
「ありがとう。情報が早いね」

 優香に報告しようと思っていたが、バタバタとしていて忘れていた。誰から聞いたのだろう?その疑問はすぐに解決された。

『うん。大介さんに聞いたの』
「だ、だ」
「凛花?どうした?」

 私が通話しているのを横で聞いていた蒼空さんが、心配顔でこちらを見ている。

『蒼空先輩の声が聞こえた』

 優香は呑気な声だが、私はそれどころではない。

「ゆ、優香!今、大介さんって言ったよね?金ちゃん先輩のこと?」
「ブフッ」

 蒼空さんも横で飲んでいたものを噴き出している。
 
『あっ、うん……。つき合うことになったの』
「ええ⁈本当に⁇」
「なんだ?」
「優香と金ちゃん先輩がつき合い始めたんだって」
「はあ?聞いてないぞ。プロポーズしたことを伝えたのに、優香とのことは言ってなかった」
『凛花』
「うん?」
『蒼空先輩のプロポーズに刺激を受けて告白してくれたの。だから、本当に最近で。蒼空先輩には大介さんが直接報告すると思う』
「そうなの?優香、おめでとう」
『ありがとう』

 そのままを蒼空さんに伝えて、私達は親友の幸せを喜び分かち合う。私達の関係が、親友二組のカップルの誕生のきっかけになったのだ。これからは、家族ぐるみでのつき合いになったらいいなぁと思う。

 後日、蒼空さんのところにも金ちゃん先輩から連絡があった。

「大介の幸せそうな声を聞けて俺まで嬉しかった!」

 自分のことのように喜ぶ蒼空さんが、高校生の時の全国大会の優勝を喜ぶ姿と重なり眩しくみえた。

 


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