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エウダイモニア
82話 心(1)
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レアに再び謝罪をする。
「大丈夫です」
ラズリはそう言い、起き上がる。
「あの後何があったか説明してもらっていいでしょうか?」
「ふむ、あの後君は倒れたんだ。そして2日後、高熱を出したんだ」
「検査の結果、長年薬漬けにされていた影響ね。突然薬をやめたからあれ程の高熱を出したの」
ラズリは手を広げたり閉じたり、腕を動かしたりする。と手首にブレスレット、首にネクレスがついていることに気づく。
「手首は解毒の効果があるアーティファクトで首にあるには生命維持アーティファクトだよ」
ラズリは何故そんなものをつける必要があるのか分からず首を傾げる。
「さっき薬漬けにされてたっていったでしょう?少しでも体の負担を減らす為に、生命維持の方は高熱が酷かったから、後遺症が残る可能性を少しでも減らす為よ。まだ薬の効果が残っていると思うから、しばらくこれをつけて生活してね」
ラズリは何も喋らず、ただアーティファクトを眺めていた。
「ああ、アーティファクトって・・・」
「アーティファクト、様々な効果を付与された石または装飾品を指す。ですよね」
「そう。すごいね」
レアはラズリの頭を撫でようとするとラズリは、まるで恐ろしことでもされるかの様に体を硬直させる。
「そう言えばさっき『ホルス様』って言ってたでしょう?どうして?」
レアが手を引っ込め、話しを逸らす様に言う。
「主人だからです」
「しゅーじーんー?」
レアがホルスを睨めつける。
「知らない、いや知ってるけど・・・」
「ちゃんと説明しなさい!」
ホルスはレアにちゃんと説明する。
「なるほどそれで・・・」
レアはラズリの方を向く。
「ラズリちゃん、ホルスのことを主人なんて思わなくていいのよ。ただの変なおじさんだと思えばいいのよ」
「ちょ・・・ちょい」
「命令は絶対です」
「なら命令だ。僕をホルスっと言ってくれ」
「・・・分かりました」
2人は笑顔になる。
それから、ホルスとレアの献身的な看病によりラズリはどんどん回復する。
「ラズリ回復してきてるね」
廊下を歩きながらホルス、レアが話す。
「そうだね・・・」
「どうしたの?」
「上からラズリにあの日何があったのか聞けだって」
「そんな!まだ・・・」
「分かってるよ。まだ早い。だが上の気持ちも分かる。彼女は一体何者なのか。敵か味方か、はたまたは人工的に造られた悪魔か神か」
ホルスは頭を掻く。
「とにかく、僕からしてみれば人間だ。ラズリの心を優先するから心配しないで」
「分かったわ」
ホルスがレアのおでこにおでこを合わせる。
「大丈夫だよ」
レアは耳を赤くする。
んん“、っと誰かの咳払いして2人は離れる。
「自室でやってくれるか、ここ通路」
「す、すまない。パーチミ」
服が泥まみれなのでどうやら、訓練終わりの様だ。
「それであの保護した子どうなんだ?」
「ああ、ラズリかい?回復は順調だよ」
「違う。おとなしいか聞いてんだ!たく驚いたぜ、突入するはずだった建物が爆発して、そしたらお前が突然走り出して、戻ってきたかと思えば子供を抱っこしてきて『俺が保護する』なんて言うんだから。上も下も真ん中も大騒ぎだ!」
「ご、ごめん」
ラズリを殺すべき、または地下の牢獄に入れるべきだと言う意見が多かったが、ホルスはそれらを無視し、ラズリを保護した。
「しかも魔力遮断を付けないって駄々をこねるし。おい妻どうにかしろ」
「無理、子供より手が掛かるのがホルスだから」
「えっ・・・」
「よかったな息子2人はお前に似なくて!」
「そんな・・・」
ホルスはショックで涙目になる。
「とにかく、何があるか分からないんだ。気をつけろ」
「大丈夫だ・・・」
「気をつけろ」
パーチミはホルスの胸ぐらを親指で押す。
「了解です・・・」
数日後、ラズリは回復した。そんなある日、いつもの様にホルスとレアが来る。そしてもう1人。
「彼はパーチミだ。僕の友人」
ラズリは軽く会釈する。パーチミも会釈する。
「ラズリ、そのどうかな?」
ラズリは分からず首を傾げる。
「心の方は大丈夫?」
レアが慎重に話しかける。
「心とは何ですか?」
ラズリの質問に3人は戸惑い表情を浮かべる。
当然だった。今まで人を殺す訓練と人格否定のようなことしか言われていなかった。心が分からないのは必然だった。
「心ってのは人が人である為に必要なものだよ」
