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最終回 めでたし、めでたし。
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戦争の広がりは凄いものでした。
軍隊という軍隊が日本中に集い、日本という国は混乱を極めたのです。
常に自粛要請が出されており、国民は家から出ず、食料の提供を行って回る軍隊や、食事を回収するタイミングを測られ、殺されるものも。
しかし、そんな機械に対して黙っている人類でもありません。各国の軍隊はそれぞれの個性を生かし集団戦やバズーカ砲、捨てみの特攻などで、機械を苦しめました。
長い間この戦いは続きました。本当に、長い間……
泥仕合とも言えるこの試合が終わる、最後の日は唐突に来たのです。
「私たちの勝利です」イギリスから、ロボスカ宛に届いたメールです。
このメールはとにかくおかしく、『全ての機械を司る部分は私がハッキングしたから身体強化や攻撃学習が可能になった』『人間は3日もせずに滅びます』
ロボスカには実際、全ての機械を軽くだが司る部分があります。しかし、その分ハッキング対策も異常な程に練ってあり、到底成し得る技ではないのです。
ロボスカは迷惑メールだと無視していましたが、この日以降、急に人類の減少が激しくなったのです。
機械が人類を殺すまでにかかる労力が減少し、また、人類の攻撃は学習することで、殆どが回避できるようになっていたのです。
世界各国に逃げる人も現れましたが、機械も追いかけるようにして、世界各国へ散りました。
もはや打倒ロボスカという目標は消え、人類滅亡という目標に起きかわっていたのです。
機械へ奉仕をしていた、店長のような方々も殺されたのです。店長は、最後の時まで、機械に対して謝罪の言葉を述べていました。
ロボスカへ避難していた人達の元へ機械が集まるのも時間の問題でした。
遂に、ロボスカへ攻め込んだ機械の大軍。ロボスカの避難民以外の人類は完全に消滅していました。
ここにいる人が消えてしまうことだけは、本当にいけない。
せめて、数人だけでも残さないと。
私は覚悟を決めました。
過去の私への報いとして。償いとして。
機械を司る部分。そこには、全国の機械のシャットダウンを行う裏技があるのです。
しかし、そう簡単に行えません。そんな簡単に出来てしまえば、それを利用したテロや犯罪が起きてしまいます。
そのため、シャットダウンを行ったものへ、超高圧電流を永久に流し続けるのです。
もし人間なら、感電死してしまいます。もし機械なら、永遠に充電され続け、動けないまま意識だけが残ります。
そんな覚悟を決めた私は、遂にその部分まで来たのです。
しかし、こんな所で迷ってしまったのです。私は、こんな覚悟をすぐに決めるほど、よく出来た人間では無い。それをいちばん分かってたんです。
でも、そうこうしてる間に、残る人も数十人。
迷ってはダメだ。シャットダウンを行うのだ。
シャットダウンまで、あと5秒。
シャットダウンまで、あと4秒。
シャットダウンまで、あと3秒。
シャットダウンまで、あと2秒。
シャットダウンまで、あと1秒。
シャットダウンを行います。
充電が始まりました。しかし、この5秒という時間は、あまりにも長かったのです。
残る人類は……たった1人。
彼は状況を理解するなり、私の元へ寄ってきました。
「なぁ、俺はさ……自分で死ぬほどの勇気はないんだ。だから、せめて、せめて機械に殺して欲しかった。1人は怖いよ。でも死ぬのも怖いよ……俺、どうすりゃいいんだよ??なぁ……なんで……なんで俺がこんな目に遭わなきゃ行けないんだよ!!」
そんな彼は、初めは私に対しての怒りを表していましたが、最後には、こう呟き、ロボスカを後にしたのです。
「でも、君は俺を守ろうとしたんだよな。そうだよな……」
私はその後の彼を知りません。
そんな彼を、喋ることが出来ない私は、眺めることしか出来なかったのです。
ただ、眺めることしか………
軍隊という軍隊が日本中に集い、日本という国は混乱を極めたのです。
常に自粛要請が出されており、国民は家から出ず、食料の提供を行って回る軍隊や、食事を回収するタイミングを測られ、殺されるものも。
