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3羽のカラス
しおりを挟む一方そのころ、アーサーたちは。
宿屋の酒場、アーサー、ジャック、ハルさんの3人で座っていた。
「暗くなったのに・・・あいつ、まだ帰ってこないな」 とアーサー。 「着の身着のままだったから、すぐ困って帰ってくるかと思ったが・・・」
「行く当てのない子じゃないのかい?」 心配そうなハルさん。
「詳しくは聞いてないけどね、昨日酔っ払ってた時に話してた内容がホントだったら、この世界では一人ぼっちらしいよ。」
「かわいそうに。あんたたちががらかうから・・・。」
ジャックはすでに2,3回空中からリーフを探したが見つからなかった。
「こんな小さな町なのにおかしいよ。森のほうには行っていないみたいだし、誰かに誘拐されたのかも・・・・。」ハルさんビンゴである。
「マーリン王子がこの町に来てるって噂を聞いているのだが、万が一、リーフがあの王子に関わっているとなるとやっかいだぞ・・・。まあそんなことはないだろうけど。」
(そんなことはあった。)
「アーサー、マーリン王子とはあの、冷血の殺戮者で有名な王子か?」ジャックの空色の瞳が曇る。
「そうそう・・・。俺もマーリン王子にあったことは二度ほどしかないが。
昼の間に話した時には、穏やかで、ユーモアがあって、虫も殺しそうにない優しい王子に見えたんだが、夜になると全く正反対の別人になるらしい。
それはマーリン王子の一族の特徴らしいんだが・・・。全てにおいて優秀で強い代わりに、昼と夜の人格が変わるらしい。
噂では、1000年前の王が強力な魔術をかけられたせいで、その子孫は夜な夜な血を求めるようになったとか・・・」
シーンとする3人。でもみんなどこかで、あのリーフなら厄介ごとに巻き込まれてるんじゃないかな、という予感がしていた。
「仕方ないな・・・あいつらに借りは作りたくなかったが・・・。ハルさん、生肉はあるか?」
ハルさんは厨房から肉の塊を持ってきてくれた。
ジャックがそれを手に外に出て、口笛のようなものを吹くと、暗闇の中からカラスが3羽飛んできた。
ジャックは肉を差し出す。
「人間の女の子を見なかったか。黒髪で・・・ブカブカのTシャツを着て、・・・・・、巨乳だ」
カラスたちはカアカア笑った。3匹は何か相談したあと、口々にしゃべり始めた。
「町の南のパン屋にいたよ」
「川の東で泳いでいたよ」
「西に向かって走っていたよ」
「リンゴの木から北に2000歩」
「男に馬で城に連れていかれたよ」
「城か!」
「城かもね」
カラスたちはまたカアカア笑い、肉を奪い合いながら夜の空に消えていった。
「なんだあれ。」聞いていたアーサーがあきれる。「信用していいのか?」
「ああ、なぞかけカラスたちはやっかいだが、一つだけ正解を言うんだ。
今回は簡単だったな・・・・」
「でも、正解ってことは・・・。」
「そう、リーフはマーリンに、城に連れて行かれたってことだ。」
嫌な予感は的中するものだった。
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