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第一章
第27話 来訪者
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「ブロガが何者かによって連れ去られました。そして女達は喉、目を潰された上死亡したとの事です」
俺達はそれを聞いてしばらく動く事はできなかった。
「あの······」
「すまない、驚き過ぎて、頭が回らなかった。被害はその二人だけか?」
「はい。牢に入っている者達の、食事を持って行った時にはその状態だったそうです。厳重な地下牢で、中に入るには見張りがいる扉を抜けるしかなく、そこを抜け十六部屋ある内、三人が別々の部屋に入れられており、そこには合わせて七名。消えたブロガと二人を除いた残りの四人は無事で、聞いたところによると、物音一つしなかったそうです」
「エイア、リーン、セレーナ、今から警戒を強める。結界を強化するからこの部屋でみんなで寝る事にしよう、もちろん護衛の二人もだ。この二つの寝台をくっ付ければ五人でも寝れるだろう。俺はソファーで寝る。良いか?」
俺はこの部屋、風呂場も合わせて張ってあった結界を強化し、俺が許可するまで出入りできなくしておく。
皆は頷き、寝台移動させその後話を続けた。
「アイテール、その結界はどの程度の?」
「まず音は外には漏れない。攻撃もたとえSランクの冒険者でも破るのは難しいぞ、もちろん魔法もな。問題は空気が通り抜ける穴を作っていないことだが、この部屋の大きさなら丸一日くらいは大丈夫だ」
「そのような結界、宮廷魔道士長でも無理ですわ」
「セレーナ、アイテールは音の漏れない結界を、馬車移動の間続けていましたから、心配しなくても、張り続けられると思いますわよ」
「そうにゃよ、アイテールはやれるから心配ないにゃ」
「それが本当でしたら、いえ本当なのでしょうね、分かりました、この部屋で今夜は寝る事にしましょう。あなた達もですよ」
「「はっ!」」
寝台の間に置いてあったテーブルを移動させ、寝台同士を壁から一応離して部屋の真ん中でくっ付け、今夜の寝床ができた時、入口の戸が叩かれた。
コンコン『お客様、夜分に失礼します。衛兵が話をしたいと、案内してきましたが、お時間よろしいでしょうか?』と誰か来たようだ。
「こんな時間に? ······みんな、寝台のところにいてくれ、俺が結界を変形させ対応するから。良いか、もしかすると早々に俺達を消しに来たのかも知れない。ならば捕まえるから見ててくれ、一旦声は聞こえるように切り替えるぞ」
「うん。みんな、何気なく寝台に座ってようね、ほら護衛もこっちきなさい。アイテール頑張ってね」
「頑張るにゃよ」
「お願いいたしますわ」
護衛の二人も頷き、皆が寝台に座ったのを見て、防音結界を解いた。そして入口の結界を二メートル四方分凹みを作る準備をして返事をする。
「ああ、今開ける」
戸の鍵を開け、寝台の近くに戻りながら凹みを作った。
「入ってくれ」
『ありがとうございます。では衛兵さん、私は仕事に戻りますね』
『はい。ありがとうございます。では入りますね』
歩き去る足音とカチャと戸が開く音が聞こえ、衛兵姿の女性が入ってきた。
そして入口の戸を閉めた瞬間、腰を落とし、音も立てずに俺達に向かって飛び込んできた!
「へぐっ!」
だが、顔からベチンと結界にぶつかり、倒れた。俺はすかさず転げたヤツを逃がすまいと、入口側を結界で蓋をし閉じ込め、体勢を整え立ち上がったところに。
「今だ! 縮小! 鑑定!」
結界を体制に合わせ、ギリギリまで縮め、捕縛に成功した。
「ふう。やはり俺達も狙ってきたようだな」
「くそっ、なんだこれは、バインド系の魔法なのか! 動けん!」
それはそうだろう、首から上だけは動かせ、小さな空気穴が開いているが、その他は体に引っ付くように結界が張ってあるからな。
「まあそんな感じだ。おっと、魔道具を回収させてもらうぞ、収納!」
入ってきた後、結界を縮めるのと同時に鑑定に引っ掛かり分かった事だがこの女、魔道具を体中に装備していた。
それを全部収納で取り除くと裸の女ができ上がった。
「身に付けている物が全部魔道具とはな」
「何っ! くそっ、どうなってやがる!」
「まあ秘密だから言わないが、ブロガを連れ去り、仲間二人を殺したヤツの仲間だな?」
「······」
(まずいぞ、ブロガのヤツめ、こんな事ができるとは一言も言ってなかったぞ! この私がこんな小僧に捕まるなんて、それも手も足も出ないだと! なんとか脱け出す方法は――)
「黙るんだな」
まあ、念話で筒抜けだが、やはりブロガが。
「ブロガはどこにいる、捕まえ罪を償ってもらう、話せ」
「······」
(口が裂けても言うものか、まさか領主邸に匿われていると、正直に言っても信じないだろうがな。暗殺ギルドのラビュリント支部が、まさか領主邸とは思い付きもするまい)
っ! そういう事か! ブロガを捕まえ、領主に伝えて僅か半日で、早いはずだ。
「はぁ、どうやって衛兵が見張る牢から連れ出せたんだ?」
「······」
(どうやってだと? くくくっ、そんな物地下通路が各牢に領主邸から繋がっているからな、いくら見張っていようが関係はない。仕方がないな、おとなしく牢へ入れられるとするか)
