1 / 3
お品書き
しおりを挟む
神は全人類を愛する、と人々は言った。
それは9割事実だ。神は、個人的な理由で人を否定しない。全人類を平等に捉え、平等に愛する。
しかし、神にも沸点はある。この世の救いようのない悪人には神もこれはこれはお怒りになられる。
今宵も神の怒りを買いし者、贖罪を果たすこととなる。
薔田 武薇 28歳 男
ブラック企業の影響で鬱病にかかるが5年かけて克服。その反動から、人間のことを動く道具と考えるようになり、「なんとなく」という漠然とした理由で強姦や監禁、拷問や殺人も多く行ってきた。
彼の境遇には同情した神も、1日に1人のペースで人生をめちゃくちゃにする様子を見て怒りを超えた不快感を覚えた。
神は下人に、贖罪を与えた。
「さーて、今日の遊びはなにかなー……」
本名薔田武薇。だけど今は警察に追われてる身として、仮名を何十個も使い回てて、誰にどれを使ったかもう覚えていない。
おもちゃを選ぶ時だけでなく、普通に行動する時は、自慢の顔面ペインティングや闇医者の運営する整形を受けたり、とにかく、俺という存在は毎日コロコロ変わっていく。名前然り、顔然り。
出費は痛いけど、殺した時についでに金とかクレカとかぶんどれば意外と生活出来る。
これが俺の生活だ。
「なんだこりゃ?」
外に出ようとして気づいた。ドアについてる郵便受けの中に、一通の手紙とCDが入っている。
俺は超頻繁に引越しするし、住所は一切誰にも教えない。チラシはともかく、手紙なんかここ数年全く見ていない。
「ここもそろそろ引越しだなー」
なんて気楽なことを言いながら手紙を開くと、そこにはまるで冗談な内容が書いてあった。
『罪状:人を人と認識していない罪
贖罪者:薔田武薇
課題内容:呪いのCDで誰でも(自分も含め)一人殺害する
達成失敗:死後、天にも地にもいかず「永遠の無」に閉ざされる
提出期限:この手紙を送った12/12 0:00から168時間
CDの使い方
この2:00のCDを最初から最後まで聞くことで呪いは発動する。途中からの再生や途中での視聴中断では呪いは発動しない』
100%イタズラだと、普通なら思っただろう。だが、それを否定することが彼にはできた。
ひとつがいちばん強い。それは圧倒的な雰囲気。理屈ではどう頑張っても否定できない雰囲気がある。
従わなければマズイ、と本能が告げている。
ふたつが自分の家と自分の本名をセットで知っている人物が一人もいないこと。
「これはめんどいな……」
期限は168時間。÷24して……7日。1週間。
「お、いいねぇ、一個案がうかんできたよぉっと。じゃあ……今日のおもちゃは……」
残り期限167時間
それは9割事実だ。神は、個人的な理由で人を否定しない。全人類を平等に捉え、平等に愛する。
しかし、神にも沸点はある。この世の救いようのない悪人には神もこれはこれはお怒りになられる。
今宵も神の怒りを買いし者、贖罪を果たすこととなる。
薔田 武薇 28歳 男
ブラック企業の影響で鬱病にかかるが5年かけて克服。その反動から、人間のことを動く道具と考えるようになり、「なんとなく」という漠然とした理由で強姦や監禁、拷問や殺人も多く行ってきた。
彼の境遇には同情した神も、1日に1人のペースで人生をめちゃくちゃにする様子を見て怒りを超えた不快感を覚えた。
神は下人に、贖罪を与えた。
「さーて、今日の遊びはなにかなー……」
本名薔田武薇。だけど今は警察に追われてる身として、仮名を何十個も使い回てて、誰にどれを使ったかもう覚えていない。
おもちゃを選ぶ時だけでなく、普通に行動する時は、自慢の顔面ペインティングや闇医者の運営する整形を受けたり、とにかく、俺という存在は毎日コロコロ変わっていく。名前然り、顔然り。
出費は痛いけど、殺した時についでに金とかクレカとかぶんどれば意外と生活出来る。
これが俺の生活だ。
「なんだこりゃ?」
外に出ようとして気づいた。ドアについてる郵便受けの中に、一通の手紙とCDが入っている。
俺は超頻繁に引越しするし、住所は一切誰にも教えない。チラシはともかく、手紙なんかここ数年全く見ていない。
「ここもそろそろ引越しだなー」
なんて気楽なことを言いながら手紙を開くと、そこにはまるで冗談な内容が書いてあった。
『罪状:人を人と認識していない罪
贖罪者:薔田武薇
課題内容:呪いのCDで誰でも(自分も含め)一人殺害する
達成失敗:死後、天にも地にもいかず「永遠の無」に閉ざされる
提出期限:この手紙を送った12/12 0:00から168時間
CDの使い方
この2:00のCDを最初から最後まで聞くことで呪いは発動する。途中からの再生や途中での視聴中断では呪いは発動しない』
100%イタズラだと、普通なら思っただろう。だが、それを否定することが彼にはできた。
ひとつがいちばん強い。それは圧倒的な雰囲気。理屈ではどう頑張っても否定できない雰囲気がある。
従わなければマズイ、と本能が告げている。
ふたつが自分の家と自分の本名をセットで知っている人物が一人もいないこと。
「これはめんどいな……」
期限は168時間。÷24して……7日。1週間。
「お、いいねぇ、一個案がうかんできたよぉっと。じゃあ……今日のおもちゃは……」
残り期限167時間
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる