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本編
第12話 一回目
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地震発生からはや一時間。
未だ改善策は出ていない。というかむしろ、更に混乱を極め始めている。
その場しのぎで、救命ボートの修復ができるか試したりもしたが全くの無駄。
軍艦は45度に傾き出した。本当に終わりが近づいている。
更に事態が急変したのは地震発生から1時間と15分後。
二次災害の危険性の消失が確認されたため、日版軍がこちらに攻めてきた。
普段なら多少の損害で済む弾丸でも、今のこの軍艦には致命的な損傷を食らわせることができる。過去最大級のピンチだ。前回の事件と違って、今回は全滅の危険がある。
相手はでかい船でこちらに来ることはなく、小型船で軍艦の前を塞ぐようにしてやってきた。
何人かのカチュカン兵が船から少し頭を出して反撃をしたが、人数の差もあり、あっけなく撤退してしまった。
すると今度は軍艦に向かって日版兵が銃を打ち込み始めた。やばい。軍艦から黒煙が出始めている。
船体はあと少しで垂直になるのではないかと思うほどに傾き、それに黒煙が邪魔で敵がどこから来るかもわからない。
...いや。
それを利用した逆転法がないことはない。
かなり、チャレンジなことをする必要があるぞ。
しかし。勝つためには、これしかないのではないか。
自分と葛藤を続け、遂に覚悟が決まった。
黒煙を利用して隠れて攻撃をするのも手だ。だが、それだと軍艦に攻撃を続ければ終わる話だし、何より俺らが日版軍をはっきり見ることもできない。
変に打つと銃弾が足りなくなる。沈没して水浸しになってるから、使える弾はごく一部だろう。
なら、確実に当てれて、なおかつ黒煙を利用した奇襲で、俺らの全滅を避ける方法。
一つ深呼吸。
ゆっくりと、でも速く足を動かす。
気づかれないよう、音を立てずに、そして。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ」
とかわけのわからない奇声を上げながら、黒煙の中から俺は海へと飛び出し、着地点を冷静に確認しながら、銃の照準を合わせて、一人撃つ。
なるべくそいつの近くに着地し、同乗者をすぐさま撃ちまくる。
銃をリロードし、船から船へと移動をする。
気づかれずにこの船までたどり着けたのはいいが、その後バレるのは当たり前の話だ。体に、何発もの弾が撃ち込まれる。すぐにでも這いつくばって、許しを乞いたいくらいの痛みが体全体を襲う。
でも、この調子で殺れれば、いける。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
一人ひとり確実に。なぜこの痛みに耐えながら照準を合わせられるのかが不思議なくらいだ。
声にならない唸り声と、うるさいくらいの叫び声が混ざって変な声となり、俺の口から漏れ出し、それと同時に弾が放たれる。
これに気づいたステル隊長が俺に怒号を飛ばしながらも、ようやっと軍をこっちへと流してきた。
やっと。やっとプレッシャーから開放される。
軍が来るまで、もう少し。もう少しだけ。耐えるんだ。
俺の心臓となる銃を見てみた。ボロッボロで、先程まで使っていたのが嘘みたいだ。
口から変な液体が漏れ出す。頭が痛い。体が痛い。
あ、もうだめ...。
はっ。
あれ?さっきまで戦って、死んで、って死んで!?
なんで俺今生きてんだよ。ってあ。
そういや人間兵器って生き返るんだっけ?こんなにあっさり生き返るもんなのか。俺の中での体感時間5秒くらいだぞ。
いや、もしかしたら5秒しか立ってないのかも。
どこかはわからんけど、ちょっとカレンダー探そ。
なんとなく、外に出てみた。
そこには地獄が広がっていた。
しかもここは。
「カチュカンが、火の海になってる...?」
未だ改善策は出ていない。というかむしろ、更に混乱を極め始めている。
その場しのぎで、救命ボートの修復ができるか試したりもしたが全くの無駄。
軍艦は45度に傾き出した。本当に終わりが近づいている。
更に事態が急変したのは地震発生から1時間と15分後。
二次災害の危険性の消失が確認されたため、日版軍がこちらに攻めてきた。
普段なら多少の損害で済む弾丸でも、今のこの軍艦には致命的な損傷を食らわせることができる。過去最大級のピンチだ。前回の事件と違って、今回は全滅の危険がある。
相手はでかい船でこちらに来ることはなく、小型船で軍艦の前を塞ぐようにしてやってきた。
何人かのカチュカン兵が船から少し頭を出して反撃をしたが、人数の差もあり、あっけなく撤退してしまった。
すると今度は軍艦に向かって日版兵が銃を打ち込み始めた。やばい。軍艦から黒煙が出始めている。
船体はあと少しで垂直になるのではないかと思うほどに傾き、それに黒煙が邪魔で敵がどこから来るかもわからない。
...いや。
それを利用した逆転法がないことはない。
かなり、チャレンジなことをする必要があるぞ。
しかし。勝つためには、これしかないのではないか。
自分と葛藤を続け、遂に覚悟が決まった。
黒煙を利用して隠れて攻撃をするのも手だ。だが、それだと軍艦に攻撃を続ければ終わる話だし、何より俺らが日版軍をはっきり見ることもできない。
変に打つと銃弾が足りなくなる。沈没して水浸しになってるから、使える弾はごく一部だろう。
なら、確実に当てれて、なおかつ黒煙を利用した奇襲で、俺らの全滅を避ける方法。
一つ深呼吸。
ゆっくりと、でも速く足を動かす。
気づかれないよう、音を立てずに、そして。
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ」
とかわけのわからない奇声を上げながら、黒煙の中から俺は海へと飛び出し、着地点を冷静に確認しながら、銃の照準を合わせて、一人撃つ。
なるべくそいつの近くに着地し、同乗者をすぐさま撃ちまくる。
銃をリロードし、船から船へと移動をする。
気づかれずにこの船までたどり着けたのはいいが、その後バレるのは当たり前の話だ。体に、何発もの弾が撃ち込まれる。すぐにでも這いつくばって、許しを乞いたいくらいの痛みが体全体を襲う。
でも、この調子で殺れれば、いける。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
一人ひとり確実に。なぜこの痛みに耐えながら照準を合わせられるのかが不思議なくらいだ。
声にならない唸り声と、うるさいくらいの叫び声が混ざって変な声となり、俺の口から漏れ出し、それと同時に弾が放たれる。
これに気づいたステル隊長が俺に怒号を飛ばしながらも、ようやっと軍をこっちへと流してきた。
やっと。やっとプレッシャーから開放される。
軍が来るまで、もう少し。もう少しだけ。耐えるんだ。
俺の心臓となる銃を見てみた。ボロッボロで、先程まで使っていたのが嘘みたいだ。
口から変な液体が漏れ出す。頭が痛い。体が痛い。
あ、もうだめ...。
はっ。
あれ?さっきまで戦って、死んで、って死んで!?
なんで俺今生きてんだよ。ってあ。
そういや人間兵器って生き返るんだっけ?こんなにあっさり生き返るもんなのか。俺の中での体感時間5秒くらいだぞ。
いや、もしかしたら5秒しか立ってないのかも。
どこかはわからんけど、ちょっとカレンダー探そ。
なんとなく、外に出てみた。
そこには地獄が広がっていた。
しかもここは。
「カチュカンが、火の海になってる...?」
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