しかし、そんな機械に対して黙っている人類でもありません。各国の軍隊はそれぞれの個性を生かし集団戦やバズーカ砲、捨てみの特攻などで、機械を苦しめました。
長い間この戦いは続きました。本当に、長い間……
泥仕合とも言えるこの試合が終わる、最後の日は唐突に来たのです。
「私たちの勝利です」イギリスから、ロボスカ宛に届いたメールです。
このメールはとにかくおかしく、『全ての機械を司る部分は私がハッキングしたから身体強化や攻撃学習が可能になった』『人間は3日もせずに滅びます』
ロボスカには実際、全ての機械を軽くだが司る部分があります。しかし、その分ハッキング対策も異常な程に練ってあり、到底成し得る技ではないのです。
ロボスカは迷惑メールだと無視していましたが、この日以降、急に人類の減少が激しくなったのです。
機械が人類を殺すまでにかかる労力が減少し、また、人類の攻撃は学習することで、殆どが回避できるようになっていたのです。
世界各国に逃げる人も現れましたが、機械も追いかけるようにして、世界各国へ散りました。
もはや打倒ロボスカという目標は消え、人類滅亡という目標に起きかわっていたのです。
機械へ奉仕をしていた、店長のような方々も殺されたのです。店長は、最後の時まで、機械に対して謝罪の言葉を述べていました。
ロボスカへ避難していた人達の元へ機械が集まるのも時間の問題でした。
遂に、ロボスカへ攻め込んだ機械の大軍。ロボスカの避難民以外の人類は完全に消滅していました。
ここにいる人が消えてしまうことだけは、本当にいけない。
せめて、数人だけでも残さないと。
私は覚悟を決めました。
過去の私への報いとして。償いとして。
機械を司る部分。そこには、全国の機械のシャットダウンを行う裏技があるのです。
しかし、そう簡単に行えません。そんな簡単に出来てしまえば、それを利用したテロや犯罪が起きてしまいます。
そのため、シャットダウンを行ったものへ、超高圧電流を永久に流し続けるのです。
もし人間なら、感電死してしまいます。もし機械なら、永遠に充電され続け、動けないまま意識だけが残ります。
そんな覚悟を決めた私は、遂にその部分まで来たのです。
しかし、こんな所で迷ってしまったのです。私は、こんな覚悟をすぐに決めるほど、よく出来た人間では無い。それをいちばん分かってたんです。
でも、そうこうしてる間に、残る人も数十人。
迷ってはダメだ。シャットダウンを行うのだ。
シャットダウンまで、あと5秒。
シャットダウンまで、あと4秒。
シャットダウンまで、あと3秒。
シャットダウンまで、あと2秒。
シャットダウンまで、あと1秒。
シャットダウンを行います。
充電が始まりました。しかし、この5秒という時間は、あまりにも長かったのです。
残る人類は……たった1人。
彼は状況を理解するなり、私の元へ寄ってきました。
「なぁ、俺はさ……自分で死ぬほどの勇気はないんだ。だから、せめて、せめて機械に殺して欲しかった。1人は怖いよ。でも死ぬのも怖いよ……俺、どうすりゃいいんだよ??なぁ……なんで……なんで俺がこんな目に遭わなきゃ行けないんだよ!!」
そんな彼は、初めは私に対しての怒りを表していましたが、最後には、こう呟き、ロボスカを後にしたのです。
「でも、君は俺を守ろうとしたんだよな。そうだよな……」
私はその後の彼を知りません。
そんな彼を、喋ることが出来ない私は、眺めることしか出来なかったのです。
ただ、眺めることしか………
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様々な独創的なアイディアが詰まった面白い作品だと思いました。
後半の急展開には驚きましたが、短編ならではの展開とも言えそうです。
あと数年でどちらも…
という事ですね
ロボはもう…ですけどね
遅れてるのが日本というのも現代日本を見ると納得だったり他もちゃんと考えられてて…
って俺如きがエラソーに!と自分で思っちゃう位です
楽しませてくれてありがとうございます😊
最終回が、何か終わるような気がしないですね。
未来が続くのか、はたまた歴史が繰り返されるのか。
兎に角、色々と考えさせられる話でした。
お疲れ様でした!別の作品も、高期待で待っています!