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第九章

初デート⁇⑥

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 絵里香達のグループと美雪が頭に思い浮かんで、思わず顔を歪めてしまう。

「なにか気になることがあるの?」
「うん……。絵里香達の話は交換ノートに書いたよね?」
「ああ。小学校の時から目立っていたよな。なんだろう、無理して背伸びをしているような……」
「確かに」

 瑞希に言われて納得した。なんでも自分達が同級生達よりも目立つ存在でないと気が済まない。そんなグループだった。

 絵里香達のグループは早い子だと六年生になった頃からスマホを持っていたのだ。同級生達より早くスマホを持っていることを自慢していた。由奈達が知らないだけで、以前からグループメッセージはあんな感じだったのかもしれない。そこに卒業式の時に連絡先を交換した同級生をどんどん追加していき、温度差が生まれてしまったのだろう。結局元のメンバー以外では、美雪だけが絵里香達のグループに残ったのだ。

「でも、今は関わりないんだよね?」
「私と朱里ちゃんはね」
「ん?」
「美雪って覚えてる?」
「えーっと、藤井さんだったかな?」
「そうそう」
「藤井さんがどうしたの?真面目で大人しい子だったよね」
「うん。そんな印象だったよね。でも、絵里香達のグループに入っちゃって」
「ええ⁈」

 瑞希が驚くのも無理はない。小学校の時の美雪を知っている人は同じ反応をするくらい真面目だったのだから。

「美雪が望んで仲良くしているのならいいの。けど、私には絵里香達に必死について行ってるように見えて……」
「そっか……。同級生として気にはなるよね」
「そうなの。もしかしたら本当に絵里香達と気が合っているならいいの」
「人間関係って難しいね。特にスマホが人間関係をややこしくしてるよね」
「あれば便利なんだけど……」
「でも、僕は持ってなくても不便じゃないよ。僕の友達も最初はすぐに連絡できないって愚痴ってたけど、毎日学校で顔を合わせるし、用事があったら家に電話してきてくれるし、慣れたら気にならないって」
「みんなが持っているのに自分だけ持ってないってなんか……」

 
 
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