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3頭の蛇
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ガラッ ゴトゴトッ ドンッ
大きな音を立てて馬車が傾く。
「うわっ!」
リーフの体は勢いよく馬車の端に移動したが、王子が抱きしめて守ってくれたのでなんともなかった。
ただし王子は強く頭を打ってしまったようだ。少し出血している。
「だ、大丈夫ですか?!マーリン王子!」
「ああ・・・。」
スカーレットが馬車の扉を開ける。
「王子、お怪我を?!」
「大事ない、すこし頭を打っただけだ。」
「申し訳ありません、馬車の車輪がぬかるみにはまってしまったようです。
急ぎ立て直しますので、どうかそのままでお待ちください」
スカーレットや兵士は馬から降りて、ぬかるみから馬車を持ち上げようとする。
リーフも馬車から降りた。
「リーフ、中で待っていなさい。濡れてしまう」
「だって、ボクが乗っていると馬車が重くなるでしょう。それにスカーレットさんが雨の中頑張ってるのに
ボクが何もしないわけにはいかないよ!
あ・・・、王子はケガしてるみたいだからそこにいて!」
腐っても中身は15歳男子。リーフはみんなのそばにいく。
「リーフ様、お戻りください!」
「いいの、ボクも力になりたいよ(スカーレットさんの)」
チビでドンクサイ、どうみても戦力外のリーフが一生懸命馬車を持ち上げようとしている。スカーレットは困った顔で少し笑った。
すぐ横にはおじいちゃん兵士もいた。
「おじいちゃん!腰が悪いんでしょう・・・、重いもの持ち上げようとしちゃだめだよ!」
「大丈夫でございますよ。本当にリーフ様にお菓子をいただいてから調子がいいのです。ホイッホイッ!」
30人余りの兵士が力を出したが、強い雨と風と、頑丈に作ってある馬車の重みでなかなか持ち上がらない。
持ち上がっても雨で崩れてきた土砂でまた車輪が埋もれてしまう。
「くそう、どうすればいいのだ・・・」スカーレットが悩んでいると
「がっ!」
雨音に混じって誰かの声が。
「ああっ」「ごふっ!」
また聞こえた。
「何事だ!」
馬車の反対側を見ると、兵士が驚いた顔で上を見上げている。
「どうしたっ?!」
スカーレットも見上げると、そこには、
兵士が3人、宙づりになっていた。
雨の暗い森が雷で一瞬明るくなる。
すると、見えた。
兵士を宙づりにしていたのは、巨大な蛇だったのだ!
20メートルはあろうか、このあたりの木々を埋め尽くす巨体。
しかも頭が黒、白、金の3つあった。
「ぎゃ~~~~」足がない生き物が大嫌いなリーフは悲鳴を上げた。
その声を聞きつけ、王子も中から出てくる。
蛇はゴリゴリと音を立てて兵士たちの骨を砕きながら飲み込んだ。
雷と断末魔の叫び声が響き渡る。
「王子様とリーフ様は中へっ!みなは剣をかまえろっ!」
スカーレットの怒鳴り声に兵士たちは正気に返り、震えながらも剣を構えた。
しかし3つ首の蛇の動きは速く、兵士たちは目にもとまらぬ速さで次々に飲み込まれていく。
リーフは馬車のドアを半開きにしたまま見ていた。
「怖いよ・・・怖すぎるよ・・・」
「大丈夫、お前私が守る。」リーフが一生に一回でいいから自分が女の子に言ってみたかったセリフである。マーリンが言うと似合い過ぎて憎たらしい・・・。
でも今は、そんな事はどうでもいいほど目の前の出来事が恐ろしかった。
スカーレットは鬼神のような剣さばきで向かってくる蛇の頭と闘っている。
しかし蛇の皮は硬く、しかもぬめぬめ滑るので剣がほとんど効かなかった。
「女か・・・」
蛇がスカーレットを見た。
「孕ませるのにちょうどいい・・・」
「?!」
次の瞬間、3つ頭の蛇の首の根元から細い手が何本も生えてきて、スカーレットをグルグル巻きにするように掴んだ!
