異世界ではじめて奪われました

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episode17

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sideレクス

ハルトと別れたあと応接室に通されたが、予定外の見知った顔が2つあり思わずため息がでた。

「......なぜ父上とルミエルまで......」
そもそも公式の場で挨拶だけ済ませてさっさと帰るつもりだったのだが。

「公式の場などゆっくり話せぬではないか」
ハビルがやれやれと首を振る。
「そのつもりだったのですが」
「バカ言え。息子の嫁が来ると言うのに俺が立ち会わんわけにはいかんだろ」
「まだ嫁ではありません」
「まだ、ねぇ。そこまで入れ込むとはますます気になるな」
しまった、興味を持たせる言い方をしてしまった。

「レオンから報告を受けておいて正解でしたね」
レオンめ、余計なことを。
「ああ、このまま誰も娶るつもりはないと思っていたからな。気を揉んでいたが、良かった」
「余計な火種を生みたくなかったので」
「そんな気は使わんでもよい」

「まあでも勘違いした貴族共が自分の子を送り込んでくるだろうな」
ケイラーの言葉に頷く。
今まで側に誰も置かなかった俺が側に置くようになれば結婚の意思があるのかと勘違いする奴は大勢いるはずだ。
あわよくば自分の子供も、と考えるだろう。

「適当にあしらいますよ。それよりハルトを着替えに行かせた理由はなんです?」
「そうだ、報告がある。枷を嵌めた状態で魔法を使えるかどうかだが....」
「もう結果が?」
「途中だがな。どうも魔力量が多い奴は使えるようだ。これはまだ推測だが魔道具を作った者よりも魔力量が多ければ可能なのかもしれん。まあ曖昧な上どんな魔法が付与されているかわからんからな。動けなくなるのはリスクが大きすぎる」

「そうですね....」
「調査は続けさせるがあまり期待はするな」
「わかりました。ところで魔力測定器はこちらに?」
「ああ、用意してある」

通常、魔力測定器は教会に置いてあり、国民が10歳を迎えた時に測定する決まりとなっている。
今回は目立ちたくないというのもあり内内で済ませるため借りて来たのだ。

「ハルトはまだ一度しか魔法を使ったことがないので一応結界を張っておきます」
「そうだな。万が一暴発したら事だ」
頷いたところでドアがノックされハルトが入ってきた。

その姿を見て思わず息を呑んだ。
本人は分かっていないのだろうがこの国では結婚を申し込む時、自分の髪と瞳の色の服を贈るのが一般的だ。
自分が贈った物ではないのに自分の色を身につけている事が少し腹立たしい。
とても良く似合っているからこそ苛立つ。
早く脱がせてめちゃくちゃに抱いてしまいたい。

ハルトが背中に逃げ込んで来てようやく我にかえった。
なんだこれは。拷問か。
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