人間兵器

ツチノコのお口

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本編

第13話 これまで、そしてこれからの話

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 現実を受け入れるのに時間がかかったけど、やっぱりここはカチュカンで、火の海になっていた。
 なぜだ?どうしてこうなっているのか?というか今はいつなのか?
 様々な不安や疑問が頭を襲う。
 ...というか俺は本当に死んだのか?

 どうしょうもなく待つこと数時間。
 俺が今いる小屋(たぶん)に一人の男性が来た。第2貴族の制服を着て、手には銃だと思われるものを持った、まるで人間兵器のような男がやってきた。
「うわ。生き返った。復活した」
「すんません。ここは、カチュカンなんですか?」
 わかりきっていることを質問していた。現実を受け入れきれなかったのだ。
「うん。まぁ、信じがたいだろうけど。時間がない。簡単に今のカチュカンの状況を説明してやろう」
 心優しき男性...ロドルフさんとやらは、非常に恐ろしいカチュカンのこれまでを説明してくださりました。

 結論から言うと、未だに日勝戦争は続いてるという。
 あのあと、俺の奮闘のおかげで日版の軍船に乗って、全滅を避けることができた奇跡があったのが約3年前だと。つまり、俺は約3年間も死んでいたそうだ。感覚ないけど。
 その後、日勝戦争は本格化した。しかし戦争は長引き、両国共に財政難や、人的損害を被ることになり、一旦休戦協定が結ばれることとなった。
 しかし、これまた両国共に戦後復興が迅速に進まず、貧しい国といったレッテルが貼られることになった。
 そこで、他国が賠償金欲しさに戦争を仕掛けることになった。特に、カチュカンはブリスを持っていることもあり、大国の多くがカチュカンへ軍を進めた。
 そして、日版でさえも賠償金のうちから山分けとするから勝缶カチュカンを攻撃してくれ、と、実質休戦協定を破棄し日勝戦争も再開した。
 多くの国から一方的に狙われているカチュカンはろくに反撃もできず、この有様だと。

「でだ、本題なんだが」
 ロドルフさんは口を開きます。
「友樹には、生き返ってもらった理由がある。説明するのは俺からじゃない。俺の師匠からだ」
 だからついてこい、とロドルフさんには言われ、火の海の横を静かに歩いていった。

「ようこそ我がラボへ」
「師匠。ついに友樹を連れてきました」
「見たらわかる。よい。お前は下がっとれ。
改めて、ようこそ我がラボへ。私は六井むつい。名字とかは複雑だから今回は省こう。名前でわかるように、元日本人だよ。まぁ、今回は日本人関係ないけどね。
君にはやってもらいことがある。いいかい?ちなみに拒否権とかはないよ。だって君が断ると世界の滅亡に繋がっちゃうからね。で、いいかい?」
「ま、まぁ。内容によります」
「よろしい。それでは内容をちゃちゃっと説明しよう。

 君には、過去に戻って日勝戦争の発生を防いでほしい」
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