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episode20
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次の日から早速コントロールの練習をさせて貰えることになった。
コントロールできるまで魔力操作の練習が仕事だと言われたので早く覚えないとまずい。
「初めまして。本日より魔力操作のお手伝いをさせて頂くことになりました、ロジーと申します」
金髪に翡翠色の瞳の女性だ。
お人形さんのような綺麗な顔立ちで背も高くスラットしている。
「初めまして!ハルトと申します。よろしくお願い致します!」
「こちらこそよろしくお願い致します。それではここからは堅くなりすぎず気楽に頑張りましょう」
「はい!」
「まず、魔力操作で1番重要なのが自分の中にある魔力を感じることです」
「自分の中にある魔力.....」
やばい、俺全然感じないんだけど。
ほんとに魔力たくさんあるの?
「本来、幼少から訓練するものですから今は感じなくて当たり前です」
心読まれた!?
「ふふっ、考えていることが全てお顔に出てますよ?」
「そんな出てます....?」
「ええ。とてもわかりやすくて安心します」
「....それ、褒めてますか?」
あまり褒められてる気はしませんが。
「もちろんです。貴族社会での会話は全て腹の探り合いですので気が抜けません。みなさんハルトさんみたいにわかりやすいといいんですけど」
貴族社会こっわ。
俺がわかりやすいっていうかみなさんの観察眼が鋭いだけじゃないっすかね.....。
「話がそれてしまいましたね、はじめに私の魔力を入れますのでそれで感覚を掴みましょう。他人の魔力を入れるのはあまり良くないのですが少量でしたら大丈夫でしょう。気分がすぐれないようでしたらすぐに言ってくださいね」
手のひらを上に両手を差し出すとロジーがその上に自分の手を重ねた。
手のひらが暖かくなり同時に違和感が体の中に入り込む。
「分かりますか?」
「はい、なんか違和感が.....」
「その違和感を全身に巡らせるイメージを」
「分かりました」
手から入り肩、頭、足、つま先......。
む、難しい....!
少しでも意識がそれると止まってしまう。
しかも違和感が体中を巡るのが地味に気持ち悪い。
「ハルトさん、一度やめましょうか」
「はい....」
少しフラッとしてロジーに支えられてしまった。
「すみません....」
「いえ、座れますか?」
「はい....」
うぅー、情けない.....。
「やはり他人の魔力だと難しいですね....。家族の魔力でしたらそこまで反発はしないのですが.....。回復したら自分の魔力でやってみましょうか」
「はい」
それからは感覚を掴むために何度も繰り返し練習した。
最初は流れる量が多くて吐きそうになったりもしたがなんとか気分が悪くなることはなくなった。
「今日はこの辺にしておきましょうか」
「いえ!まだやれます!」
「ダメです。初めてのことで疲れはかなり溜まっていると思いますので」
「分かりました....」
初日でこれほど進まないとは思わず早くも壁にぶち当たった気分だ。
「今日は本当にありがとうございました」
「いえ、こちらこそ楽しかったです」
今後は2日続けて練習して1日休むことになった。
本当はもっと続けて練習したかったが休息も必要です、とロジーは譲らなかった。
レクスの部屋に戻る途中、偶然レオンと会った。
「レオン!戻ってたんだ!」
「ハルトさん、偶然ですね。枷外れたようでよかったです」
「うん!お陰様で外れました!レオンは今日休み?」
「いえ、これから事務処理がいくつか。ハルトさんは練習終わりですか?」
おぉ....、相変わらず俺の情報筒抜けですね....。
「うん。こちら今日練習に付き合ってくれたロジーさん」
1人で戻れると言ったのだが部屋に送るまでが自分の仕事だと押し切られたのだ。
「ご無事のお戻りなによりです。レオン様」
「ああ、先生はロジーだったのですね」
「あれ、知り合い?」
「聞いていませんでしたか?ロジーは竜青騎士団の小隊長を務めています」
「え!騎士団の人だったの?」
「伝えていませんでしたか?」
「聞いてないです!てっきり魔法専門の人かと」
「魔法士も居るには居ますが数はかなり少ないですね」
「そうなの?」
「ええ。ほとんどが教会や学園の先生で戦闘に参加する者はあまり居ません」
「なんで?」
「そもそも魔力量の多い者がそこまでいないのです。主力を魔法にするとすぐ魔力切れになりますからね。その後身を守る術のない者は騎士団ではやっていけません」
「なるほど....」
あくまで魔法は補助的なものってことか。
「それでは私はこれで」
「あ、引き止めちゃってごめんね」
「いえ、お話できてよかったです。ではまた」
「うん!ありがとう!」
コントロールできるまで魔力操作の練習が仕事だと言われたので早く覚えないとまずい。
「初めまして。本日より魔力操作のお手伝いをさせて頂くことになりました、ロジーと申します」
金髪に翡翠色の瞳の女性だ。
お人形さんのような綺麗な顔立ちで背も高くスラットしている。
「初めまして!ハルトと申します。よろしくお願い致します!」
「こちらこそよろしくお願い致します。それではここからは堅くなりすぎず気楽に頑張りましょう」
「はい!」
「まず、魔力操作で1番重要なのが自分の中にある魔力を感じることです」
「自分の中にある魔力.....」
やばい、俺全然感じないんだけど。
ほんとに魔力たくさんあるの?