「スカーレットさん!」
リーフは飛び出そうとして王子に止められる。
巨大な蛇はスカーレットを掴むと、向きを変えて去ろうとした。
「まって!スカーレットさんを離せ!」
リーフは王子を振りほどいて馬車を飛び出す。
蛇に落ちていた石を投げつけた。「スカーレットさんを返せ!!!」
「リーフやめろ!」マーリンが手を伸ばす・・・が、
ビュッ
リーフも蛇の細い手に捕まってしまった。
蛇はスカーレットとリーフを持ったまま、すごい勢いで森の奥へ移動し始める。
王子が呪文を唱え始めるが、馬車でぶつけたケガと体力の低下で思うように出来なかった。
かろうじて、小さな光のリボンを生み出し、蛇のしっぽに巻き付ける。
雨の激しさとリーフたちの状況は絶望的だった・・・。
大きな音を立てて馬車が傾く。
「うわっ!」
リーフの体は勢いよく馬車の端に移動したが、王子が抱きしめて守ってくれたのでなんともなかった。
ただし王子は強く頭を打ってしまったようだ。少し出血している。
「だ、大丈夫ですか?!マーリン王子!」
「ああ・・・。」
スカーレットが馬車の扉を開ける。
「王子、お怪我を?!」
「大事ない、すこし頭を打っただけだ。」
「申し訳ありません、馬車の車輪がぬかるみにはまってしまったようです。
急ぎ立て直しますので、どうかそのままでお待ちください」
スカーレットや兵士は馬から降りて、ぬかるみから馬車を持ち上げようとする。
リーフも馬車から降りた。
「リーフ、中で待っていなさい。濡れてしまう」
「だって、ボクが乗っていると馬車が重くなるでしょう。それにスカーレットさんが雨の中頑張ってるのに
ボクが何もしないわけにはいかないよ!
あ・・・、王子はケガしてるみたいだからそこにいて!」
腐っても中身は15歳男子。リーフはみんなのそばにいく。
「リーフ様、お戻りください!」
「いいの、ボクも力になりたいよ(スカーレットさんの)」
チビでドンクサイ、どうみても戦力外のリーフが一生懸命馬車を持ち上げようとしている。スカーレットは困った顔で少し笑った。
すぐ横にはおじいちゃん兵士もいた。
「おじいちゃん!腰が悪いんでしょう・・・、重いもの持ち上げようとしちゃだめだよ!」
「大丈夫でございますよ。本当にリーフ様にお菓子をいただいてから調子がいいのです。ホイッホイッ!」
30人余りの兵士が力を出したが、強い雨と風と、頑丈に作ってある馬車の重みでなかなか持ち上がらない。
持ち上がっても雨で崩れてきた土砂でまた車輪が埋もれてしまう。
「くそう、どうすればいいのだ・・・」スカーレットが悩んでいると
「がっ!」
雨音に混じって誰かの声が。
「ああっ」「ごふっ!」
また聞こえた。
「何事だ!」
馬車の反対側を見ると、兵士が驚いた顔で上を見上げている。
「どうしたっ?!」
スカーレットも見上げると、そこには、
兵士が3人、宙づりになっていた。
雨の暗い森が雷で一瞬明るくなる。
すると、見えた。
兵士を宙づりにしていたのは、巨大な蛇だったのだ!
20メートルはあろうか、このあたりの木々を埋め尽くす巨体。
しかも頭が黒、白、金の3つあった。
「ぎゃ~~~~」足がない生き物が大嫌いなリーフは悲鳴を上げた。
その声を聞きつけ、王子も中から出てくる。
蛇はゴリゴリと音を立てて兵士たちの骨を砕きながら飲み込んだ。
雷と断末魔の叫び声が響き渡る。
「王子様とリーフ様は中へっ!みなは剣をかまえろっ!」
スカーレットの怒鳴り声に兵士たちは正気に返り、震えながらも剣を構えた。
しかし3つ首の蛇の動きは速く、兵士たちは目にもとまらぬ速さで次々に飲み込まれていく。
リーフは馬車のドアを半開きにしたまま見ていた。
「怖いよ・・・怖すぎるよ・・・」
「大丈夫、お前私が守る。」リーフが一生に一回でいいから自分が女の子に言ってみたかったセリフである。マーリンが言うと似合い過ぎて憎たらしい・・・。
でも今は、そんな事はどうでもいいほど目の前の出来事が恐ろしかった。
スカーレットは鬼神のような剣さばきで向かってくる蛇の頭と闘っている。
しかし蛇の皮は硬く、しかもぬめぬめ滑るので剣がほとんど効かなかった。
「女か・・・」
蛇がスカーレットを見た。
「孕ませるのにちょうどいい・・・」
「?!」
次の瞬間、3つ頭の蛇の首の根元から細い手が何本も生えてきて、スカーレットをグルグル巻きにするように掴んだ!
「スカーレットさん!」
リーフは飛び出そうとして王子に止められる。
巨大な蛇はスカーレットを掴むと、向きを変えて去ろうとした。
「まって!スカーレットさんを離せ!」
リーフは王子を振りほどいて馬車を飛び出す。
蛇に落ちていた石を投げつけた。「スカーレットさんを返せ!!!」
「リーフやめろ!」マーリンが手を伸ばす・・・が、
ビュッ
リーフも蛇の細い手に捕まってしまった。
蛇はスカーレットとリーフを持ったまま、すごい勢いで森の奥へ移動し始める。
王子が呪文を唱え始めるが、馬車でぶつけたケガと体力の低下で思うように出来なかった。
かろうじて、小さな光のリボンを生み出し、蛇のしっぽに巻き付ける。
雨の激しさとリーフたちの状況は絶望的だった・・・。
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