23 / 67
恐怖の夜
しおりを挟むさて、リーフは一生懸命逃げる方法を探していた。
紫の壺から出るのはお菓子の材料ばかりで、落ち着くけど役には立たない。
「あのおっさんめ~。今度会ったらおぼえてやがれ~」
すでに神様という認識はなくなっている。
この部屋の窓は高い所に、小さいものが一つしかなく、しかも鉄格子がはめてある。
どうにかそこから出られたとしても、向こう側は海だろう。
崖に打ち付ける波の音からして、随分荒波のようだ。
最終的にリーフは隠れることにした。すぐ見つかりそうだが、ベッドの下に、である。
やらないよりマシだと思ったから。
ゴソゴソと鉄のベッドの下に潜り込む。鉄のさびた匂いと、かび臭い匂いがした。
数分後。
ガコン
部屋の鍵が開けられる。
「こちらでございます。」 スカーレットの声。
足音は二つ。もう一つはマーリン王子。
「あっ」 リーフがいない、そして隠れていることに気付くスカーレット。
「申し訳ありません、すぐ・・・」
「よい。お前はさがっていろ」
それはマーリンの声だが、リーフを馬に乗せて「あったかいね」と言った時とは別人のように冷たい感じがした。
ガチャン
カツカツ・・・・・
スカーレットが去っていく。
リーフの心臓は張り裂けそうだった。張り裂けて心臓が口から出そうだ。
でも、もしかしたら見つからないかも、見つかってもそんなにひどいことはされないかも、という望みが捨てきれていなかった。
ベッドの下から見える王子の足は、部屋をぐるりと一周して、リーフが潜り込んでいる辺りでピタリと止まった。
「出てこい」
冷ややかな声。
恐ろしくて返事ができないリーフ。
ジリッ・・・っと少し後ろに下がる。すると、何かが手に当たった。見ると・・・それは・・・
切り落とされた人間の指だった。
「うわあああああーーーーー!!」
リーフは思わずベッドの下から這いだした。
目の前にはマーリン王子がいた、と思った次の瞬間、リーフは部屋の隅に吹き飛ばされた。
バンッ 体全体が壁に激突する。
何が起こったのか理解できなかったが、口に広がってきた血の味と激しい痛みで分かってきた。
リーフはマーリン王子にイキナリ殴り飛ばされたのだ。
銀髪の王子は冷たく美しい微笑みをリーフに向けた。
リーフが何とか立ち上がり、よろけながらも逃げようとしているところを、王子は髪を掴んでベッドに叩き付けた。
細い棒のようなもので2度3度リーフを殴りつける。
ピッと皮膚が切れて、王子の顔にリーフの血が飛んだ。
「やめてください、ボクの話を聞てください・・・!」
シャレにならない恐怖と闘いながら、やっとのことでリーフがしゃべる。
「もうなにもしゃべらなくていい・・・真実なぞ無用だ」
王子は無表情のまま馬乗りになり、リーフの首を絞めた。「えっ」
どんどん手に込めた力が強くなる。
「今夜はお前の命を楽しむことに決めた。」
(ボク、殺されるの?!)意識が遠くなりかけたとき、首の手が離された。
ゲホッゲホッ せき込むリーフ。
王子はリーフの腕の傷を見つけた。治りかけの生々しい傷を、思い切り掴む。
「いたいっ・・やめて・・・」また傷口が破れ、血が流れる。
血だらけになった王子の手のひらは、そのままリーフの胸を掴んだ。
い
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる