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救いの翼
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ハゲワシはリーフとスカーレットの前に降り立ち、伸びるように羽を広げたかと思うと、ジャックの姿になった。
こげ茶色の無造作な髪をした長身のジャックがリーフを見下ろす。
あらゆる所にケガをしていて、服はボロボロの小さな少女。
思わずジャックは抱きしめた。「無事でよかった・・・!」
「わわわ、ジャックさん!」
イキナリで困るリーフ。
ペリッ
二人を引きはがすスカーレット。
「リーフ様はマーリン王子の妻となった身。気安く触れないでいただきたい。」
「なんだとぉ!そんなの俺は認めていないぞ!」
「貴様なんぞに認められる必要はないわ!すでにリーフ様のお体には・・」
「まあまあ!二人とも落ち着こう!ところでジャックさん、どうしてここにいるの?!」
話を逸らすリーフ。
「・・・とりあえずここを離れよう。また泉の者が襲ってくるかもしれないぞ」
ジャックは再び巨鳥になり、二人を掴んで深い森を後にした。
森を抜けたすぐの野原に、マーリン王子たちのキャンプがあった。
王子はすぐにリーフたちを夜空に見つける。
「リーフ!無事だったか!」
リーフのボロボロになった体に優しくマントを羽織らせる。
「ひどい目にあったんだね・・・。かわいそうに・・・。ケガはないか?」
「う、うん、まあ大丈夫です・・・。」
「マーリン様が大蛇にかけてくださった魔法のおかげで命拾いいたしました・・・!」
とスカーレットは頭を下げた。
リーフとしては王子に、妖精の紋章とかいうもののことを聞きたかったけど、ひとまず四人は話し合いのためにテントの中へ。
ジャックが始終王子を睨みつけるので、リーフは極力スカーレットにひっつくことにした。
ジャックの話はこうだった。
アーサー王子とジャックは、リーフたちが馬車で旅立った翌日、つまり今日の昼過ぎには牢屋から出された。立派な馬が用意され、10人の護衛を付けられて、リーフたちが向かった方向とは真逆の国境までおくっていかれた。
ところがいよいよアーサーの国、ツルギの国に入ろうとしたときに、一行は何者かに襲われた。
その集団は5人ほどだったのでアーサーたちは倒すことができた。そのうちの一人を尋問すると、ヒョウガの国の者だという。
「どうやらヒョウガの国がツルギの国に攻めてくるつもりらしい。リーフを取り返しに行くつもりだったが、国の危機だ、俺は急ぎ城に戻って兄たちに知らせなければいけない。
ジャック、お前がリーフを連れてきてくれ。」
それからジャックは空を飛び、マーリン王子の一行を見つけた。
しかしリーフは3つ頭の大蛇にさらわれたという。
「3つ首の大蛇は、鳥たちの間で知らぬ者はない。奴は”近づいてはいけない洞窟”に住んでいる。
だいたい、森の奥深くで鳥のいない場所があれば、きっと魔物の住処なのだ。」
そうしてジャックはリーフたちを見つけることができたのだ。
「我が妻を助けてくれて感謝する。」
「お前に感謝される覚えはねぇ!こいつは俺が育てる(?)んだ、結婚なんか認めねーぞ!」
また睨みあう二人。
「ああっ、そうだ、おなかすいたなぁ!お菓子でも焼くから、みんなで食べよう、ね、ね、」
リーフは例の壺を取り出した。割れずにちゃんと馬車に残っていたのだ。
「すまない、リーフ、時間がないのだ。俺はすぐにでもアーサーのところに行かねばならない。
ヒョウガの国が攻めてくるのが本当ならば、手を貸すことになるだろうから。」
「そっか・・、でもちょっとだけ待って!大急ぎで作るよ!」
リーフはクッキーを作り始めた。
慣れているのでものの15分で完成!
それをハンカチのような布きれにくるんでジャックに渡す。
「助けてくれてありがとう!これ、お礼!」
ジャックはいい匂いの、ホカホカの出来立てクッキーを手にすると、フッと笑った。
「・・・お前をここから無理にでも連れて行こうと思ったが。止めておこう、アーサーの国は危険だ。
だが必ずまた迎えに来る。その時まで、マーリン王子に預けておこう。
ではリーフを頼む、王子。」
マーリンはハゲワシになり、「手を出すなよ!」と言いながら飛び去って行った。
嬉しそうにクッキーの包みを掴んで。
「忙しそうだなぁ、ジャックさん」
のんきなことを言うリーフの後ろで、恨みがましい目で見ているスカーレットが。
「クッキー・・・・」
ジャックに全部あげてしまったのが気に入らないらしい。
「あっ、ごめん!スカーレットさん!今からすぐまた焼くね!」
リーフはツボから材料を取り出しコネコネ・・・・。
お菓子をウキウキしながら待つスカーレットが妙に可愛い。
今回のクッキーはハート型になった。
リーフ、マーリン、スカーレットの3人で焼けたクッキーを食べているとき、リーフは思い切って聞いてみることにした。
「あの・・・・ボクの足にある、妖精の紋章ってなんですか・・・?」
こげ茶色の無造作な髪をした長身のジャックがリーフを見下ろす。
あらゆる所にケガをしていて、服はボロボロの小さな少女。
思わずジャックは抱きしめた。「無事でよかった・・・!」
「わわわ、ジャックさん!」
イキナリで困るリーフ。
ペリッ
二人を引きはがすスカーレット。
「リーフ様はマーリン王子の妻となった身。気安く触れないでいただきたい。」
「なんだとぉ!そんなの俺は認めていないぞ!」
「貴様なんぞに認められる必要はないわ!すでにリーフ様のお体には・・」
「まあまあ!二人とも落ち着こう!ところでジャックさん、どうしてここにいるの?!」
話を逸らすリーフ。
「・・・とりあえずここを離れよう。また泉の者が襲ってくるかもしれないぞ」
ジャックは再び巨鳥になり、二人を掴んで深い森を後にした。
森を抜けたすぐの野原に、マーリン王子たちのキャンプがあった。
王子はすぐにリーフたちを夜空に見つける。
「リーフ!無事だったか!」
リーフのボロボロになった体に優しくマントを羽織らせる。
「ひどい目にあったんだね・・・。かわいそうに・・・。ケガはないか?」
「う、うん、まあ大丈夫です・・・。」
「マーリン様が大蛇にかけてくださった魔法のおかげで命拾いいたしました・・・!」
とスカーレットは頭を下げた。
リーフとしては王子に、妖精の紋章とかいうもののことを聞きたかったけど、ひとまず四人は話し合いのためにテントの中へ。
ジャックが始終王子を睨みつけるので、リーフは極力スカーレットにひっつくことにした。
ジャックの話はこうだった。
アーサー王子とジャックは、リーフたちが馬車で旅立った翌日、つまり今日の昼過ぎには牢屋から出された。立派な馬が用意され、10人の護衛を付けられて、リーフたちが向かった方向とは真逆の国境までおくっていかれた。
ところがいよいよアーサーの国、ツルギの国に入ろうとしたときに、一行は何者かに襲われた。
その集団は5人ほどだったのでアーサーたちは倒すことができた。そのうちの一人を尋問すると、ヒョウガの国の者だという。
「どうやらヒョウガの国がツルギの国に攻めてくるつもりらしい。リーフを取り返しに行くつもりだったが、国の危機だ、俺は急ぎ城に戻って兄たちに知らせなければいけない。
ジャック、お前がリーフを連れてきてくれ。」
それからジャックは空を飛び、マーリン王子の一行を見つけた。
しかしリーフは3つ頭の大蛇にさらわれたという。
「3つ首の大蛇は、鳥たちの間で知らぬ者はない。奴は”近づいてはいけない洞窟”に住んでいる。
だいたい、森の奥深くで鳥のいない場所があれば、きっと魔物の住処なのだ。」
そうしてジャックはリーフたちを見つけることができたのだ。
「我が妻を助けてくれて感謝する。」
「お前に感謝される覚えはねぇ!こいつは俺が育てる(?)んだ、結婚なんか認めねーぞ!」
また睨みあう二人。
「ああっ、そうだ、おなかすいたなぁ!お菓子でも焼くから、みんなで食べよう、ね、ね、」
リーフは例の壺を取り出した。割れずにちゃんと馬車に残っていたのだ。
「すまない、リーフ、時間がないのだ。俺はすぐにでもアーサーのところに行かねばならない。
ヒョウガの国が攻めてくるのが本当ならば、手を貸すことになるだろうから。」
「そっか・・、でもちょっとだけ待って!大急ぎで作るよ!」
リーフはクッキーを作り始めた。
慣れているのでものの15分で完成!
それをハンカチのような布きれにくるんでジャックに渡す。
「助けてくれてありがとう!これ、お礼!」
ジャックはいい匂いの、ホカホカの出来立てクッキーを手にすると、フッと笑った。
「・・・お前をここから無理にでも連れて行こうと思ったが。止めておこう、アーサーの国は危険だ。
だが必ずまた迎えに来る。その時まで、マーリン王子に預けておこう。
ではリーフを頼む、王子。」
マーリンはハゲワシになり、「手を出すなよ!」と言いながら飛び去って行った。
嬉しそうにクッキーの包みを掴んで。
「忙しそうだなぁ、ジャックさん」
のんきなことを言うリーフの後ろで、恨みがましい目で見ているスカーレットが。
「クッキー・・・・」
ジャックに全部あげてしまったのが気に入らないらしい。
「あっ、ごめん!スカーレットさん!今からすぐまた焼くね!」
リーフはツボから材料を取り出しコネコネ・・・・。
お菓子をウキウキしながら待つスカーレットが妙に可愛い。
今回のクッキーはハート型になった。
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