「本来、幼少から訓練するものですから今は感じなくて当たり前です」
心読まれた!?
「ふふっ、考えていることが全てお顔に出てますよ?」
「そんな出てます....?」
「ええ。とてもわかりやすくて安心します」
「....それ、褒めてますか?」
あまり褒められてる気はしませんが。
「もちろんです。貴族社会での会話は全て腹の探り合いですので気が抜けません。みなさんハルトさんみたいにわかりやすいといいんですけど」
貴族社会こっわ。
俺がわかりやすいっていうかみなさんの観察眼が鋭いだけじゃないっすかね.....。
「話がそれてしまいましたね、はじめに私の魔力を入れますのでそれで感覚を掴みましょう。他人の魔力を入れるのはあまり良くないのですが少量でしたら大丈夫でしょう。気分がすぐれないようでしたらすぐに言ってくださいね」
手のひらを上に両手を差し出すとロジーがその上に自分の手を重ねた。
手のひらが暖かくなり同時に違和感が体の中に入り込む。
「分かりますか?」
「はい、なんか違和感が.....」
「その違和感を全身に巡らせるイメージを」
「分かりました」
手から入り肩、頭、足、つま先......。
む、難しい....!
少しでも意識がそれると止まってしまう。
しかも違和感が体中を巡るのが地味に気持ち悪い。
「ハルトさん、一度やめましょうか」
「はい....」
少しフラッとしてロジーに支えられてしまった。
「すみません....」
「いえ、座れますか?」
「はい....」
うぅー、情けない.....。
「やはり他人の魔力だと難しいですね....。家族の魔力でしたらそこまで反発はしないのですが.....。回復したら自分の魔力でやってみましょうか」
「はい」
それからは感覚を掴むために何度も繰り返し練習した。
最初は流れる量が多くて吐きそうになったりもしたがなんとか気分が悪くなることはなくなった。
「今日はこの辺にしておきましょうか」
「いえ!まだやれます!」
「ダメです。初めてのことで疲れはかなり溜まっていると思いますので」
「分かりました....」
初日でこれほど進まないとは思わず早くも壁にぶち当たった気分だ。
「今日は本当にありがとうございました」
「いえ、こちらこそ楽しかったです」
今後は2日続けて練習して1日休むことになった。
本当はもっと続けて練習したかったが休息も必要です、とロジーは譲らなかった。
レクスの部屋に戻る途中、偶然レオンと会った。
「レオン!戻ってたんだ!」
「ハルトさん、偶然ですね。枷外れたようでよかったです」
「うん!お陰様で外れました!レオンは今日休み?」
「いえ、これから事務処理がいくつか。ハルトさんは練習終わりですか?」
おぉ....、相変わらず俺の情報筒抜けですね....。
「うん。こちら今日練習に付き合ってくれたロジーさん」
1人で戻れると言ったのだが部屋に送るまでが自分の仕事だと押し切られたのだ。
「ご無事のお戻りなによりです。レオン様」
「ああ、先生はロジーだったのですね」
「あれ、知り合い?」
「聞いていませんでしたか?ロジーは竜青騎士団の小隊長を務めています」
「え!騎士団の人だったの?」
「伝えていませんでしたか?」
「聞いてないです!てっきり魔法専門の人かと」
「魔法士も居るには居ますが数はかなり少ないですね」
「そうなの?」
「ええ。ほとんどが教会や学園の先生で戦闘に参加する者はあまり居ません」
「なんで?」
「そもそも魔力量の多い者がそこまでいないのです。主力を魔法にするとすぐ魔力切れになりますからね。その後身を守る術のない者は騎士団ではやっていけません」
「なるほど....」
あくまで魔法は補助的なものってことか。
「それでは私はこれで」
「あ、引き止めちゃってごめんね」
「いえ、お話できてよかったです。ではまた」
「うん!ありがとう!」
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