ケーキなボクの冒険

墨汁らぼ

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薔薇の城

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「ララ?彼女?!」

リーフは突然聞かされる新しい事実にびっくりした。

「あっ・・・ていうか、彼女って、妹さんかお姉さんってことだよね?
さっき王には男の子しか生まれないっていったじゃない・・・?」

王子はスカーレットと目を合わせた。
言っていいものか悪いのか迷っているようだ。

「これには複雑な事情があって・・・、正確には、ララは男でも女でもない。
そして男でも女でもある・・・。」

「はい?」

「王子のご帰還だー!」
3人の会話を遮るように兵士の声が響く。
馬車は城内の奥に入って行った。


マーリンの城には美しいバラがたくさん咲いている。
立派な城壁、清潔に手入れされた庭、鍛冶屋や馬小屋など一通り揃った施設、どれも見事だった。
城の中にもう一つ小さな町があるようだ。

話は途中になっていたが、リーフたちは慌ただしく馬車から降りて大広間に向かった。

ひときわ華やかな装飾で彩られている大広間には、すでに王が座っていた。
マーリンによく似た銀髪の美しい王。
ただその瞳だけが違い、深い青色だった。
妖精の血のせいか、随分若く見える。マーリンの兄と言ってもおかしくないぐらいだ。


「すでに早馬で到着した兵士から聞いておる。婚儀を済ませたというのはその娘か。」
王は瞬きもせずリーフを見た。
「・・・まだほんの子供のようだが・・・。」

「しかも、どこもかしこも傷だらけで、美人とは言い難いな。黒い髪の茶色の瞳とは、異国の者か?」

ずいぶん失礼な言い方をするやっちゃなーと思うリーフ。
(異国も異国、違う世界からきたっちゅーの!)ブツブツ・・・

「王、お聞き及びかと思いますが、わたくしの呪いはこの者によって解けました。
我が一族の1000年の地獄が終わったのです!」
「それは・・やはりまことなのか・・・?」

王はリーフの前に進み出て、頬を触った。
「普通の少女のようだが、お前は何者だ?」

答えに困るリーフ。だいたい自分が呪いを解いた気もしないし、中身は(ダメダメ寄りの)普通のチェリーな男子高校生15歳である。

「では、ララのことも救ってくれるのか・・・?」
王は懇願するような脅迫するような複雑な瞳をリーフに向けた。

「王、今日のところはこの者も長旅で着かれておりますので、どうかご容赦を。
明日にでも、引き合わせてみようと思います。」とマーリン。
「・・・そうか、そうだな。では部屋を用意しておるので下がってゆっくり休むがよい。
リーフ、よく参った。そしてよく王子を救ってくれた。礼を言うぞ・・・。」

多くは語らないが、王の長年の苦痛が感じられる。
王もまた生まれ落ちた瞬間から半身を呪われ、地獄の苦しみを味わってきたのだろう。


リーフは立派な部屋に通された。暖炉がパチパチ燃えていて、暖かそうだ。
暖炉が珍しいリーフが眺めていると、マーリン王子が後ろから抱きしめてきた。
振り向かせてキスしようとしたので必死に止めるリーフ。

「あのっ、ララさんについてもう少し教えていただけませんか?
あと・・・ボクは救ってあげるとか、特別な力なんてないから非常に困るんですけ・・・」

言い終わらないうちに強引にキスをする王子。
壁に押し付けられて身動きができない。
(これが本当の壁ドンかーーーーー!)
とか思ってる場合ではなく、王子のその手が胸に伸びてきた。

(ボク、流されるまま婚儀したりやらお城に来たりやらしちゃったけど、よく考えたらヤバくない??!!)

やっと、やっと気づくリーフ。
このまま女の子として結婚するということは、どういうことか、初めて考える。

(無理無理無理ーーーーーーーーーーーーー!!!!!)どう考えても無理である。
王子の手が胸元から服の中に入ってきたとき、ちょうどスカーレットがやって来た。

(た、たすかった・・・)命拾いするリーフ。

「・・・お取込みのところ失礼いたします。王子、急ぎ来ていただきたいことが・・・」
スカーレットは明らかに焦っていた。彼女が王子に何か耳打ちすると、王子の顔色が変わる。

「リーフ、今夜は必ず部屋に鍵を賭けなさい。護衛もつける。いいか、夜が明けるまでは決して油断しないように!」

そう言い残すと二人はどこかへ行ってしまった。
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