「なら必要ありませんね」
ラズリの言葉にホルスが首を振るう。
「大丈夫です」
ラズリはそう言い、起き上がる。
「あの後何があったか説明してもらっていいでしょうか?」
「ふむ、あの後君は倒れたんだ。そして2日後、高熱を出したんだ」
「検査の結果、長年薬漬けにされていた影響ね。突然薬をやめたからあれ程の高熱を出したの」
ラズリは手を広げたり閉じたり、腕を動かしたりする。と手首にブレスレット、首にネクレスがついていることに気づく。
「手首は解毒の効果があるアーティファクトで首にあるには生命維持アーティファクトだよ」
ラズリは何故そんなものをつける必要があるのか分からず首を傾げる。
「さっき薬漬けにされてたっていったでしょう?少しでも体の負担を減らす為に、生命維持の方は高熱が酷かったから、後遺症が残る可能性を少しでも減らす為よ。まだ薬の効果が残っていると思うから、しばらくこれをつけて生活してね」
ラズリは何も喋らず、ただアーティファクトを眺めていた。
「ああ、アーティファクトって・・・」
「アーティファクト、様々な効果を付与された石または装飾品を指す。ですよね」
「そう。すごいね」
レアはラズリの頭を撫でようとするとラズリは、まるで恐ろしことでもされるかの様に体を硬直させる。
「そう言えばさっき『ホルス様』って言ってたでしょう?どうして?」
レアが手を引っ込め、話しを逸らす様に言う。
「主人だからです」
「しゅーじーんー?」
レアがホルスを睨めつける。
「知らない、いや知ってるけど・・・」
「ちゃんと説明しなさい!」
ホルスはレアにちゃんと説明する。
「なるほどそれで・・・」
レアはラズリの方を向く。
「ラズリちゃん、ホルスのことを主人なんて思わなくていいのよ。ただの変なおじさんだと思えばいいのよ」
「ちょ・・・ちょい」
「命令は絶対です」
「なら命令だ。僕をホルスっと言ってくれ」
「・・・分かりました」
2人は笑顔になる。
それから、ホルスとレアの献身的な看病によりラズリはどんどん回復する。
「ラズリ回復してきてるね」
廊下を歩きながらホルス、レアが話す。
「そうだね・・・」
「どうしたの?」
「上からラズリにあの日何があったのか聞けだって」
「そんな!まだ・・・」
「分かってるよ。まだ早い。だが上の気持ちも分かる。彼女は一体何者なのか。敵か味方か、はたまたは人工的に造られた悪魔か神か」
ホルスは頭を掻く。
「とにかく、僕からしてみれば人間だ。ラズリの心を優先するから心配しないで」
「分かったわ」
ホルスがレアのおでこにおでこを合わせる。
「大丈夫だよ」
レアは耳を赤くする。
んん“、っと誰かの咳払いして2人は離れる。
「自室でやってくれるか、ここ通路」
「す、すまない。パーチミ」
服が泥まみれなのでどうやら、訓練終わりの様だ。
「それであの保護した子どうなんだ?」
「ああ、ラズリかい?回復は順調だよ」
「違う。おとなしいか聞いてんだ!たく驚いたぜ、突入するはずだった建物が爆発して、そしたらお前が突然走り出して、戻ってきたかと思えば子供を抱っこしてきて『俺が保護する』なんて言うんだから。上も下も真ん中も大騒ぎだ!」
「ご、ごめん」
ラズリを殺すべき、または地下の牢獄に入れるべきだと言う意見が多かったが、ホルスはそれらを無視し、ラズリを保護した。
「しかも魔力遮断を付けないって駄々をこねるし。おい妻どうにかしろ」
「無理、子供より手が掛かるのがホルスだから」
「えっ・・・」
「よかったな息子2人はお前に似なくて!」
「そんな・・・」
ホルスはショックで涙目になる。
「とにかく、何があるか分からないんだ。気をつけろ」
「大丈夫だ・・・」
「気をつけろ」
パーチミはホルスの胸ぐらを親指で押す。
「了解です・・・」
数日後、ラズリは回復した。そんなある日、いつもの様にホルスとレアが来る。そしてもう1人。
「彼はパーチミだ。僕の友人」
ラズリは軽く会釈する。パーチミも会釈する。
「ラズリ、そのどうかな?」
ラズリは分からず首を傾げる。
「心の方は大丈夫?」
レアが慎重に話しかける。
「心とは何ですか?」
ラズリの質問に3人は戸惑い表情を浮かべる。
当然だった。今まで人を殺す訓練と人格否定のようなことしか言われていなかった。心が分からないのは必然だった。
「心ってのは人が人である為に必要なものだよ」
「なら必要ありませんね」
ラズリの言葉にホルスが首を振るう。
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