人間兵器

大地ノコ

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本編

第9話 UHSB戦争の話

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 ユーハースー・ブリス戦争、頭文字を取ってUHSB戦争。
 資金vs技術というなんとも興味深い戦争となったこの戦争が、遂に始まった。
 正々堂々と戦う、普通の戦争は友樹も初めてなので、やはりワクワクしていた。それはもう、眠れないほどに。もう何徹目かもわからなかったのに。
 UHSの首都ラルロスでは、大勢の人間兵器が待ち構えていたのを見て、圧巻された。
 見たらわかる。これはいい勝負になりそうだ。
 ステル隊長の声が聞こえた
「全軍、突撃ーーーーー!」
 始まった。新しい戦争の始まりだ。

 友樹は、なるべく前線で戦うようにした。なるべく近くで撃たないと人に当たんないからだ。
 こんな戦場でも、基本は忠実に守ることができた。落ち着いて、相手のことを見逃さずに、相手よりも早く、撃たれづらいところから、間合いに入って。
 たくさん人間兵器をぶっ壊した。大体15機位。
 ただ、クソみてぇなやつしか殺してなかった友樹からすると、少しは罪悪感というものが芽生えた。
 演習では死刑囚、奴隷戦争ではゴミ貴族を殺してきたが、どちらも極悪人なのは変わらない
 しかし、UHSの兵器たちは違う。一般人が兵器になっているだけだ。多少罪悪感が...
 いや、そんなこと考えるな。相手はただの敵。俺は人を殺すだけ。そう、自分に言い聞かせた。

 戦争が始まって約2日が経った。
 戦況は今のところカチュカンが優勢になっている。カチュカンの技術量が最近急上昇していることからだろう。このまま続けばこちらの勝利は確実だろう。
 だが、そう上手くはいかないものだ。
 いきなり、UHSの最高軍事施設がいきなりすごい音を鳴らしだした。
 すると、UHS兵がなぜか一目散に逃げ出した。まるで何か仕組んでいるのかと思うほど同時に。
 カチュカン兵もすぐに逃げようとした。ただ、時間が許してはくれなかった。そして...
 一発の爆弾がこちらめがけて飛んできた。相手が油断しきっているところを襲うという、簡単な作戦だったのだろう。
 しかし、まんまと引っかかったカチュカン兵を大量に仕留めるためには、爆弾が3発もあれば充分だろう。
 この戦争にて、兵器の人数が激減したのは言うまでもないだろう。一気にこちらがわが不利となった。
 肝心の俺だが、音がなった時点でやばいことに気づき逃げるように後ろへ潜ったため、重症で済んだ。良かった。
 ただ、1つ。許せないことが。
 ノールが死んだ。
 知ってた。あいつは危機察知能力も、足の早さも高いとは言えない。数で戦う時にはこういう奴がほしいけど、それは駒として、大量虐殺のとき優秀な人材を殺すわけにはいかないという目的もあるのだ。
 ただ、知ってたら許せるのか?
 そんなわけがない。
 残り少ない人間兵器を見て、俺は
「戦うぞ」
とだけいって、相手の所へ攻めに行った。
 あいつの敵を取るんだ。ノールの...
 銃がいつもより軽くなっていた気がする。
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