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第四章
歯車が動き出す⑨
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タクシーがホテルのエントランスに着いた。支払いを済ませて降りると、三年前と変わらない光景が広がる。
『懐かしい……。もっとつらい気持ちになるかと思ったけど、楽しかったことを思い出すものね』
感慨深い気持ちになりながら、ホテルの中へと歩みを進めた。
夕刻の今の時間、ロビーには大きな荷物を持ったチェックインのお客さんが大勢いる。宴会場は二階になっていたので、私はエレベーターのほうへと向かった。
エレベーターが開くと結婚披露宴の帰りなのか、引き出物らしき紙袋を持った綺麗に着飾った男女のグループが降りてくる。空になったエレベーターへと乗り込み二階のボタンを押した。
エレベーターの扉が完全に閉まる直前――
「すみません、乗ります!」
そんな声が聞こえたと思ったら、扉が開き一人の男性が乗り込んできた。そして再び扉が閉まっていく。二階だしすぐに着くと思っていたら、男性から声を掛けられた。
「もしかして近江さん?」
「え?」
名前を呼ばれたので驚いて顔を見るも、誰だかピンと来ない。ここで会って私を知っているということは、同窓会の出席者で同級生にちがいないのだろうけど。
「ハハッ、誰かわからないって顔だな」
「ごめんなさい」
「謝ることはないよ。三年の時一緒のクラスだった野球部の近藤って言ったらわかるか?」
「近藤……。あっ、あの坊主頭の?」
「そうそう」
「大人になったね……」
真っ黒に日焼けして坊主頭がトレードマークだった彼が、今やサラサラヘアーでがっしりとした身体にスーツを着て爽やかな青年になっているのだ。日焼けしているところは以前と変わらないけど、名乗ってもらわないとわかるわけがない。
『ん? でも彼は私のことをすぐにわかったってことは、私が成長してないってこと⁇』
「近江さんはさらに綺麗になってるから、声掛けていいのかドキドキしたよ」
「へ?」
聞きなれない言葉に戸惑ってしまう。近藤くんは成長と共にお世辞まで身につけたようだ。
エレベーターが二階へ到着して私達は宴会場へと向かう。宴会場の前のスペースには綺麗に着飾った同級生達がすでに大勢集まっていた。
『懐かしい……。もっとつらい気持ちになるかと思ったけど、楽しかったことを思い出すものね』
感慨深い気持ちになりながら、ホテルの中へと歩みを進めた。
夕刻の今の時間、ロビーには大きな荷物を持ったチェックインのお客さんが大勢いる。宴会場は二階になっていたので、私はエレベーターのほうへと向かった。
エレベーターが開くと結婚披露宴の帰りなのか、引き出物らしき紙袋を持った綺麗に着飾った男女のグループが降りてくる。空になったエレベーターへと乗り込み二階のボタンを押した。
エレベーターの扉が完全に閉まる直前――
「すみません、乗ります!」
そんな声が聞こえたと思ったら、扉が開き一人の男性が乗り込んできた。そして再び扉が閉まっていく。二階だしすぐに着くと思っていたら、男性から声を掛けられた。
「もしかして近江さん?」
「え?」
名前を呼ばれたので驚いて顔を見るも、誰だかピンと来ない。ここで会って私を知っているということは、同窓会の出席者で同級生にちがいないのだろうけど。
「ハハッ、誰かわからないって顔だな」
「ごめんなさい」
「謝ることはないよ。三年の時一緒のクラスだった野球部の近藤って言ったらわかるか?」
「近藤……。あっ、あの坊主頭の?」
「そうそう」
「大人になったね……」
真っ黒に日焼けして坊主頭がトレードマークだった彼が、今やサラサラヘアーでがっしりとした身体にスーツを着て爽やかな青年になっているのだ。日焼けしているところは以前と変わらないけど、名乗ってもらわないとわかるわけがない。
『ん? でも彼は私のことをすぐにわかったってことは、私が成長してないってこと⁇』
「近江さんはさらに綺麗になってるから、声掛けていいのかドキドキしたよ」
「へ?」
聞きなれない言葉に戸惑ってしまう。近藤くんは成長と共にお世辞まで身につけたようだ。
エレベーターが二階へ到着して私達は宴会場へと向かう。宴会場の前のスペースには綺麗に着飾った同級生達がすでに大勢集まっていた。
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