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episode8
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食事を摂りなんとか着替えたところでレクスが戻ってきた。
服は元々着ていたスーツだ。
この世界だとかなり浮いてしまうが他に着る服もなく外套を羽織ってしまえばあまり目立たなくなる。
出発する時は当然のようにお姫様抱っこされて馬車に乗せられた。
「道中俺は一緒に居られないが全てレオンに頼んである。あまり隙は見せるなよ?」
あ、団長さんとは一緒じゃないのね。
ホッとしたような寂しいような...って寂しいってなんだ!
「ハルトさん、よろしいですか?」
「あ、はい!」
レクスが出て行ってすぐにレオンが入ってきた。
「覚えておられますか?」
「はい、もちろん。副団長さんですよね?」
「ええ。レオンで構いませんよ」
「えっと、じゃあレオンさん?」
「私の方が年齢もひとつ下ですし、敬称や敬語なども必要ありません」
「あれ、俺年齢言いましたっけ?」
「いえ、ですが団長からいろいろとお伺いしていますので」
にっこりと微笑むレオンはきれいだが少しぞくりとする。
いろいろ、に含みがあるのは気のせいではないだろう。
「それではレオンと呼ばせて頂きます。言葉は...お世話にもなりますし後々...ということで」
「わかりました。間もなく出発しますのでお気をつけくださいね」
「はい」
ガタンと大きな揺れと音と共に馬車が動き始めた。
「あの、昨夜はご迷惑お掛けしました」
出発してすぐに俺は頭を下げた。
だがレオンにはきょとんとした顔をされる。
「勝手に魔法使っちゃって皆さんに迷惑掛けてしまいましたよね....」
「ああ、そのことですか。むしろあれはこちらが謝らなければ」
「え?」
「ハルトさんが魔法を使えないと思い込み忠告を怠ったこちらの責任です」
「いや、でもそれは魔法がない国から来たって俺が言ったからですよね?」
「それでも、忠告はしておくべきでした。お体にも負担を掛けてしまいましたし、本当に申し訳ありませんでした」
なんか逆に謝られてしまい申し訳なくなってきた。
ん?ちょっと待って?お体にも負担をって言いませんでした?
「えっと...もしかして昨日のことって...?」
「ご安心ください。私と団長しか知りませんので」
う、嘘だろぉぉぉー!?
知ってるって!どこまで知ってるんすかぁ!
いや、やっぱり聞きたくない!
それを聞いたら終わりだ。
恥ずかしくて死ねる!
「ずいぶん遅くまでしていたようなので心配していたのですよ」
ぎゃぁぁぁー!!
これほとんど知ってるやつじゃないですかー!
聞きたくないって言ったのにー!
よし、死のう。馬車から飛び降りよう。
「ふふっ、すみませっ...くくっ」
百面相している俺を見て耐えきれなくなったように笑い始めた。
レオンさん、笑すぎじゃないですか?
「忘れてください....」
「無理ですね」
優しい笑顔できっぱり言われた。
あなたドSですね....
服は元々着ていたスーツだ。
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