もう絶対に離さない!潜水士は海よりも深い愛を誓う

せいとも

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第九章

未来への選択⑮

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 車の音が聞こえたのか母が玄関から出てきた。

「ばあば~」
「七海ちゃんいらっしゃい」

 駆け出した七海の後を追って湊翔さんが駆け寄る。

「はじめまして」
「まあまあ。クスッ」
「え?」
「お母さんどうしたの?」

 湊翔さんを見て笑った母。理由が気になる。

「若い頃のお父さんそっくりだと思って」
「え?」
「驚かせてしまってごめんなさいね。漁師だった夫の若い頃を思い出すわ」
「お母さん……」
「こんなところで立ち話してるのもおかしいわね。さあ、入って」
「はい。お邪魔します」

 七海は母と手を繋いでいる。その後に続いていると、私の手を湊翔さんが握った。堂々として緊張などないように見えているけど、手に少し汗をかいている。そんな湊翔さんが新鮮でギュッと握り返した。

「あっ、パパとママおててつないでる」
「七海ちゃんのパパとママは仲良しね」
「うん」

 七海に冷やかされて照れてしまう。湊翔さんも珍しく照れているではないか。

「あの、先にお義父様へご挨拶させていただいてもいいですか?」
「「え?」」

 湊翔さんからの意外な言葉に母と私は驚きの声を上げてしまう。

「すみません。ダメでしたか?」
「いえいえ。驚いてしまっただけで、嬉しいわ。こちらへどうぞ」

 父の仏壇の前に案内されて座った湊翔さんは、長い間手を合わせて拝んでいた。何を話しているのだろうか? 私にはわからない湊翔さんなりの想いがあるのだろう――

「ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとう。さあ、リビングへ行きましょう」
「はい」

 七海がばあばの手伝いをするとキッチンに行ったので、私達はリビングのソファに座って待っている。

「凪紗がお父さんのこと好きなのわかる」
「え?」
「写真見て、かっこいいなと思った。海の男って感じだな」
「私から見たら湊翔さんも海の男って感じだよ」
「それは日焼けしてるからじゃないか?」
「ううん。雰囲気が」
「そうか。お父さん好きの凪紗に言ってもらえたら、認められた気がして嬉しい」
「湊翔さんもすっごくかっこいいから」
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