48 / 67
夕暮れの魔
しおりを挟む
「う、うん、一緒に逃げよう!」「ついでだし!」
思わず快諾するリーフ。
ララには何も逆らえないほどの魅力があった。
ララはニコッとして立ち上がる。「うれしい、ありがとう」
全く体重を感じさせない動き。軽やかな蝶のようだ。
歩くたびに長い銀髪がゆらゆら、なぜか花の香りもする。
リーフはドキドキしながらララが差しだしてきた手を取った。
しっとりしていて柔らかい。
手をつなぎ、小川に沿って歩きながら話をする二人。
「ボクはリーフって言います・・・。マーリン王子に連れてきてもらったんだけど、えーっと、
やっぱり自分の家に帰らなきゃならなくて、城から逃げようと思ったんだ。」
「リーフさんのことは、私のお世話をしてくれているソフィアから聞いたの。
マーリンのお嫁さんじゃないの?どうして逃げようとしてるの?
マーリンが嫌い・・なの?」
返事に困るリーフ。
実は自分が男で・・・とか言ってもいいものかどうか分からない。
説明しても信じてもらえる自信がなかったし。
愛らしいヒスイの瞳がリーフを覗き込む。
どぎまぎしながらごまかすリーフ。
「あ、うーん、その、ボクはマーリン王子にふさわしくないというか、色々勘違いもされてるし、
とにかく結婚は無理かな~なんて。
あ、ところでララはどうして逃げようとしてるの?
ここはララのおうちでしょう?」
ララは舌を出していたずらっぽく笑った。
「へへ。お城の中が退屈だったから。ずっとずっ~とお部屋の中ばかりでつまらなかったの」
(かっ・・・可愛いっっっ~~~~~~~~~~!)
おどけるララはまさに神級の可愛さ、1000年に一人のレベルの天使の様だった。
思わずつないだ手が汗ばむリーフ。
はたから見ると可愛い女の子同士が仲良く手をつないでいるように見えるだろうが、片方の中身はさえないったらありゃしない高校生男子である。
リーフは思った。
(ララのあまりの可愛さに、王様も王子も外に出さずにいたんだな~。で、きっと、ボクに助けてほしいと言ったのは、ララの話し相手にでもなって欲しかったとかに違いない!まったく勝手だなぁ)
ララは外が珍しいのか、小さな虫でも花でも草でも喜んで見ている。
たまに話しかけたり、微笑んだり髪をかき上げたり、目が離せないほど愛らしいしぐさで。
(この世界に来て初めてイイコトあったー!)
思わず神(小さいおじさんに)にも感謝するのであった。
「あ・・・、でもごめんね・・・。ボク迷子になってるんだ。お城からどうやって、どこから出ればいいんだろう?」
「うふふ、わたしもわかんなーい」
笑うララ。デレデレのリーフ。
とりあえず小川が流れる方向に歩くことにした。
二人の小さな旅はすごく楽しいものになった。
ララは見るものすべてが新しくて楽しく、リーフははしゃぐララを見るのが嬉しかった。
川べりで休憩しながらお弁当にしたホットケーキを二人で分け合って食べる。
ララは涙ぐむほど美味しい、美味しいと言いながら食べてくれた。
「こんなおいしいもの食べたの初めて!リーフってすごいね!大好き!」
ララがリーフを見て微笑む。
(あーーーー!今日まで生きててよかった!)
今までに経験したことのない気持ちが生まれてくるリーフ。
(キ…キスしたいな・・・)
ララの紅い唇を見る。白い肌につややかな唇。
きゅって抱きしめて、キスしたい。
この世界に来てアーサーやらマーリンやらにはキスされてしまったが、自分からしたいと思ったのは初めてだった。
男が女の子にキスしてしまう気持ちが分かった気がする。許されるなら、今すぐしたい。
しかししかし。悲しいかな、水面に映る自分は巨乳の小さな黒髪の女の子である。
男の戻りたいと、このとき切実に思った。
(でも、ララは男のボクなんて友達にもしてくれないかも・・・)
お得意のネガティブなリーフ。
休憩しているうちに日が暮れてきた。
あたりがオレンジ色に染まり始める。
「暗くなる前に町まで出ないとね・・・」
リーフがララのほうを見ると、ララは無言で立ち上がった。
夕日が逆光になってララの顔が見えない。
ただ、ララは座っているリーフをじっと見降ろしている。
「ララ?」
返事はない。
「ララ、どうしたの?」
夕日は異様な速度で沈み、急に景色が変わる。
蒼いベールに包まれたような空間。
ほんのわずかに残ったララの影は、どんどん長く延びている。
「ララ・・・・?」
ララは、ララではなくなっていた。
思わず快諾するリーフ。
ララには何も逆らえないほどの魅力があった。
ララはニコッとして立ち上がる。「うれしい、ありがとう」
全く体重を感じさせない動き。軽やかな蝶のようだ。
歩くたびに長い銀髪がゆらゆら、なぜか花の香りもする。
リーフはドキドキしながらララが差しだしてきた手を取った。
しっとりしていて柔らかい。
手をつなぎ、小川に沿って歩きながら話をする二人。
「ボクはリーフって言います・・・。マーリン王子に連れてきてもらったんだけど、えーっと、
やっぱり自分の家に帰らなきゃならなくて、城から逃げようと思ったんだ。」
「リーフさんのことは、私のお世話をしてくれているソフィアから聞いたの。
マーリンのお嫁さんじゃないの?どうして逃げようとしてるの?
