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2… 「ラブダーク」
しおりを挟む王冠から消えたダイヤが何事もなかったように元に戻った時、
その色は…大司祭にしか見えなかったのだが…漆黒と艶かしいピンク色だった
大司祭は青ざめる「ラブダークだ…この子は…」
両親はあまりの事に、すぐには声が出なかった
「ラ…そんな、そんなバカな!うちの子がそんなはずありません…
大司祭様、お願いします、どうぞもう一度見極めをして下さいませ!」
何とか口を開いたのは母親の方だった
父親は生まれたばかりの娘を絶望の眼差しで見ている
赤ちゃんだけは何事もなかったようにニコニコしていた
ラブダーク
それは、この世界で最も忌み嫌われ蔑まれる「能力」
しかしこの能力は非常に特殊で、珍しさで言えば100年に一度しか生まれないと言われる「奇跡」をも上回る
「ラブダーク」の能力は、「魔薬」を作り出す事
簡単に言えば「魔薬」によって「性欲」を操ることができるのだ
「魔薬」さえあれば男は永遠に勃起し女を抱き続けられるし、女はどんな男でも魅了できる蜜壺を持つことができる
「ラブダーク」はこの能力ゆえ、狂った金持ちや権力者に囲われて死ぬまで淫靡な世界を作り続けさせられるのだ
「ああ、そんな、大司祭様、一体私たちはどうすれば良いのでしょう…!」
母親はすがるように大司祭の顔を見た
ハッ
とする
我が子を見る大司祭は色欲に取り憑かれた人間の顔をしていたからだ
母親は急いで王冠を外し、我が子を自分の胸に抱きしめた
未だ呆然としている夫は頼りになりそうにない
天使のような我が子の、困難に満ちた未来は容易に想像がつく
大司祭までも一瞬で欲情した女の子…
品が悪い男たちがお酒を飲みぎた時、よく話題に出る卑猥な話の主人公は「ラブダーク」だった
王族に囲われて、毎夜色んな男たちに犯され、魔薬を作り続けさせられるというお話
そう、「魔薬」は「ラブダーク」の性行為によってのみ生み出される
男たちは犯し、生み出させ、それを飲み、また犯す、という恐ろしい行為をするのだ
「ラブダーク」は決して人間として扱われることはない
*****
「可愛い私のラブダーク」
セシルは腕の中で肌をピンク色に染め、快感で身悶えるチェルシーの耳元で囁いた
グチャグチャになった彼女の入口はいつでも侵入できそうだ
でもセシルは必ず、焦らす
チェルシーが自分で自分を慰め、恥ずかしさで消え入りそうになっている姿を見るのが好きなのだ
「指を止めないで」
セシルは優しい声命令した
そう、命令
チェルシーはセシルの言う事に決して逆らえない
大きな体に抱き抱えられた小さな体は、言わば籠の中の鳥のようなもの
彼の好きなように弄ばれる
チェルシーの白い肌は徐々に汗ばんでいった
しっとりと吸い付くようのセシルの体に密着する
セシルが彼女の少し膨らんだ突起を、ヌルヌルの体液を付けて摘んで激しく動かすと、
「ああっ…やっ…」
切ない声と共にチェルシーは今夜初めての絶頂を迎えた
小刻みに震える体
「上手だよ、チェルシー」
「もう、もう…」
自分の体が支えられなくなり、セシルに寄りかかりながらもう終わって欲しいと潤んだ瞳で懇願する
無慈悲なセシルは、激しいキスをしながら再び入り口を探し、チェルシーの細い指の2倍はありそうな中指をいっきに奥へ差し込んだ
「痛いっ…」
チェルシーが初めてセシルに犯されてからまだ4日目
それから毎晩抱かれているとはいえ、慣れない体へのいきなりの挿入は苦痛を伴った
「ふふ」
セシルは怪しく笑い、自由な方の手で青い美しい小瓶を取り出す
「それは…セシル様…いや…許し…」最後まで言い終わらない内に、セシルは青い小瓶の液体を自分の口に含み、
チェルシーの口に無理矢理半分ねじ込んだ
ゴクリ
熱い液体が2人の喉を通る
セシルの口の端に紅い水滴が漏れた
これは、紅い、魔薬
「あああっいやぁ」
チェルシーの瞳から涙が溢れた
「いや、こんなの…いや…私…」
体の中から燃えるような熱を感じる
そして
あの恐ろしい感情が湧き出してくるのだ
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