チート転生者をぶっ殺す人通称テンプレキラーは口では面倒くさいなどと言いながらも気が付けば美少女たちに囲まれていた。

せばすちゃn

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本編

紅茶って正直味しないよね、これ俺だけじゃないよね。ねえ。

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俺の1日はダージリンの香りで始まる。
濡れた手をキレイなタオルで拭きつつ、テレビをつけてからキッチンへ。
歯磨きの前に用意していたティーセットに、高い位置からお湯を注ぎ込む。踊る茶葉、立ち上る香り。……ついつい口元がゆるんでしまう。 

「……よし。みんなーできたぞー」
『わーい』

ドタドタドタ

できた紅茶を、温めていたカップにゆっくりと注ぐ……。
カップを持ち上げ、焦らすように僅かにこちらに傾ける。香りを楽しむのもまた紅茶をより楽しむ秘訣だ。

「ズズズ……、うん。今日もいいブルーマウンテンだ」

俺は紅茶にはうるさい男。どのくらいうるさいかというと、熱帯夜に耳元で飛び回る蚊くらいうるさい。

「はっ!! 飲めりゃ一緒ですよ、私はこんなモンより……どりゃあ!」
「女神先輩、コーヒーにまで柿ピーとかマジやべぇッス!」
「ハハハ! ゴリゴリしてうめぇですよー!」
「こら女神よ、行儀が悪いゾ……たぁーっ!」
「うっわ勇者もやべぇッス !  タダ者じゃねえッス!!」
「ハハハ、そうだろうそうだろう」
「うわぁー、そんな事まで?! いやぁーそう来たか!! マジッスか?! 勇者ハンパねー!! まさか……ここでそう来るとは! いやぁー!」

ガシャン!

「あっ……。こらこら、お行儀悪いですよテンプレキラー。大事に飲まないと駄目で……」
「ブウウウウウン! ブウウウウン!!」
「うっさ!! ちょっと! 耳元で蚊の羽音の真似をするのはやめてくださいよ!!」
「こらこら、ティータイムは行儀よくだなぁ……」
「先輩ご乱心ッスか?」
「……ブウウウウウン!!」
「ぐあああああっ!! 耳が……っ! 耳があああああっ!!」
「おい、いい加減に……はっ?! ちょっと待て皆! この男……よく見たら別人だ!」
「えっ、そマ?! そマッスか?!」
「見ろ! 羽と角が生えててクチバシも鋭利で顔も違うじゃないか!」
「!! 本当ですね……。流石は勇者です。この男……いや、モンスターはいったい……?!」
「ブウウウウウン!! ……暑中見舞イブウウウウン!!」
「なーんだ、暑中見舞いですか、最近暑いですからねぇ。手土産持ってご丁寧に、ありがとうございますですよ」

パカッ

この瞬間、世界に溢れ出た災厄は、緑の野を枯らし、青き星から水を奪い、これまでの、そしてこれからの生命を無慈悲に摘んだ。最早誰もに止められはしない。地獄の釜の蓋はここに今、開け放たれたのだ。

「ほうほう……。中身は『ありふれた混沌お徳用』と……『インスタントコーヒー』ですか」
「わざわざすまないな……高かったんだろう? このインスタントコーヒー」
「ブウウウウン!」
「ははは、君は面白いことを言うなぁ。どれ、折角だから一緒にお茶でも」
「ブウウウウン!!」
「あ、麻雀やるッスか?」
「ブウウン!!」

彼はこの後クソほどカモられてショック死したそうだ。
これにより世界には再び平和が訪れた。悪は滅びたのだ。
ちなみに俺は皆の横でずっと無言でコーヒー豆食ってた。
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