いつの間にか後輩に外堀を埋められていました

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結婚五年目

その後

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あれから、もう何も出なくなる程何度もイかされ、宣言通り眠りについたのは空が明るくなってからだった。

そして、目が覚めてから全身につけられた赤い跡を見て驚愕した。
後半は記憶も曖昧だったが、こんなにもつけられていたなんて。なんだかちょっと気持ち悪いくらいだ。足の付け根などの際どいところにもつけられていて、羞恥で顔が熱くなる。

多分郁人も疲れてそのまま寝たんだろう。いつもは起きたら綺麗になっている身体もさすがに汚れたままだったので、まだ寝ている郁人を起こさずに洗面所へ行こうとしたら、膝からがくんと崩れ落ちた。

「いっ....!」

足に力が入らず、ベッドから落ちて、脚は打つわ腰は痛いわで散々だ。

「伊織さん....?えっ、大丈夫ですかっ!?」

大きな音で郁人が起きてしまったらしく、慌てて布団を被って身体を隠す。

「すみません、昨日無理させすぎちゃいましたかね」

頬にさっとキスをされ、当然のように抱きかかえようとするのを咄嗟に止めた。

「だ、大丈夫だからっ、ちょっと油断して落ちただけ。自分で歩ける」

「でも、シャワー浴びるでしょう?心配なんで俺も一緒に入ります」

「絶対駄目」

「なにもしませんってば」

こいつの"なにもしない"は全く信用できない。
それに、この身体を見られたくない。つけた張本人に見られたくない、という言葉は適切ではないかもしれないが、こんな明るいなかで見られるのは恥ずかしい。

「ってかお前寒くないのか?」

今は十一月上旬。いくらなんでも真っ裸は寒いだろうに、上着を羽織ろうともしない。
少しは隠せよ!

「寒いですけど...、今服着ても結局洗濯しなきゃいけなくなるじゃないですか。だったらシャワー浴びてから着ればいいかなって」

「じゃあ先入ってこいよ。俺待ってるから」

「えー、一緒に入りましょうよ。あっ、ほら、ふらついてるじゃないですか」

立ち上がろうとしてよろけたところを支えてくれた。

「誰のせいだと....」

「完全に俺ですね」

全く悪気なく微笑む姿に少しイラッとする。
この絶倫体力馬鹿め!少しは反省しろ!

「わっ!」

じと、と睨んでいたら被っていた布団ごと横抱きされてしまった。

「ちょ、郁人っ、一人で入るって!」

「わかりましたから、洗面所までは運ばせてください」

まあそれなら...と郁人に身を預ける。
だが、洗面所で下ろしてくれた後、なかなか出て行ってくれない。

「.....一回出ててくんない?」

「なんでです?」

こいつ...わかってるくせに。

「布団カバー洗濯したいんで伊織さんこそ早く入ってくださいよ」

「う....、俺が入ってからでもいいだろ」

「早くしないと乾かないじゃないですか。ほーら、俺も寒くなってきたし」

なら服を着ろ!そして出てけ!
俺の心の声は届かず、抵抗虚しく布団を剥ぎ取られてしまった。

「うっわ.....、俺、こんなつけちゃいました....?」

どうやら郁人も無意識だったらしい。
俺の身体中についた跡を見て少し顔を赤らめている。
なんでお前が赤くなってんだよ。
見られてしまったものは仕方ない。鏡を見ると、さっきまで見えなかったところも目に入る。

「おまっ...、こんなところにまで…!」

首にも、ワイシャツでは隠せないようなところにまで何ヶ所かつけられていたのだ。
明日から仕事なのに、当然、消えてくれそうにない。

「伊織さんだってつけたじゃないですか」

「俺は一ヶ所だけだろ!」

「でもここもワイシャツじゃぎり隠れませんよ?」

二人とも全裸でくだらないことを言い合っていると、寒さからかくしゃみが出てしまい、強制的に風呂へ入れられた。


シャワーを浴びた後、昨日の話しの続きをして、俺が産む報方向で話を固めた。
薬を飲む前に健康かどうか調べる必要があるので、詳しくはそれを受けてからだ。
病院へは来週の土曜日に行く事にした。

ちなみに、翌日の出勤日はタートルネックで首を隠して行ったのだが、郁人は隠す気など全くなく、見られても堂々としたもので、指摘されても嬉しそうにするだけで逆にこっちが恥ずかしかった。
俺の方も直接聞いてくる人こそいなかったものの、ちらちらと見られていたので、隠している理由なんてバレているんだろう。

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