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第九章
全力の愛⑦
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慌ただしくホテルをチェックアウトし、仁の車でオフィスビルの近くまで送ってもらう。仁は、車でそのまま空港に向かうという。
「仁さんもこの後フライトなのにすみません」
「真琴、少しずつでいいから、普通に話してくれ。敬語じゃよそよそしい。飛行機の中で仮眠を取れるから大丈夫だ」
「それならいいんですが……。あっ、いいんだけど……」
「真琴は可愛いなぁ~」
「可愛いなんて初めて言われました」
「まあ、綺麗の方がピッタリか」
「そんな、言われたことないで、あっ言われたことないよ」
「プッアハハハハ。真琴といたら退屈しないな」
「もう~」
「真琴」急に真剣な声になった仁。
「はい」
「花田さんに相談するつもりだが、三ヶ月後の日本でのレセプションで、俺達の婚約を発表したい。で、ドバイでのグランドオープンに結婚式をしよう」
「……」
「嫌か?」
「急に具体的な話になったので驚いて……。あの夜の相手が仁さんで心から安堵したし、素直に嬉しかったんです。遠い存在だと思っていた仁さんが私をずっと守ってくれてた事実も胸に響いて温かい気持ちになったの。一瞬で仁さんに惹かれたんだと思います」
「真琴、本当は俺は今すぐにでも連れ去りたいが、花田さんも困るだろう……」
真琴の言葉を聞き、更に離れがたい。
「そうですね。私は、城之内不動産の社員としてドバイでのオープンを見守りたいです」
「だが、俺がそんなに待てない……。出来れば、日本でのレセプションが終わったら、ドバイについてきてくれないか?」
「私が勝手に決められる事では……」
「わかった。俺がタイミングをみて花田さんに相談するよ」
話をしていると、あっという間に会社の近くに着いた。
「仁さん忙しいのに送っていただき、あっ送ってくれてありがとう。気をつけて行ってきて下さいね」
「ああ。なんか、いいなぁ。毎日真琴に見送られて、おかえりと迎えてもらえたら幸せだな」
「そうですね。私も、両親を亡くしてからひとり暮らしなので、憧れます」
「これからの事はゆっくり話し合おう。ドバイが落ち着いたら拠点を日本に戻すから、新居も考えないとな」
「はい」
名残惜しいが、会社の近くに長時間車を止めていると誰に見られるかわからない。仁は、真琴を日本に残して行く事に不安を感じたまま、ドバイへ飛び立った。
「仁さんもこの後フライトなのにすみません」
「真琴、少しずつでいいから、普通に話してくれ。敬語じゃよそよそしい。飛行機の中で仮眠を取れるから大丈夫だ」
「それならいいんですが……。あっ、いいんだけど……」
「真琴は可愛いなぁ~」
「可愛いなんて初めて言われました」
「まあ、綺麗の方がピッタリか」
「そんな、言われたことないで、あっ言われたことないよ」
「プッアハハハハ。真琴といたら退屈しないな」
「もう~」
「真琴」急に真剣な声になった仁。
「はい」
「花田さんに相談するつもりだが、三ヶ月後の日本でのレセプションで、俺達の婚約を発表したい。で、ドバイでのグランドオープンに結婚式をしよう」
「……」
「嫌か?」
「急に具体的な話になったので驚いて……。あの夜の相手が仁さんで心から安堵したし、素直に嬉しかったんです。遠い存在だと思っていた仁さんが私をずっと守ってくれてた事実も胸に響いて温かい気持ちになったの。一瞬で仁さんに惹かれたんだと思います」
「真琴、本当は俺は今すぐにでも連れ去りたいが、花田さんも困るだろう……」
真琴の言葉を聞き、更に離れがたい。
「そうですね。私は、城之内不動産の社員としてドバイでのオープンを見守りたいです」
「だが、俺がそんなに待てない……。出来れば、日本でのレセプションが終わったら、ドバイについてきてくれないか?」
「私が勝手に決められる事では……」
「わかった。俺がタイミングをみて花田さんに相談するよ」
話をしていると、あっという間に会社の近くに着いた。
「仁さん忙しいのに送っていただき、あっ送ってくれてありがとう。気をつけて行ってきて下さいね」
「ああ。なんか、いいなぁ。毎日真琴に見送られて、おかえりと迎えてもらえたら幸せだな」
「そうですね。私も、両親を亡くしてからひとり暮らしなので、憧れます」
「これからの事はゆっくり話し合おう。ドバイが落ち着いたら拠点を日本に戻すから、新居も考えないとな」
「はい」
名残惜しいが、会社の近くに長時間車を止めていると誰に見られるかわからない。仁は、真琴を日本に残して行く事に不安を感じたまま、ドバイへ飛び立った。
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