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第14話 HEAVENS JUSTICE BOYS①
しおりを挟む「……目立った活動なし、これといった実績なし。先日の生徒会で部費の予算配分について協議した結果――」
生徒会室にて三人の学生がごくりと唾を飲む。目前の生徒会長が眼鏡をくいっと上げる。
「軽音部は廃部することになった」
どんと書類に『不可』の判が押された。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ! そりゃないだろ!?」
パンクヘアーの男が机に手をついて抗議する。目の前で生徒会長が人さし指をぴんと立てる。
「ひとつめ、君たちの髪型や服装は校則に反している」
確かに三人の学生はみなサングラスをかけており、服装は学ランの下にプリントシャツという出で立ちだ。
生徒会長がさらに続ける。
「ふたつめ、部活動というからにはなにかしら活動や実績をあげるものだ。だが、さっきも言ったように君たちの部にはこれといった活躍は聞かない」
「そ、それは吹奏楽部が音楽室を使わせてくれないから……! それに路上ライブとかしてるぜ!」
「そこでみっつめだ。すでに我が校には吹奏楽部という輝かしい実績を上げている部がある。
音楽は吹奏楽部で充分。ロックなどという騒々しいだけの音楽は我が校には必要ない」
「てめぇ……!」
パンクヘアーが殴りかかろうとするところを「よせ!」とマッシュヘアの男が止める。もうひとりの大柄な、モヒカンヘアーの男はおどおどするだけだ。
生徒会長は動じることなく眼鏡を再び押し上げると、立ちあがって窓のほうを向く。
「それよりも受験勉強に励んだほうがいいじゃないか? 僕も君たちも含め、3年生は3月で卒業だ。音楽より進路のことを考えるべきだ」
ぐっ! とパンクヘアーが唸る。
くるりと生徒会長が顔を三人に向ける。
「学生の本分は勉強だ。音楽などにかまけているヒマがあるなら参考書でも読むんだな」
「なんだよ! セイトカイチョーだかなんだか知んねぇが、こんなのあんまりだ! だろ?」
パンクヘアーがメンバーに問う。
「けどよぉ、生徒会長の言うことももっともだぜ……俺ら3年生は進路のこと考えなきゃいけないんだし」とマッシュヘアー。
モヒカンがトントンとマッシュヘアーの肩を叩く。そしてぽそぽそと小声で話す。
「うん、うん。勉強も大事だけど、それより音楽をやりたいと言ってるぜ」と代弁する。
「だろ!? 俺らはロッカーなんだよ! ルールとか校則に縛られるかってーの!」
パンクヘアーが咆える。
「とは言っても、どうすんのさ? 廃部になったいま、部室はないし、そもそも音楽室も使わせてもらえないし……」
「うるせぇ! それを今から考えるんだろーが! この世には神も仏もねぇのかよ!?」
パンクヘアーがそう声を荒げた時、廊下をふたりの女子が歩く。
「やっぱカワイイよねぇ。美少女シスターって」
「うんうん! なんかさぁウワサによると、ロック好きみたいよ。なんでも礼拝堂でホウキをギター代わりにして演奏してるとか」
「マジで!? ヤバいじゃん! あ、そうそう知ってた? その美少女シスター、彼ピがいてさ、この学校にいるみたいなのよ」
「あーそれ、アレでしょ? 二年三組の安藤ってコらしいわよ? あんなののどこがいいんだろね?」
きゃいきゃいと盛り上がる女子ふたりがロッカーたちの前を通り過ぎる。
「……聞いたか?」
「あ、ああ美少女シスターがどうのこうの言ってたな」
モヒカンもこくこくとうなずく。
「シスターっていやぁ、神の使いみてーなもんだろ? 困ったときの神頼みってことわざがあんだからよ、ここはひとつ相談してみよーぜ」
「たしか、2年の安藤って言ってたな……」
「よっしゃ、さっそくその安藤とかいうヤツのところに行こうぜ!」
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