なるほどな。それはバレないはずだ。見張りの前は通ってもいない。
さて、この後はどうするか······。
俺達はそれを聞いてしばらく動く事はできなかった。
「あの······」
「すまない、驚き過ぎて、頭が回らなかった。被害はその二人だけか?」
「はい。牢に入っている者達の、食事を持って行った時にはその状態だったそうです。厳重な地下牢で、中に入るには見張りがいる扉を抜けるしかなく、そこを抜け十六部屋ある内、三人が別々の部屋に入れられており、そこには合わせて七名。消えたブロガと二人を除いた残りの四人は無事で、聞いたところによると、物音一つしなかったそうです」
「エイア、リーン、セレーナ、今から警戒を強める。結界を強化するからこの部屋でみんなで寝る事にしよう、もちろん護衛の二人もだ。この二つの寝台をくっ付ければ五人でも寝れるだろう。俺はソファーで寝る。良いか?」
俺はこの部屋、風呂場も合わせて張ってあった結界を強化し、俺が許可するまで出入りできなくしておく。
皆は頷き、寝台移動させその後話を続けた。
「アイテール、その結界はどの程度の?」
「まず音は外には漏れない。攻撃もたとえSランクの冒険者でも破るのは難しいぞ、もちろん魔法もな。問題は空気が通り抜ける穴を作っていないことだが、この部屋の大きさなら丸一日くらいは大丈夫だ」
「そのような結界、宮廷魔道士長でも無理ですわ」
「セレーナ、アイテールは音の漏れない結界を、馬車移動の間続けていましたから、心配しなくても、張り続けられると思いますわよ」
「そうにゃよ、アイテールはやれるから心配ないにゃ」
「それが本当でしたら、いえ本当なのでしょうね、分かりました、この部屋で今夜は寝る事にしましょう。あなた達もですよ」
「「はっ!」」
寝台の間に置いてあったテーブルを移動させ、寝台同士を壁から一応離して部屋の真ん中でくっ付け、今夜の寝床ができた時、入口の戸が叩かれた。
コンコン『お客様、夜分に失礼します。衛兵が話をしたいと、案内してきましたが、お時間よろしいでしょうか?』と誰か来たようだ。
「こんな時間に? ······みんな、寝台のところにいてくれ、俺が結界を変形させ対応するから。良いか、もしかすると早々に俺達を消しに来たのかも知れない。ならば捕まえるから見ててくれ、一旦声は聞こえるように切り替えるぞ」
「うん。みんな、何気なく寝台に座ってようね、ほら護衛もこっちきなさい。アイテール頑張ってね」
「頑張るにゃよ」
「お願いいたしますわ」
護衛の二人も頷き、皆が寝台に座ったのを見て、防音結界を解いた。そして入口の結界を二メートル四方分凹みを作る準備をして返事をする。
「ああ、今開ける」
戸の鍵を開け、寝台の近くに戻りながら凹みを作った。
「入ってくれ」
『ありがとうございます。では衛兵さん、私は仕事に戻りますね』
『はい。ありがとうございます。では入りますね』
歩き去る足音とカチャと戸が開く音が聞こえ、衛兵姿の女性が入ってきた。
そして入口の戸を閉めた瞬間、腰を落とし、音も立てずに俺達に向かって飛び込んできた!
「へぐっ!」
だが、顔からベチンと結界にぶつかり、倒れた。俺はすかさず転げたヤツを逃がすまいと、入口側を結界で蓋をし閉じ込め、体勢を整え立ち上がったところに。
「今だ! 縮小! 鑑定!」
結界を体制に合わせ、ギリギリまで縮め、捕縛に成功した。
「ふう。やはり俺達も狙ってきたようだな」
「くそっ、なんだこれは、バインド系の魔法なのか! 動けん!」
それはそうだろう、首から上だけは動かせ、小さな空気穴が開いているが、その他は体に引っ付くように結界が張ってあるからな。
「まあそんな感じだ。おっと、魔道具を回収させてもらうぞ、収納!」
入ってきた後、結界を縮めるのと同時に鑑定に引っ掛かり分かった事だがこの女、魔道具を体中に装備していた。
それを全部収納で取り除くと裸の女ができ上がった。
「身に付けている物が全部魔道具とはな」
「何っ! くそっ、どうなってやがる!」
「まあ秘密だから言わないが、ブロガを連れ去り、仲間二人を殺したヤツの仲間だな?」
「······」
(まずいぞ、ブロガのヤツめ、こんな事ができるとは一言も言ってなかったぞ! この私がこんな小僧に捕まるなんて、それも手も足も出ないだと! なんとか脱け出す方法は――)
「黙るんだな」
まあ、念話で筒抜けだが、やはりブロガが。
「ブロガはどこにいる、捕まえ罪を償ってもらう、話せ」
「······」
(口が裂けても言うものか、まさか領主邸に匿われていると、正直に言っても信じないだろうがな。暗殺ギルドのラビュリント支部が、まさか領主邸とは思い付きもするまい)
っ! そういう事か! ブロガを捕まえ、領主に伝えて僅か半日で、早いはずだ。
「はぁ、どうやって衛兵が見張る牢から連れ出せたんだ?」
「······」
(どうやってだと? くくくっ、そんな物地下通路が各牢に領主邸から繋がっているからな、いくら見張っていようが関係はない。仕方がないな、おとなしく牢へ入れられるとするか)
なるほどな。それはバレないはずだ。見張りの前は通ってもいない。
さて、この後はどうするか······。
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