マーリンが嫌い・・なの?」
返事に困るリーフ。
実は自分が男で・・・とか言ってもいいものかどうか分からない。
説明しても信じてもらえる自信がなかったし。
愛らしいヒスイの瞳がリーフを覗き込む。
どぎまぎしながらごまかすリーフ。
「あ、うーん、その、ボクはマーリン王子にふさわしくないというか、色々勘違いもされてるし、
とにかく結婚は無理かな~なんて。
あ、ところでララはどうして逃げようとしてるの?
ここはララのおうちでしょう?」
ララは舌を出していたずらっぽく笑った。
「へへ。お城の中が退屈だったから。ずっとずっ~とお部屋の中ばかりでつまらなかったの」
(かっ・・・可愛いっっっ~~~~~~~~~~!)
おどけるララはまさに神級の可愛さ、1000年に一人のレベルの天使の様だった。
思わずつないだ手が汗ばむリーフ。
はたから見ると可愛い女の子同士が仲良く手をつないでいるように見えるだろうが、片方の中身はさえないったらありゃしない高校生男子である。
リーフは思った。
(ララのあまりの可愛さに、王様も王子も外に出さずにいたんだな~。で、きっと、ボクに助けてほしいと言ったのは、ララの話し相手にでもなって欲しかったとかに違いない!まったく勝手だなぁ)
ララは外が珍しいのか、小さな虫でも花でも草でも喜んで見ている。
たまに話しかけたり、微笑んだり髪をかき上げたり、目が離せないほど愛らしいしぐさで。
(この世界に来て初めてイイコトあったー!)
思わず神(小さいおじさんに)にも感謝するのであった。
「あ・・・、でもごめんね・・・。ボク迷子になってるんだ。お城からどうやって、どこから出ればいいんだろう?」
「うふふ、わたしもわかんなーい」
笑うララ。デレデレのリーフ。
とりあえず小川が流れる方向に歩くことにした。
二人の小さな旅はすごく楽しいものになった。
ララは見るものすべてが新しくて楽しく、リーフははしゃぐララを見るのが嬉しかった。
川べりで休憩しながらお弁当にしたホットケーキを二人で分け合って食べる。
ララは涙ぐむほど美味しい、美味しいと言いながら食べてくれた。
「こんなおいしいもの食べたの初めて!リーフってすごいね!大好き!」
ララがリーフを見て微笑む。
(あーーーー!今日まで生きててよかった!)
今までに経験したことのない気持ちが生まれてくるリーフ。
(キ…キスしたいな・・・)
ララの紅い唇を見る。白い肌につややかな唇。
きゅって抱きしめて、キスしたい。
この世界に来てアーサーやらマーリンやらにはキスされてしまったが、自分からしたいと思ったのは初めてだった。
男が女の子にキスしてしまう気持ちが分かった気がする。許されるなら、今すぐしたい。
しかししかし。悲しいかな、水面に映る自分は巨乳の小さな黒髪の女の子である。
男の戻りたいと、このとき切実に思った。
(でも、ララは男のボクなんて友達にもしてくれないかも・・・)
お得意のネガティブなリーフ。
休憩しているうちに日が暮れてきた。
あたりがオレンジ色に染まり始める。
「暗くなる前に町まで出ないとね・・・」
リーフがララのほうを見ると、ララは無言で立ち上がった。
夕日が逆光になってララの顔が見えない。
ただ、ララは座っているリーフをじっと見降ろしている。
「ララ?」
返事はない。
「ララ、どうしたの?」
夕日は異様な速度で沈み、急に景色が変わる。
蒼いベールに包まれたような空間。
ほんのわずかに残ったララの影は、どんどん長く延びている。
「ララ・・・・?」
ララは、ララではなくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる