7 / 11
熱を帯びるシシリア
しおりを挟むシシリアを心配する僕に、頭は血が出やすいが危険ではない、と言った。
怪我してるのに、僕の介抱までさせてしまって本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
食事はやめにして、僕が眠るまでベッドの傍で見守ってくれた。何度断っても聞かなかった。
次の日、シシリアが大きな調理器具を片付けた、と言ってきた。心なしかウキウキしているように見えた。
「調理器具……?」
「……昨日、見せてしまったアレのことだ」
僕を怖がらせないために遠回しに表現してたのか、と気付くのに少し時間がかかった。
「ありがとう、シシリア」
自然と笑みがこぼれる。これからは僕がいつキッチンに入っても大丈夫だ、とシシリアは言った。
少し緊張したけど、キッチンに入るのは怖くない。昨日抱きしめてもらったおかげだと思う。シシリアが昨日作ろうとしていた鹿肉のステーキを一緒に焼いた。
鹿肉は歯ごたえがあって久しぶりにお肉を食べているんだ、という実感があった。
食事の後片付けまで終えると、ベッドに潜り込んだ。精神的な疲れが出たのか、ベッドに入るとすぐに眠ってしまった。
喉の渇きを覚えて起きると、夜中だった。寝始めてからそんなに時間は経っていないようだ。
水を飲んでから自室に戻る途中で、シシリアの呻き声を聞いた気がした。頭の怪我が脳裏をよぎった。
シシリアの自室へ行くと、ドアが少し開いていた。中を覗くと全裸のシシリアが見えた。ビックリして息を呑む。
ベッドの上で仰向けに寝そべっているシシリアの右手は、胸に伸びていた。指先が激しく動く。脚の間には太さはあるのに短いペニスがちょこん、と天を仰いでいる。
手が股間へ向かう。シシリアが手で握ると亀頭が少しだけ顔を覗かせる。膝を立てて足の裏をしっかりとベッドに付けると、踏ん張るようにしながらしごき始めた。
すごく小刻みに動かしている。荒れだした息が扉の前にいる僕にまで聞こえてきた。脚の踏ん張りが強まり、腹筋が痙攣しだす。果てが近いのだろう。目をかっぴらいてシシリアの姿を見つめる。
次第にシシリアの悶えるような唸り声も聞こえてくる。手の動きが止まる。だが、何も出ていない。身体をくねらせながら、左手で口を抑えた。
何やってるんだろう? 疑問に思って少し身を乗り出す。シシリアはぎゅっと目を瞑っているみたいだ。ちょっとイタズラしようと思い、音を立てないように部屋の中へ入る。
シシリアのベッドの脇でじぃっと見つめてみる。僕の気配に全く気付く様子がない。再び小刻みに動き始めた右手の中で、真っ赤に腫れた亀頭がぬらぬらと光っていた。
0
あなたにおすすめの小説
おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件
ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。
せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。
クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom ×
(自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。
『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。
(全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
落としたのは化粧じゃなく、みんなの心でした
444
BL
『醜い顔…汚らしい』
幼い頃、実母が病気によって早くに亡くなった数年後に新しい義母からそう言われたシリルは、その言葉が耳に残って16歳となった今も引きずっていた。
だが、義母のその言葉は真っ赤な嘘でシリルはとても美しかった。ただ前妻の息子であるシリルに嫉妬した結果こぼした八つ当たりの言葉であったのをシリルは知らずに、義母のいう醜い顔を隠すために化粧をする。
その結果、彼は化粧によって本当に醜い顔になってしまった。そんな彼が虐げられながらも徐々に周囲を絆す話
暴力表現があるところには※をつけております
余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません
ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。
全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる