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殆どが兄ちゃん話 あぁ、うん。もうそろそろいいかな
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暴れ馬が凹凸激しき悪路を突き進んでいる筈なのだがとても優しい内装は心をも癒し、振動皆無の高度な運転技術が不満を僅かに。
あの野郎、馬車があるんなら初めっから出しとけよな。
「何から何まで尽くして頂き、感謝しきれません。このご恩は――」
「構いませんよ。彼にとっては仕事の一環、私はただの憑き物に過ぎませんので」
突然の敬語口調を前に人間性を疑い出したのか龍特有の目の色と輝きの強弱が変わり、
「俺はね、嬉しいんですよ」
「?」
「人の幸福でも誰かの親と似た人と会えて、甘えたり想いを伝えられたりするのが……」
「?」
「今は皆目わからないでしょうが、真実を知ればきっと御喜びになるでしょうね」
「?」
一辺倒か。少しは聞いてくるだろ、普通。
間。
「リュウの話はご存知ですか」
「それは何方の意味で」
からの、ピリつく空気が外の風景も淀ます。
「祝福の神龍。呪いの竜族」
と。
「えぇ、まぁ」
婆さんが懐かしい話題、振ってきやがった。
「我々は古くから世界に愛されてきました。しかし、初代から伝わる虹龍の因子を持つ、唯一の種族。貴方を畏怖の対象としていた」
「感想をお求めで?」
「心情によります」
「なるほど」
どう答えるのが正解か、悩むねぇ。
「そうだな。正しく言えば嫌だった。かな」
「詳しくお聞かせ願えますか」
「俺らは、父を含めた先祖代々の人々は真っ当な生き様で生涯を終えたと心得ています」
「ですが、両家共に何らかの理由で歴史に名を残し、賞賛と非難の的になっている現状」
「つまり?」
無表情で俺を凝視したまま沈黙で応える。
「ハァ。理想の言葉を聞けないのは残念でしょうが、俺の思っていることなら今から正直に答えますよ」
「……」
「きっと暇つぶしを欲した屑か、敵対勢力が陰謀論として流した噂に過ぎない。でも、運悪く世界中に伝染し、常識になっちまった」
「呪われたから化け物にされた。あんたらと違って一歩目から周りに振り回されてばかりだよ。お陰で神も占いも信じた試しがない」
悪魔は信じてるがな。
「本音を聞けて嬉しい限りです」
「それは良かった。……俺にも少し前まで、少ないながらも友人がいたんですよ。其奴はね、呪いの竜に初めてこう言ったんですよ」
ほんの少し、空を向いて。
「『君は呪いの竜かい?』って、疑いの念を掛けてくれた」
不思議と彼女は異常なまでに瞳孔を開く。
も、続けて、
「疑いは信用への第一歩だ」
そう豪語すると同時、馬車が止まったみたいだ。
「貴方も、決してそれを悪だと思わないで」
と、体がむず痒くなる捨て台詞を吐いて、その場から過ぎ去った。
「休憩か」
「いや」
不穏な空気を察知したのか周りを見つつ、
「これからどうする」を軽くあしらってく。
「もう既に見張りの線に触れた」
「あ?」
野郎共が砂埃から飛び出してきやがった。
「敵のお出ましか」
「っていうか、さっきの後付けだよね」
「細いことは良いんだよ」
「その甘さ、捨てるなら今のうちだよ」
うるせぇよ、もう。
あの野郎、馬車があるんなら初めっから出しとけよな。
「何から何まで尽くして頂き、感謝しきれません。このご恩は――」
「構いませんよ。彼にとっては仕事の一環、私はただの憑き物に過ぎませんので」
突然の敬語口調を前に人間性を疑い出したのか龍特有の目の色と輝きの強弱が変わり、
「俺はね、嬉しいんですよ」
「?」
「人の幸福でも誰かの親と似た人と会えて、甘えたり想いを伝えられたりするのが……」
「?」
「今は皆目わからないでしょうが、真実を知ればきっと御喜びになるでしょうね」
「?」
一辺倒か。少しは聞いてくるだろ、普通。
間。
「リュウの話はご存知ですか」
「それは何方の意味で」
からの、ピリつく空気が外の風景も淀ます。
「祝福の神龍。呪いの竜族」
と。
「えぇ、まぁ」
婆さんが懐かしい話題、振ってきやがった。
「我々は古くから世界に愛されてきました。しかし、初代から伝わる虹龍の因子を持つ、唯一の種族。貴方を畏怖の対象としていた」
「感想をお求めで?」
「心情によります」
「なるほど」
どう答えるのが正解か、悩むねぇ。
「そうだな。正しく言えば嫌だった。かな」
「詳しくお聞かせ願えますか」
「俺らは、父を含めた先祖代々の人々は真っ当な生き様で生涯を終えたと心得ています」
「ですが、両家共に何らかの理由で歴史に名を残し、賞賛と非難の的になっている現状」
「つまり?」
無表情で俺を凝視したまま沈黙で応える。
「ハァ。理想の言葉を聞けないのは残念でしょうが、俺の思っていることなら今から正直に答えますよ」
「……」
「きっと暇つぶしを欲した屑か、敵対勢力が陰謀論として流した噂に過ぎない。でも、運悪く世界中に伝染し、常識になっちまった」
「呪われたから化け物にされた。あんたらと違って一歩目から周りに振り回されてばかりだよ。お陰で神も占いも信じた試しがない」
悪魔は信じてるがな。
「本音を聞けて嬉しい限りです」
「それは良かった。……俺にも少し前まで、少ないながらも友人がいたんですよ。其奴はね、呪いの竜に初めてこう言ったんですよ」
ほんの少し、空を向いて。
「『君は呪いの竜かい?』って、疑いの念を掛けてくれた」
不思議と彼女は異常なまでに瞳孔を開く。
も、続けて、
「疑いは信用への第一歩だ」
そう豪語すると同時、馬車が止まったみたいだ。
「貴方も、決してそれを悪だと思わないで」
と、体がむず痒くなる捨て台詞を吐いて、その場から過ぎ去った。
「休憩か」
「いや」
不穏な空気を察知したのか周りを見つつ、
「これからどうする」を軽くあしらってく。
「もう既に見張りの線に触れた」
「あ?」
野郎共が砂埃から飛び出してきやがった。
「敵のお出ましか」
「っていうか、さっきの後付けだよね」
「細いことは良いんだよ」
「その甘さ、捨てるなら今のうちだよ」
うるせぇよ、もう。
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